そろそろ日も沈もうかという頃合いだった。
酒浸 朱蘭に
夢宮 瑠奈、
工藤 来夢が連れ立って歩いていると、声をかけられた。
「お嬢さんがた。飲んでかない? サービスしまっせ」
社会人の来夢はともかく朱蘭と瑠奈は未成年だし、飲み屋の客引きなど本来聞く耳持たないのだが、その日は少々、事情が違っていたようだ。
「……猫が客引きしてるんだぜ?」
「ていうか二本足で立ってるし、しゃべってるし。あたし、もう酔ってたっけ?」
朱蘭と来夢が思わずつぶやくと、でっぷり太った三毛猫がにんまり笑って言った。
「うちのマタタビ酒は、一度味わったらヤミツキでっせ。もちろん未成年のお嬢さんがたには、ソフトドリンクやお料理もありまっさかい」
二本足ですっくと立つ三毛猫ははっぴを着て、ねじり鉢巻きを締めている。
興味を惹かれたか、瑠奈が尋ねた。
「猫さんのお店は、居酒屋さん? 猫のお店なの? 私たちが入っても大丈夫?」
「かまへんかまへん! ウチは確かに猫向けの飲み屋やけど、来る者拒まず。猫だろうと人間だろうと、お客様は神様や」
そう言って手を、いや前足をかざしたほうへ視線を向ければ、なんと。
路地の向こうにぼんやりと浮かび上がる、和の趣きで飾られたこじんまりとした店があった。
よく見れば人の好さそうな三毛猫の愛嬌たっぷりな笑顔に、三人は顔を見合わせる。
「どーする? あたしもちょっと興味が湧いてきたんだぜ」
「そういえば、そろそろお腹が空いてきちゃったかも」
「まあ、ぼったくりってわけでも無さそうよね。入ってみる?」
店先では三毛猫と同じはっぴを着た、これまた愛らしい猫たちが三人を招いている。
軒に吊るされた赤提灯には、『居酒屋 ぐでねこ』と書かれていた。
うらぶれた路地の先に佇む居酒屋は、どうやら不思議な空間だが、美味しいお酒に美味しい料理、ソフトドリンクだってもちろんある。
仕事に疲れたサラリーマンはもちろん、塾や部活帰りの学生や、子ども連れのママさんたち、ほしびとだって大歓迎だ。
猫が営む居酒屋で、今夜はちょっと癒されるのも良いかもしれない。
こんにちは、星織遥です。よろしくお願いします!
酒浸 朱蘭さん、夢宮 瑠奈さん、工藤 来夢さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず、ご自由にアクションをおかけくださいませ。
概要
寝子島の片隅の不思議空間で猫たちが営む『居酒屋 ぐでねこ』にて、ちょっとした宴会を楽しむお話です。
宴会といっても、お酒が飲めない未成年でも問題なくご参加いただけます。
お酒以外のメニューもたくさんあります。
客引きの三毛猫に誘われて、あるいはふらりと迷い込んで、あるいは人づてに聞きつけて、
あなたは『ぐでねこ』を訪れました。
かいがいしく接客を頑張る猫たちに和みながら、しっとりお酒をいただいたり。
気の置けない仲間や恋人と、ゆっくりじっくりとおしゃべりを堪能したり。
おいしいお料理を堪能したり。
忙しない日々の合間に、時間のゆったり流れるこのお店で、疲れを癒すのはいかがでしょうか?
お店の店員さんには、二本足で歩く『ねこ』と、ふつうの『猫』がいます。
『ねこ』は注文を承ったり、話相手になってくれたり、愚痴を聞いてくれたりします。
『猫』は、背中にくくりつけたトレイで注文の品を運んでくれたり、膝の上で丸くなって撫でさせてくれたりします。
お客も『ねこ』や『猫』が中心ですが、中には人間や、人間でない者もいたりします。
なお、飲食店ですが不思議空間なので、衛生面には問題ありませんのでご安心を。
お店の一番の看板メニューは、『マタタビ酒』です。
マタタビ酒という名前ですが、猫だけではなく人間が飲んでもとても美味しいです。
アルコール度数は控えめで、フルーティで爽やかなお味。製法は秘密とのこと。
その他、一般的な居酒屋メニューはたいてい揃っていますので、自由に注文してください。
メニューに無いものでも、頼んでみれば喜んで作ってくれるかもしれません。
ノンアルコールのドリンクも豊富です。
未成年だけの来店も大歓迎。
なお、お店の奥の小上がりで、『ねこ』の一団が宴会をしています。
飛び入り大歓迎だそうなので、混ぜてもらうのも一興です。
彼らは『ねこ』のサラリーマンだそうです。
NPC
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、口調などのキャラクター設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!