「あそこが入り口かしら?」
「ええ。あれです」
近くで農家を営んでいるという男に案内され、
志筑 かりんはサジタリオ城下町からいくらか離れた村落を訪れた。
星幽塔第一階層の片隅にて、新しい未踏破の遺跡が見つかったという。
中からは断続的に魔物があふれ出し難儀しているということで、このほどBarアストラルの冒険者ギルドへ、その討伐と探索の依頼が寄せられた。
かりんは依頼を請け負った冒険者の一人である。
ぽっかりと口を開けた遺跡の入り口は、近くに転がっている頑丈な扉によって封をされていたようだが、今やそれらは内側から砕かれ用を成していない。
さっそく顔を覗かせた一体のゴブリンを仲間の弓が仕留めるのを横目に、かりんは案内の男を振り返る。彼はうなずいて言った。
「一週間前、突然この場所に現れたんです。魔物が湧くので、困り果てていまして……」
「誰か、中に入りましたか?」
「先にいらした冒険者の方が、まず浅い階層をいくらか探索されました。話によれば、この遺跡には魔物以上に厄介なことがあるそうで……」
男は顔をしかめる。
「中へ入った途端、手持ちの食料が全て、砂と化して朽ちてしまったそうです」
「はあ、食べ物が。全て?」
「ええ。干し肉やパンはもちろん、星の力を帯びた食材まで、全て。つまり
この遺跡へは、食料を持ち込むことができないのです。深く探索するならば、何らかの方法で食糧問題を解決する必要があるでしょうね」
「あらあら。それは困りましたねえ」
遺跡へ突入し、魔物が湧き出す原因を突き止め排除するのが、冒険者たるかりんらの仕事だ。
しかし特殊な力、あるいは呪いが満ちたこの古い地下建造物の内部においては、一切の食料を持ち込むことができない。
当然にして、食物は冒険や戦闘の活力を生み出すものだ。その補給もままならないとなれば、遺跡へ深く潜ることは難しい。
「あの……」
かりんが思案を巡らせていると、男がためらいがちに口を開いた。
「先の冒険者さんが、解決法を一つ示されまして」
「と、言いますと?」
「食べ物を持ち込めないのであれば、
現地調達をすればいいのではないかと……」
現地調達。
かりんは首を傾げる。
「遺跡の中には、食べ物があるんですか?」
「食用に耐える野草や果物の類もあるそうですが、それだけでは体力を維持するのは難しいでしょう。それより……ほら。遺跡の中には、たくさんいるわけで。その、あれが」
「あれ?」
そこで男が指差したのは、先ほど仲間の冒険者が放った矢に貫かれて絶命した、ゴブリンの死体である。
かりんの首の傾きは深まったが、しばしの後、ぽむと手を合わせて得心した。
「パンが無ければ、
魔物を食べればいいじゃない?」
そんなわけで食料は自給自足、サバイバルな冒険が始まる。
とはいえ人型のゴブリンなどは口にするのもちょっと躊躇われるだろう。遺跡には食べがいのある魔物なども生息していることを祈りつつ、冒険者たちは暗い入り口へと足を踏み入れるのだった。
「美味しい魔物さんはいるかしら?」
こんにちは、ぱーすぺです。よろしくお願いします!
志筑 かりんさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
星幽塔第一階層の郊外に、新たな遺跡が出現しました。
遺跡の中からは魔物が湧き出してくるので、周辺の村落では非常に困っており、冒険者へ助けを求めています。
遺跡は広く、どの程度の深さがあるのかは分かりません。
事前調査によれば、異なる魔物が生息する大部屋がいくつか連なっていて、
部屋ごとに環境も変わってくるようです。
しかしこの遺跡、外から一切の食料を持ち込むことができないという、非常に厄介な呪いが満ちています。
そのため冒険者は、遺跡の奥深くまで探索を行うために、内部で何らかの食料を調達する必要がありそうです。
もっとも手っ取り早い解決法は、倒した魔物を食べることでしょう。
ただし魔物には毒があるもの、食用には向かないものなどもいますので、
どう調理すべきか、そもそも食べられるかどうか、慎重な判断が求められます。
なお遺跡内部には水が流れており、野草やハーブ、星の力を帯びた植物などが自生しているようです。
冒険は長丁場となるでしょう。
逐次食料を調達し、活力を保ちながら魔物を退け、
最深部へ到達し魔物発生の原因を突き止めてください!
アクション
遺跡内部の大部屋と大部屋は大小二本の通路で繋がっていて、魔物は大きい通路を通って地上へ出るようです。
小さい通路は魔物が通れない安全な空間になっていて、ここで休憩や食事を行うことができます。
大部屋はそれぞれ、学校のグラウンド程度の広さと、ビル5~6階分程度の高さがあります。
大部屋ごとに特徴があり、生態の異なる魔物が生息しています。
[地下1階:森の大部屋] スライム、ゴブリン、コカトリス、グリフォンなど
↓
[休憩ポイント]
↓
[地下2階:水の回廊] リザードマン、ケルピー、シーサーペント、アクアエレメンタルなど
↓
[休憩ポイント]
↓
[????]
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皆さんは依頼人である村の人々から、調理器具を持たされています。
食材さえあれば、調理を行うことができるでしょう。
アクションには主に、
・バトルでの戦闘方法
・どんな魔物を食べるか(自由に指定OK)
・遺跡内に自生するどんな植物を採取するか(こちらも自由に)
・調理方法はどんなものか
などをお書きください。
その他、上記以外のアクションもご自由にどうぞ。
NPCについて
以下のNPCが同行可能です。
冒険中は、指示をすれば概ね従ってくれます。
◆ルーク・ポーラスター
魔物を食べると聞いて興味津々。ドラゴンの肉が食べてみたいそうです。
◆フォルカ・ヴィクスン
どちらかといえば遺跡の謎に興味あり。お宝を探しています。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!