「さあ、飲むで~!」
春に花咲く夜だった。
七枷 七海の手にはビール瓶が一ケース、腕に提げた袋には一升瓶や缶ビールに缶チューハイが幾本も収まっている。
空には雲一つなく煌々と青い月が輝き、風に乗って桜の花びらが舞う。きっと夜桜を肴に、大好きな酒を浴びる程痛飲しようというつもりなのだろう。七海はうわばみのごとき酒豪である。
「…………あれ?」
しかしこの夜、七海の目論見はすっかり外れてしまった。
「さ、桜がなーーーい!?」
桜が無いのである。
そこに三本立って美しく咲き誇っていたはずの桜の木が、そっくり無くなっていたのである。
「なんでやねん!? 昼間はあったのに、夜にはまるっと消えとるってどういうこっちゃ!?」
『……まあ落ち着け。犯人は割れてるぜ』
突然の声は、
テオだった。
なぜだか彼は、黒のシルクハットに赤い裏地のケープなど羽織っていた。まるで颯爽と夜を駆ける怪盗のようだ。
七海はこくりと首を傾ける。
「犯人? っちゅうことは、桜は誰かに盗まれたんか?」
『ああ。連中はちょいと変わった
悪魔のようでな』
テオが語るには、敵は窃盗を専門とする悪魔たちだという。
人間たちから金や宝石、のみならず絶景や形のない宝まで華麗に盗み出し、アジトへ持ち帰り飾りつけては悦に浸る。
今回は寝子島における美の一つ、
『夜桜がある風景』をまんまと盗まれてしまったというのだ。
「う~ん、迷惑な人らやなあ。せっかく楽しみにしとったのに。取り返せるんなら取り返したいわあ」
『方法はあるぞ』
七海が残念そうにつぶやくと、心なしかテオの瞳がきらりと輝いた。
『盗まれたのなら、盗み返せばいい。ヤツらのアジトに乗り込んでな!』
次の瞬間。
「あれれ。ここは?」
『
魔界にある、ヤツらの館だ。そら、見てみろ』
寝子島の美しい空と打って変わって、天は暗雲に染まり、稲光が輝いている。
雷鳴がおどろおどろしく浮かび上がらせる洋館の姿はひどく不気味で、確かに悪魔の巣窟といった雰囲気だ。
そして気がつくと、七海の姿も、何やら怪盗チックなスタイリッシュコスチュームに変わっていたりした。
後ろには七海のみならず、どうやら同じような状況でテオに声をかけられたらしい、怪盗ルックな仲間たちの姿もある。
「ふうん、なんや面白そうやね♪」
ここに結成、夜桜怪盗団。
不埒な悪魔から見事桜を盗み返し、颯爽、夜を駆けるのだ。
こんにちは、星織遥です。
七枷 七海さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかいてください。
概要
寝子島から、『夜桜のある風景』が盗まれてしまいました。
盗み出したのは、泥棒悪魔たち。
どうやら特殊な悪魔の宝を使って、寝子島の誇る美しい風景を魔界へ持ち去ってしまったようです。
何の映画の影響か、怪盗ルックに身を包んだテオによって、
皆さんは魔界にある悪魔のアジトへ連れてこられてしまいました。
それぞれに有名な泥棒・怪盗のコスチュームを着込んだ皆さんは、闇夜に乗じて忍び込み、
『夜桜のある風景』が封じ込められた『宝珠』を盗み出さなければなりません。
『宝珠』は盗み出した風景を、プロジェクターのように映し出す力があるようです。
その数は全部で3つ。
悪魔のアジトである洋館には罠が張りめぐらされ、見張りの悪魔たちも巡回しています。
まさしく怪盗のように、華麗に宝を盗み出しましょう!
なお今回は、神魂の影響なのか、皆さんにはいくつかの怪盗グッズが与えられています。
これらを使えば、運動オンチなあなたも、地味なあなたも、
華麗な怪盗に変身! 大活躍できちゃいます。
どなたでもお気軽に♪
アクション
『宝珠』はそれぞれ、洋館の以下の場所にあります。
なお洋館のあちこちには、赤外線センサーっぽいトラップが仕掛けられています。
うっかり引っかかると、悪魔が続々とやってくることでしょう。
★中庭
周囲を塀と生垣に囲まれた、広い空間です。
中央の台座の上に安置された宝珠により、夜桜を映し出し、
悪魔たちが宴会をしています。
多くの悪魔は酔っぱらっていますが、真正面から宝珠を盗みに行けば、
すぐに見つかってしまうでしょう。
何らかの手段で悪魔たちの気を逸らしたり、工夫する必要がありそうです。
★宝物庫
美術館のような大きな部屋。たくさんの宝物が展示されています。
明かりは落とされていますので、暗闇や物陰に潜んで進みましょう。
宝珠は部屋の一番奥に置かれています。
悪魔の巡回ルートをかいくぐるか、あるいは不意を突いて一人ずつやっつけていくのもアリですが、
倒した悪魔が仲間に見つからないよう気を付けたほうが良さそう。
★時計塔
塔の頂上、泥棒悪魔たちの首領である悪魔女王が宝珠を持っています。
バトルは避けられないでしょう。
時間をかければ仲間を呼ばれてしまいますが、かといってすぐに倒してしまえるほど弱くもありません。
全力で立ち向かってください!
★悪魔について
泥棒悪魔たちは非常に敏捷で、銃やナイフ、ムチなどの武器を携えています。
翼としっぽがあり飛ぶこともできるほか、悪魔らしく魔法のような不思議パワーで、
炎や氷などを放ってくる者もいます。
非常に数が多く、もし見つかってしまうと、キリが無いくらいに応援を呼ばれてしまうでしょう。
★コスチュームについて
それぞれ、怪盗や泥棒らしいコスチュームを着て作戦に挑みます。
シルクハットにマントのクラシックスタイルや、赤や緑のスーツを着た三代目っぽい衣装だったり、
レオタードを着た美人姉妹な泥棒だったり、はたまたオリジナル怪盗ルックももちろんOK。
自由に怪盗スタイルを楽しんでください。
★怪盗グッズについて
・怪盗マント
真っ黒なマント。
羽織れば周囲の暗闇に同化して、姿を隠すことができます。
・怪盗ベルト
バックルを押し込むと、思い浮かべた姿に変身することができます。
・怪盗ワイヤー
鉤爪つきのワイヤーを発射するガジェット。高いところに登ったりできます。
・怪盗ガン
サイレンサー付きのスタンガン。静かに敵を眠らせることができます。
その他、自分らしい怪盗グッズを考えてもOK。
宝珠を取り返すことができれば、テオが寝子島へ戻してくれます。
寝子島で宝珠を壊せば、夜桜のある風景は元に戻るでしょう。
NPCについて
その他、登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
夢か何かだと思いつつ、頼めば協力してくれるでしょう。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、口調などのキャラクター設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
以上です。
どなたもお気軽にご参加ください!