背の高いガラス瓶に、特殊なオイルを満たしていく。とく、とく、とく。カーテンの向こうから差す陽光を反射する透明なガラスに、色の無い液体がぷかりと揺れた。
その中へそうっと、花びらを浸す。鮮やかな色が投入されるたび、ガラス瓶は多様な彩りに染まってゆく。
時にはビー玉や形の良い貝殻を入れるのもいい。オレンジやライムなど見栄えの良いカットフルーツも、ガラス瓶には似合って楽しい。
そうして思い思いに色を詰め、蓋を閉じたら
ハーバリウムのできあがり。
「キレーだねぇ、うーちゃん」
と
壬生 由貴奈が頬を寄せてささやけば、
卯木 衛も喜色をあらわにする。
「おー! ほんとに綺麗ですね、由貴奈さん!」
ふたりははたと見つめ合い、互いに微笑んだ。
シーサイドタウン駅から少し歩いたところの、やや奥まった路地の向こうにあるレンタルスペースだ。もとは喫茶店であったのだという。レンガ調の壁や明るい板張りの床が実に心落ち着く空間だった。
「と、今お見せしたのがお手本です。それじゃさっそく、皆さんのハーバリウム作りを始めましょう。分からないことはなんでも気軽に聞いてくださいね」
「「「は~い!」」」
講師は30代半ばという主婦の女性で、小奇麗な身なりが好もしい。日頃からこうしたワークショップを開催しているそうで、進行も作業の手際も慣れたものだ。由貴奈と衛を始め、参加者たちもそのしなやかかつ流麗な手さばきに見とれてしまう。
「由貴奈さん、どんなの作ります?」
「ん~、そうだねぇ。まだ考え中かなぁ。うーちゃんは?」
「へへー、俺はですね~、あれとあれとあの花を入れて……」
仲睦まじく、ふたりはガラス瓶や中に満たす花や雑貨たちを選んでゆく。
ハーバリウムはガラス瓶の中に創作された小世界だ。創り手の好みや選択で、その色も形も千差万別に変わってゆく。
出来上がればお洒落なインテリアとして目を楽しませてくれるし、手作りで心のこもったプレゼントとするのもいい。
花と小物の時を閉じ込めた、あなただけの小さな世界を、あなたの手で。
こんにちは、カターレです。
壬生 由貴奈さん、卯木 衛さん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
ハーバリウム作りを体験するワークショップに参加するシナリオです。
<ハーバリウムとは?>
本来の意味は『植物標本』。
ドライフラワーやプリザーブドフラワーをデザイン性の高い瓶に入れ、
特殊なオイルで浸したフラワーインテリアです。
花を水やりなしで長期間楽しめる保存性や、鮮やかな色彩が光と水によって演出される透明感あふれる美しさ、
また制作の手軽さなどから、インテリアとして近年とても人気となっています。
ワークショップは、シーサイドタウンのオシャレなレンタルスペースで催されています。
ご参加のきっかけは、なんでも構いません。
・ねこったーの募集を見て訪れたり
・近くを通りがかり、興味が湧いて覗いてみたり
・神魂の風に吹かれて、いつの間にか参加していたり
初めての方も、引っ込み思案でしゃべるのは苦手という方でも、まったく問題ありません。
講師の方が優しく、丁寧に教えてくれます。
みんなでわいわいしながら作るもよし。ひとりでもくもくと真剣に作るもよし、です。
男性がおひとりだって全然大丈夫ですし、お友だち同士やカップルで訪れるのもまた楽しいですよ。
ちなみに、このワークショップで作ったハーバリウムを覗いていると、
時どき不思議なことが起こるというウワサがあったりします。
なんでも、ハーバリウムの中に自分がとぷんと浸かり、ふわふわぷかぷか。
ゆったりと浮かんだり、泳いだりする夢を見るのだとか……?
小中学生から大学生、社会人の方まで、どなたでもお気軽にご参加ください。
ほしびとの方は、星幽塔へのお土産にも良いかも。
自分だけのハーバリウム作り、あなたも挑戦してみませんか?
アクション
あなたが作りたいハーバリウムを教えてください。
作るのは1つだけでも、たくさんでも構いません。
◆ボトルや用途を選ぶ
用意されたガラス瓶の中から、好きな物を選ぶことができます。
細長い瓶、真四角の瓶、雫型の瓶、球状の丸い瓶など。
哺乳瓶型や試験管型、ラムネ瓶などの変わり種もあります。
持ち込みもOK。
また、通常のハーバリウムの他にも、ペンの柄をハーバリウムにした『ハーバリウムボールペン』や、
小さなハーバリウムにチェーンをつけた『ハーバリウムペンダント』なども制作可能です。
◆オイルを選ぶ
ハーバリウム用オイルにはいろいろな種類がありますが、
講師さんにどんなイメージのハーバリウムを作りたいか伝えれば、
ちょうど良いものを用意してもらえます。
基本となる無色透明なオイル。
カラーオイルは単色のほか、複数の色を入れて層を作ることもできます。
オイルの比重を調整して、入れる物が浮かんでいるように演出することもできます。
◆入れる物を選ぶ
ドライフラワーやプリザーブドフラワーが基本ですが、
水草や、ドライフルーツを入れるのもあり。
その他、貝殻やビー玉、アクセサリーなどのちょっとした小物を入れたり、
リボンやフリルを巻くように入れたり、自由な発想でどうぞ。
大まかなイメージを伝えて、講師さんにおまかせで選んでもらうこともできます。
★ハーバリウムを泳ぐ夢
ご自分の制作したハーバリウムを覗いていると、瓶の中に自分が入り込む夢を見ることがあるのだとか。
のんびりまったり、ゆらゆらぷかぷか浮かんだり。泳いだり。うとうとしたり。
お魚といっしょに遊んだり。誰かといっしょに入るのも良いですね。
ご希望があれば、ハーバリウム作りよりこちらのシーンをメインで描くこともできます。
特にご指定がなければ、夢は見ません。
NPCについて
登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
会場の前で偶然出会ってお誘いしたり、なんとなく参加してたり、いつの間にか参加してたりします。
Xイラストのキャラクターを描写する場合、口調などのキャラクター設定をアクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
以上です。
どなたもお気軽にご参加ください!