寝子島の夜。
それは様々な事が起きている。夜の闇に紛れて動く者も少なくはない。
そんな夜の街を走る少女が一人。
彼女の名前はリーティ。学校に通う普通の少女であったがある日、謎の異生物『キリジオン』に襲撃されてしまう。
その際、別の異生物『テラジオン』により彼らキリジオンへと対抗する『魔法少女』として選ばれたのであった。
テラジオンの加護を受け、魔法を扱う魔法少女には専用の武装が用意される。
それはテラジオンの魔法科学の粋を集めた物であり、非力な少女でもいっぱしの戦士へと変貌するのだ。
そんな少女の一人が今必死に走っているリーティである。
魔法少女として戦えないわけではないが多勢に無勢、歴戦の戦士である流石の彼女でも劣勢に追い込まれていた。
袋小路に入り、退路を失ったリーティは背後から迫る数体のキリジオンに向き直る。触手の様な姿をしたそれらはゆらゆら揺れている。
彼女を捉えようとそれらは触手を飛ばすがリーティはそれを刃の付いた杖状の武器で薙ぎ払う。
「追い込んだとでも思っているのかしら? 甘く見ない事ねッ! 仲間が救援に向かっている……少しだけ耐えられればきっと……!」
後方に跳びながらリーティは魔法杖の機構を展開する。杖の側面が花びらの様に開き、そこから細い砲身が幾重にも現れた。杖は『リチャージ・レディ』と音声を発する。
砲身正面に紫色の光が収束しそれは次第に手のひらサイズの玉へと膨張していく。杖の音声は『コンプリート』と発する。
「纏めて吹き飛びなさいッ! レインブラスタァアーーーーッッ!」
膨張した玉が弾けると極太のレーザーが照射される。それは辺りを紫色に照らしながらキリジオン達を纏めて焼き払った。
レーザーが消えると杖は赤熱した砲身から白煙を上げている。根元のエネルギー残量を示すゲージはゼロを示していた。
杖の機構を畳み、地面に降り立ったリーティは全身の力が抜けた様にその場に膝をつく。度重なる戦闘で疲弊し彼女は限界を迎えていたのである。
「はぁ、はぁ……流石に、これだけの連戦は……厳しいわね……周辺への魔力も切れる頃だし、そろそろ帰らないと……」
「リーティ、助太刀にってもう終わっていたんですね」
額から汗を流すリーティに少し離れた建物の上から話しかけたのは魔法少女姿の
巫部 紫苑であった。彼女はリーティとは別の場所のパトロールを担当していたのだが彼女からの救援要請を受け参上したのである。
「これなら来る必要ありませんでしたね? せっかく急いできたっていうのに」
「そう言わないでよ。さっきは本当にぎりぎりだったんだから。ま、後で飲み物でも奢るわ。魔力遮蔽も切れそうだし移動しましょうか」
魔力遮蔽。これは周辺住民に影響がないように戦闘フィールドを魔力で空間事遮蔽し隠蔽するテラジオンの技術である。これが発動している限り、周辺住民には彼女らは見えないし干渉もできない。
これはなぜかキリジオンも展開しており、ターゲットとなった一般人をそこに捕らえるのが彼らのやり方である。
戦闘衣装を解除し、普通の学生服に戻るとふらふらと立ち上がった彼女は絶句する……なぜなら倒したキリジオンとは別の個体が複数体目の前に現れたからであった。
触手を蠢かせながら数体のキリジオンが彼女ににじり寄る。すぐさま戦闘衣装を展開しようとするが……その前に彼女の四肢は拘束されてしまった。
「ぐっ、あぁっ! やめっ、は、離し……なさいっ!」
「リーティ!? 今、そっちに――くっ!?」
拘束されたリーティの方へと向かおうとする紫苑であったが彼女の行く手を阻む様にキリジオンが数体現れる。紫苑は魔法杖を薙ぎ払う様に振って炎を顕現させるとそれらを勢いよく彼らに飛ばした。
だが彼らはそれをひらりと避けると複数個の魔力弾撒き散らす。それは弾幕を張る様な攻撃であり、紫苑を倒そうというよりはリーティの元へとたどり着かせない様にしようという意図が見えるものであった。
個々の能力は大したことは無いが、紫苑一人では複数体のキリジオンによる弾幕は容易に突破する事はできない。その間にもリーティの方の状況は悪化していく。
強力な力で四肢を絡めとられ、全く身動きができないリーティの体の上を粘液を纏った触手が這いまわる。べっとりとした粘液で服が濡れ、肌に張り付いた。
彼らに好き勝手に蹂躙され、リーティは荒い吐息を吐きながらゆらゆらと揺らめくキリジオンを睨みつける。
まだ闘志は失わないと言いたげな瞳であったがそんな彼女の心をへし折る様に……触手は彼女の胸部へと魔法陣を展開、その中へと無理矢理に侵入していく。
キリジオンは心へと侵入し、その心を侵す。彼らに心を堕とされた者は彼らの尖兵へとなり果てるのである。
「ぎぃあ゛あ゛ぁ゛ッ!? ひっあぁぁぁああーーッ! はいって、こ、ない、でぇぇえッやらぁぁっんぎぃい゛い゛い゛ッ!?」
心を蹂躙される感覚は何物にも代えがたい感覚をもたらす。それは常人には耐えられない物であり、抵抗力を持つ魔法少女ですら耐える事は難しい。
次々と無遠慮に心へと侵入を果たすキリジオンの触手に彼女の心は貪られていく。リーティは虚空眺めながら呆けた顔になり、その太ももは小刻みに震えていた。
「わた、じはぁ、ごん、な、ごどでぇ、やら、れ、なぁぁあああッ! いぎっあがぁあああああーーッ!」
「リーティィーッ! このぉお、ここを通しなさいッッ!」
蹂躙されていくリーティを助けるべく飛び込もうとする紫苑であったが嘲笑うかのようにキリジオン達は彼女の進路を遮る。倒しても倒しても湧き出すそれらの肉壁によってとてもじゃないが彼女の元へ紫苑は到達できそうになかった。紫苑の目の前でなおもリーティは身も心も蹂躙されていく。
それでも必死に抵抗を見せるリーティだが無遠慮に這いまわる触手は彼女の心を貪っていく。耐えがたい苦痛が彼女を何度も襲った。
彼女の心の奥底にあった、無力感とそれに伴う力への渇望……キリジオンはそれを見つけ、その心の隙間に目を付けたのである。
心の中で何者かわからない声がリーティに問いかける。力が欲しいかと。
リーティ―は成す術なく蹂躙される自身を否定するかのようにその声の方へとゆっくりと手を伸ばした。
心の中の彼女はその瞬間、闇に飲まれそれに捕らわれるかのように……黒い地面へとずぶずぶと沈んでいく。
彼女が闇に沈んだ時から彼女の体は抵抗を止め……這いまわる触手達に好き勝手に弄ばれることとなった。
既に彼女の衣服は用途をなさない程のぼろきれへと変わっており、申し訳程度に大事な部分を隠すのみである。
粘液でべとべとの体は小刻みに痙攣しており……胸部に展開された魔法陣へと刺しこまれた触手が蠢いている。
そろそろ頃合いだと思ったのか、キリジオンの触手の根元が膨らみ、何かをどくんどくんと触手を伝ってリーティの心へと流し込んでいく。のけ反る様にびくんびくんっと何度も脈打ったリーティは口の端から涎を垂らして呆けている。
黒い闇が収束しリーティへと集まると彼女の肌は褐色へと変化し、その紙色は黒から白色へと変わっていく。その瞳は赤く染まった。
ずるりと触手が抜かれ地面へと投げ出されたリーティはゆらりと立ち上がると禍々しい剣を地面から取り出し、戦闘衣装へと変わる。
それは先程とは違い、露出が高く……黒く染め上げられた禍々しい衣装であった。
紅い瞳を開き、剣を試す様に一薙ぎすると壁に大きな亀裂を作り出す。その力に満足したかの様にリーティは笑い出した。
「くく、あーっはっはっはっはっ! これが力、全てを飲み込む、キリジオンの……いいわ、ぞくぞくする……あはっ、今なら何でもできちゃいそう」
愛おしそうに体を抱き締める彼女の背後に敵をやっとの思いで強硬突破した紫苑が降り立った。衣服はボロボロであり、満身創痍と言った雰囲気で今の彼女は根性だけで立っている様な状態である
彼女は変わってしまった仲間の姿に驚愕しながらも杖を構えて戦闘態勢を取る。
「その姿は……屈してしまったというの!? リーティっ!」
「あはぁ、紫苑ねぇ……まだ貴女とは今日の作戦前に知り合ったばかりだったし、もっと知りたいなって思っていた所なのよぉ……んふ、その心、預けてみなぁい?」
背中から闇色の触手を顕現させ、数本を槍を射出するが如く飛ばすリーティだったがその全ては紫苑によって簡単に防がれてしまった。
紫苑は複数個の魔法陣を展開、そこから炎、氷、雷の三属性の弾丸をそれぞれ時間差で放つ。
まずは炎が着弾、爆炎を巻き起こす。次の瞬間、氷が着弾し氷塊がリーティを包み込んだ。最後に雷が着弾し氷塊を割って稲妻がリーティを襲った。
ぷすぷすと多少焦げてはいるがリーティにそれ程ダメージがあるようには見えない。
「あれだけの攻撃を受けてなんともないっていうの!?」
「うふふ……そうねぇ、少しばかり痛かったけれど……倒れる程じゃあないわぁ。今度はこっちの番、闇と一緒に踊りなさい」
リーティが赤い禍々しい魔剣を空に向かって掲げると黒い稲妻が幾重にも降り注ぎ、地面を割った。
それらは縦横無尽に辺りを走り回り、壁も床も粉砕していく。
「きゃあああぁぁぁあっ!?」
杖の魔力でバリアを展開して防御した為に直撃こそなかったものの、衝撃によって吹き飛ばされた紫苑は数メートル程吹き飛ばされて地面を転がった。
立ち上がろうとしたが……その体には激しい痛みが走り、立ち上がる事ができない。
「なぁんだ、もうおしまいなのかしら? ぼろぼろの体じゃそれが限界なのかしらねぇ……いいわ、貴女も堕としてあげる……優しく、ねぇ」
「ぐっ……!」
触手を蠢かせながらゆっくりと歩いてい来るリーティに身構える紫苑であったが次の瞬間、光が現れそれが眩く輝いた。
「今の内に逃げますよッ! ほらっ急いでッ!」
光の中から現れたのは魔法少女姿の悪魔の少女イヴァである。彼女は異世界の人物だがテラジオンに協力要請され、今回の件に関わっているのであった。
イヴァの放ったと思われる光の強さにリーティは腕で目を隠し光から目を守り身動きができないようだ。
数秒程で光が消え去り、目を開けたその目の前から紫苑とイヴァの姿は消えていた。
「テラジオンの仕業ねぇ……あんな助っ人を呼ぶなんて。まあいいわ、勝負は預けてあげる……私はここで待っているから早くいらっしゃい、そうじゃないと……他の人達が犠牲になるわよぉ、ふふ」
お初の人もそうでない人もこんにちわ、ウケッキです。
今回は魔法少女感たっぷりのお話しとなっております。
何の魔法少女が好きなのかもろわかりかもしれませんが。
概要
今回のお話では誰でも魔法少女になる事が出来ます。
勿論男性も可能です。その場合は美少女な女体へと変身しますのでご了承ください。
なお、敵に負けてしまった場合、非情にアブナイ目にあってしまうのは女性も
女性に変身している男性も変わりませんのでご注意を。
なお、リーティに協力するテラジオンの魔法少女として参加するのか、
闇に堕ちた魔法少女として参加するのかはご自由です。
※闇落ちの場合、グループアクション(GA)等がない場合は基本的にNPCのイヴァとの戦闘となります。
勝ってアブナクなるかはアクション次第となります。負けた場合は、浄化され闇落ち解除となります。
ではご参加お待ちしております!
※このシナリオではろっこんが強力に描写される場合があります。
アクション
◆状況
異生物キリジオンによって闇に落とされた魔法少女リーティがシーサイドタウンの一画を占拠。
占拠したその場所で一般人の女性を捕獲して生命力を奪っている。早急な区画の解放と人々の救出が必要。
◆勝利条件
リーティの撃破。
◆敗北条件
味方の全滅。
◆場所
シーサイドタウンの一画。港エリアにある倉庫。周辺に民家はない。
時間は深夜。
魔力遮蔽により、周辺被害を気にせずに戦闘可能。
◆予想される敵
・リーティ
:闇に堕ちた魔法少女。触手を扱う他、魔力の宿った魔剣による剣技、黒い稲妻などの雷魔法に注意が必要。
また強力な魔力障壁を展開する事もでき、防御力も非常に高い。
元々オールマイティ型の戦士であったが故にこれといった弱点がない為に苦戦を強いられる可能性がある。
全体的に能力が向上しているが力のチャージが遅く、技それぞれの燃費が悪いといった所は変わっていない模様。
・キリジオン
:触手で人の形をとる謎の異生物。心に侵入しその者の一番渇望する物を見抜き、
それを疑似的に与える幻想によって心を侵食する。
また生命力を奪う場合もあり、その場合奪われた人は無気力となる。
◆予想されるルート
・リーティへと対決を挑む 危険度:とてもアブナイ
:闇へと堕ちた魔法少女リーティへと決戦を挑むルート。
強力な攻撃を多数扱う彼女へどう対処するかが問われる。
生半可な攻撃では強力な魔力障壁に防がれてしまうので注意。
・湧き出るキリジオンを討伐する 危険度:違う意味でアブナイ
:わらわらと際限なく湧き出るキリジオン相手に耐久戦を挑むルート。
決戦を挑むメンバーが妨害されない様にキリジオンを討伐します。
彼らは女性を好んで狙う傾向にあり、捕縛されればきっとアブナイ目にあうでしょう。
・捕まっている住民の救助 危険度:わりとアブナクない
:捕縛されている住民の救助の為に倉庫を捜索します。
このルートの場合戦闘はありませんが鍵のかかった倉庫内を捜索し、鍵を入手して
住民を探し当てる必要があるので捜索にはある程度の知恵が必要です。
またキリジオンの欠片を入手する事ができれば彼らの隠された情報も手に入ります。
キリジオンの欠片は一見関係ない様な場所に落ちているようです。
・闇の力を使って大暴れする 危険度:そこそこアブナイ 登場キャラ:イヴァ
:闇に堕ちた力を使って好き勝手に暴れます。このルートの場合、敵側になるのでご注意ください。
合同アクションなどがない場合、基本的には悪魔の少女イヴァとの戦闘になります。
彼女は高速で大鎌を振るったり攻撃魔法を使いこなすので注意が必要です。
◆テラジオンからの支給品
テラジオンから授けられる魔法装備一式です。それぞれ一つしか選べません。
※闇落ちしている場合でも闇落ち前に貰っていたという事で所持していてもOKです。
・魔法剣『ゼスティード』
:豊富な魔法力による身体能力向上効果に加え、刃の付いた剣状の武器『ゼスティード』が特徴。
リミッター解除によって更なる身体能力ブースト効果を持つが、
リミッター解除の反動は大きくしばらく動けなくなる。
リミッター解除の継続時間は1分程度。
なお、身体能力向上に全ての魔法力を使用する為に魔法一切扱えない。
ゲージなどはついていない為、魔法力の残量は疲労による体感で感じるしかない。
・魔法銃『アルキメシア』
:魔法銃『アルキメシア』を用い、豊富な魔法で戦うスタイルの武器。
炎、雷、氷の属性魔法弾を使用可能で防御用の魔力障壁も魔法弾を使って展開できる。
銃には魔法弾の残量を示すゲージが付いておりそれで残量を視認できる為、初心者でも安心。
魔法弾は時間でチャージされるので少し休めばそこそこ回復する。5分休憩で半分程度。
魔法弾それぞれの使用魔法力は少ない為に威力は抑え目だが、
魔法弾を上乗せする『チャージ』を行う事で威力が向上する。
通常魔法弾は30発連射で空になる。チャージは二発分を一発にして撃つというスタイルが基本。
残りを気にしないのであれば30発を一発として撃つ事も可能。
だが魔力障壁にも魔法弾は使用するという点に注意。
魔力障壁は魔法弾一発分で1分程度展開可能でこちらも攻撃と同様に『チャージ』が可能。
・魔法杖『フラウケイン』
:高い魔力が特徴の可愛らしい魔法杖『フラウケイン』を用いるスタイル。
攻撃系の魔法は少ないが単体回復、全体回復を使用する事ができる。
また攻撃用として花びらを舞い散らせそれらを攻撃に転用する魔法が使用可能。
魔法力が高いがチャージ機能がなく、一度使い切れば魔法力の回復は不可能。
魔法力の残量は杖の根元にゲージがあるのでそれで確認可能。
切り札として魔力の全てを杖部分に集中、花びらを全て捨て、杖だけの状態にして光る棒状武器と化し、
高い魔法力を相手に打ち込んで爆発させる一撃必殺を使用する事もできるが……それにはほぼ全ての魔法力を
使用する為に回復魔法など他の手段を一度でも使っていると使用はできない禁じ手である。
なお回復魔法に重きを置いている為、魔力障壁は使用できない。
◆登場する人物
・テラジオン
:光る謎の玉。異生物らしいがキリジオンとは敵対関係。常に光っておりその形状は不明。
世界を守る為に活動しているらしく、望む者に戦う力を与えてくれる。
なお自分では負傷しているとか、力が足りないとかでなんだかんだ理由を付けて戦わない傾向にある。
・イヴァ
:異世界の扉の管理者『ちーあ』の仲間の一人。今回は他メンバーが別件で動けない為、単独で参戦。
魔法少女衣装を悪魔の自分が着るのはどうなのかと思っているが可愛い衣装の為に結構乗り気。
なお悪魔ならではの少し尖った耳が敏感らしく、息を吹きかけられると割と怒る。
一応巨乳ではあるが仲間の一人のツクヨの方が大きい為にその影は薄い。