ここは九夜山のふともにひっそりと佇む小さなホテル、『猫待荘』。
「つまり、こういうことか?
俺たちは猛吹雪で、
ここに閉じ込められていて……」
「『英語』を口にした瞬間、この中の誰かが死ぬ!
ということだ」
ラウンジに集められた十数人の面々の中には、
水守 流と
海原 茂の姿もあった。
外は風雪が吹き荒れ、1メートルの先も見えない有様だ。彼らはホテルで足止めを食っていた。
茂は顔をしかめて、床に転がっている人物を見下ろしながら言う。
「先ほど支配人が、新たにやってきた客へ告げた。『では、お部屋の【×××】をお渡しいたします』……×××には、鍵を意味する英単語が含まれていた」
「そしてその直後、ラウン……待合室でくつろいでいた
久保田 美和先生が死んだ」
※死んでます
彼らは美和ちゃん先生の突然の死に対して、前後の出来事に因果関係を探った。
その過程でさらに参道商店街にて八百屋を営む佐藤さん、本土から出張中のごく普通なサラリーマン山田さん、同じく本土からの観光客伊藤さんが次々に死んだが、彼らの尊い犠牲もあってようやく原因を特定するに至ったのだ。
流はさらに推理を続ける。
「要するに、また神魂の影響とかなんとかだろうな。いつもの感じなら、朝になりゃこの現象も終わるんじゃねーか? 死んだ連中も生き返るんじゃないか、多分」
「だが水守、それは俺たちが死のルー……決まりを回避し、誰か一人でも生き残ることができた場合の話だろう。仮に俺たちが全滅してしまったとしても、全員が生き返るのか?」
「……神魂もそう甘くはねえかもな」
真相は分からないが、これまでの現象を振り返ってみれば、必ずしも身の安全が保証されているとは限らない。
死んだ者は生き返らないかもしれないのだ。
そしてこの事態に際し、対策は急を要していた。
「フウー、グッドなユカゲンでシター♪ アレレー? ミナさーん、オアツマリでどーしたマシタ?」
ナンシー・ジャービス。
海外から寝子島を訪れた、ごく普通の観光客。明るく朗らかで元気いっぱい、日本語は少々アヤシイがそれもまたチャーミングで、愛嬌たっぷりな20歳の大学生である。猫が大好きな彼女は、猫とのふれあいを求めて寝子島へ何度か足を運んでいるそうだ。
しかし彼女こそが、この場にあって最大の爆弾であった。
「……まずいぞ。彼女は何度目かの来日で、ある程度なら日本語も理解できるようだが……」
「混乱して長文の英語でも口走られた日にゃあ、俺たちは全滅だぜ!」
ちなみに【グッド】な湯加減のくだりでキャットロードにて文房具店を営む高橋さんが倒れたが、今はそれどころではない。
何も知らない無垢なナンシーは、にこにこ笑顔で言った。
「さっ、おフロ上がりの【ディナー】に、ネコジマ丼でもいただくとシマスカー♪」
「ぐふぅっ!」
「う、海原先輩が死んだァーーー!!」
決して、英語をしゃべってはならない。
明日の朝日が昇るまでは……!
こんにちは、カターレです。
よろしくお願いいたします!
水守 流さん、ガイドにご登場いただきましてありがとうございました!
ご参加いただける際は、ガイドのイメージに関わらず、自由にアクションをおかけください。
概要
九夜山のふもとにある小さなホテル、『猫待荘』を訪れたあなた。
あなたはホテルの宿泊客かもしれませんし、併設されたレストランへ夕食をいただきに訪れたのかもしれません。
あるいは神魂の影響によって、気が付いたらこのホテルにいたのかもしれません。
いずれにしろ急な天候の変化で猛吹雪となり、ホテルに足止めされてしまいました。
神魂の影響でしょうか。
英語を口にすると、ホテル内にいる誰かが死んでしまいます。
死ぬ対象は完全にランダムなようで、口にした本人が死んでしまうこともあります。
外国語という意味の英語はもちろん、和製英語もアウトです。
「自分が英語をしゃべらない」ことはもちろん、「誰かに英語をしゃべらせない」ことも大事です。
特に今回は、海外からの観光客『ナンシー・ジャービス』さんが宿泊中です。
日本大好きな彼女は、滞在中はなるべく日本語を話すように心がけていますが、カタコトで慣れておらず、
うっかりポロリと英語が漏れてしまうこともあるようなので、お気を付けて。
……なんて頑張って気を付けていても、日常会話の中にだって、英語は潜んでいます。
また、神魂の影響か、「ずっとひと言もしゃべらず黙っている」ことはできないようです。
きっと朝までには、ほとんどの人がうっかり英語をしゃべり、死んでしまうことでしょう。
生き残りをかけて、できる限り死のルールに抗うもよし。
いっそ割り切って、オモシロおかしい死に様を追究するもよし!
小さなホテルで繰り広げられる奇妙なゲームを、あなたなりの立場でお楽しみください。
アクション
誰かが英語をしゃべった際に死ぬ対象はランダムなので、狙って生存を図るのは難しいですが、
アクションの内容と、以下のパラメータの割り振りによって、ある程度抗うことは可能です。
<パラメータ>
以下の三つのパラメータに、最大で【9】までポイントを割り振ってください。
・集中力
どんな時でも集中を切らさず、ハプニングにも慌てず対処し、
自分が英語をポロリと漏らしてしまうのを防ぎやすくなります。
・洞察力
他者が英語をポロリしそうになった時に素早く気が付き、
口を塞いだり話題を逸らしたりなどで防ぎやすくなります。
・運
自分や他者がうっかりポロリしそうになった時、
予期せぬハプニングなどが起こり、ポロリを防いでくれることがあります。
また、自分や誰かが死んでしまった時、残された人々にとって良いことが起こるかもしれません。
例)集中力2/洞察力6/運1
集中力3/洞察力3/運3
集中力9/洞察力0/運0
<死に様>
どんなに頑張っても、結局最後は死んでしまうかもしれません。
せっかくなので、印象深い死を演出してみましょう。
いかに派手に、面白く、あるいはカッコよく死ぬかも醍醐味です!
・死因
・死に際のセリフ
・その他
など、自由にお書きください。
特に指定が無い場合は、マスターのおまかせになります。
NPCについて
・海原 茂
・久保田 美和
・八百屋の佐藤さん
・サラリーマンの山田さん
・観光客の伊藤さん
・文房具屋の高橋さん
死んでます。
・ナンシー・ジャービス
海外からの観光客。日本語はヒアリングはそこそこ、喋るのはカタコト。
驚いたり、分からないことがあったり、混乱したりすると、うっかり英語が飛び出します。
その他、登録済みのNPCなら、特定のマスターが扱うキャラクターを除き、基本的に誰でも登場可能です。
NPCたちもホテル内に宿泊していたり、いつの間にか呼び出されたりしています。
また、このシナリオでは、Xイラストのキャラクターも描写することができます。
口調などのキャラクター設定は、アクションに記載してください。
Xキャラ図鑑に書き込まれている内容は、そのURLだけ書いてもらえれば大丈夫です。
それでは、皆さまのご参加お待ちしております。