「ふーっ。やっとこ企画完成ーっ! 頑張ったあたしっ」
夕陽差し込む教室で、
雨崎 楓香は固まった身体をのび〜と伸ばしていた。どうやら生徒会で上がった、催し物の企画を残って纏めていたようだ。
「うん、良い出来栄えかもっ。あれ? 張り切りすぎたかな? 急にふらふらしてきたよ〜な。ん〜早いとこ帰るとしましょっか」
所謂知恵熱と言うものか、それにどことなく熱っぽい気がする。楓香は企画書をとんとんと纏めると、バインダーに入れ鞄にしまい、教室を後にした。
夕陽差し込む廊下。見慣れている場所なのに、いつもと違った印象を感じる。そこに、陽溜まりの先で見知った顔が窓の外を眺めているのが見える。
卵城 秘月だ。今まで部活動をしていたのだろう。口元にタオルを当て汗を拭っている。その姿はとても絵になっていた。
「(わぁ〜卵城先輩綺麗だな〜。背も高くってスタイルも良くて……はっ、いけない、いけない)」
ぽ〜っと見惚れていた楓香は、慌てて挨拶しなくちゃと、秘月へと近付いた。
「先輩っ部活動お疲れ様です。あたしは先に帰りますね」
「ん、楓香君か。君も運動をしていたのかい?」
「えっ? いえ、あたしはさっきまで生徒会の企画を纏めてて」
「それは変だな」
そう言うと秘月は、片手で楓香を壁際に立たせ、夕陽を自分の身体で遮りながら、楓香の顔下に手を当てて、楓香の顔をじっと見据える。
「あ、あの、先輩?」
「やっぱり。私と同じ位汗をかいているじゃないか」
「へ? わっ、ほんとだっ」
楓香は言われて初めて自分が汗をかいていたことに気が付く。
「熱がありそうだな。どれ」
「ひゃうっ?! せ、せんぱいっ……」
突然目を瞑り顔を近付けてくる秘月に、楓香は戸惑い顔を真っ赤にさせながら慌てふためく。そうしていると、楓香のおでこに秘月のおでこがぴたりとくっ付けられ、楓香はたちまち身体の力が抜けてしまう。楓香はおでこが弱点だった。
「ふむ。大分熱があるようだ。少し休憩して行った方が良いだろう。送ろう」
「ひゃふ……そうしま――ひへぇっ?!」
秘月は楓香の腰と脚に手を回すと、なんと軽々と身体を抱き上げ、所謂お姫様抱っこをしてしまった。これには楓香、驚きと物恥づかしさで顔の赤みは増すばかり。不意を点かれた楓香は弱々しい悲鳴を上げることしかできなかった。
「生徒会の仕事をこんなになるまで頑張るなんて、すごいな楓香君は。でも、あまり無理をしてはいけないよ」
秘月は抱きかかえる楓香の眼を見つめながら歩く。その度に微かな揺れを感じ、楓香の眼はぐるぐると廻り始めてしまう。
「せ、先輩、こんなの、こんなの……」
「恥ずかしすぎまふぅ〜っ!!」
ばさっ。と言う音と共に、楓香は飛び起きた。そこは布団の上、今までのは夢であったことが分かる。シーンとした静寂が、真っ赤な顔で荒い息をしている楓香を冷静にさせていく。
「今の、夢だったんだ……。はぁ〜〜、なんて夢見てるのよあたし〜」
思考は落ち着きを取り戻していくも、思い返すとやはり恥ずかしくなってしまい、思わず枕を抱えてしまう。
「なんか変に意識しちゃうな〜。やめやめ、早く寝なくっちゃ」
楓香はそうして落ち着きを取り戻し、枕と掛け布団を敷き直し、もう一度眠りについた。
「………………恥ずかしすぎまふぅってなに?! まふぅって!? あ~もう〜恥ずかしいな〜!」
少女が眠りにつくには、まだ時間が掛かりそうだった。
どうも!にょろんにょです!今回のシナリオは夢の中に入るシナリオです!
雨崎 楓香さん。卵城 秘月さん。ガイドに登場させて頂きました。ありがとうございます!
このシナリオの概要
「PCさんが睡眠中に見ている夢を描写する」なシナリオです!
こんな展開になって欲しい。こんな人が出てきて欲しい。等、アクションにおこしください!大体そうなります!
夢の結末は丸投げオマカセすることもできるので、夢の内容だけでも気軽にご参加OKです!
夢の中ですので色々なことができちゃいます!ファンタジー、SF、怪奇現象等、好きな夢と舞台をお選びください!
神魂の影響か、複数人が同じ夢を見ることがあるようです。
ですのでグループでのご参加もOKです!NPCさんと一緒に、等もOKです!
(シナリオに未参加の登録PCさんを指定することはできませんので、ご注意ください!)
アクションで出来ること
昔話の主人公になってドタバタ劇に巻き込まれる!
極秘任務で、サンマさんの正体を突き止める!
目が覚めたら家がホラー屋敷に!必死に脱出する!
気になってる人が急接近?!青春を謳歌する!
気が付いたら戦国武将に?!自軍を勝利に導く!
等々思い付く限り色々な事が行えます!
中には取り返しのつかなさそうな物がありますが、これは夢です!ですのでお気になさらず好きなアクションを起こしください!
夢は覚えていても良いですし、シナリオ後忘れてしまっていても構いません。ご安心ください!
夢と割り切って、いつもはできないこと、やりたいことを思いっきり、
ど派手に、自由に! やっちゃいましょう!