そのお店『somnium(ソムニウム)』は、シーサイドタウン駅から少し離れた、ちょっと裏路地のような、けれどもどこか洒落た雰囲気を持つ通りの一角にある。
取り扱っているのは色んな雑貨や、アクセサリー。それから店主夫婦が毎日心を込めて焼いている、焼き菓子やケーキの類。
雑貨類は店主夫婦が気に入ったものだけを取り寄せたり、時には手作りをして売っているとかで、素朴だけれども優しい雰囲気のものが多い。それはともすれば、売り物ではなくそれ自体が店を彩る装飾にも感じられる。
ガラスケースに並んだケーキや焼き菓子も、それは同じ印象で。並んでいる種類は多くないけれども、1つ1つ丁寧に作られたお菓子はとても優しげな趣きで、お店の雰囲気にしっくりと馴染んでいる。
1月頭、キーンと張り詰めるような寒さがどこか心地良くも感じられる今日は、そろそろ冬休みも終わって学校や仕事が始まった人も多いせいか、店内のお客さまは心なしか、いつもよりも賑やかだ。そっとカフェスペースへ耳を澄ませてみれば、聞こえてくるのは冬休みの思い出か。
「皆さん、楽しそうだ事」
「見ているだけで、楽しさのお裾分けを貰えるようだね」
ふふ、と小さくひとり呟いた
木原 伊都子(きはら・いつこ)さんの言葉に、ご主人で店主の
木原 高明(きはら・たかあき)さんが穏やかな微笑と共にそう言った。あら、と微笑みを返した奥さんに、出来上がったよ、と手に持つプレートの上の新たなスイーツを示してみせる。
それを見て、あら可愛らしい、と伊都子さんは嬉しそうに微笑んだ。
今日のスイーツは、冬休みの間は実家に帰省していた、普段は寝子島高校に通うため下宿している孫娘が元気な笑顔と共に持って帰ってきた、大量の蜜柑が材料だ。何箱もあった大きな段ボール箱にたっぷりの蜜柑は、冬を照らす太陽のようだけれど、老夫婦と女子高生1人だけではちょっと食べ切れない。
蜜柑ケーキに蜜柑ゼリー、蜜柑の焼き菓子に蜜柑ジュース。あとは蜜柑大福や蜜柑入りの牛乳寒天、とにもかくにも蜜柑づくし。
ほっこり嬉しく微笑んで、伊都子さんはいそいそと夫から受け取ったスイーツをガラスケースや棚に並べてるのだった。
お久しぶりです、または初めまして、蓮華・水無月と申します。
しばらくお休みを頂戴しておりましてすっかり浦島な今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、久々も久々にお届けするのは『somnium』というカフェ兼ケーキ屋さん兼雑貨屋さんでのんびり過ごしませんか、なシナリオです。
おひとりで、またはどなたかとご一緒に過ごす、お休みのひと時。
のんびり、と言いつつもちろんおしゃべりに花が咲いても、あるいは物思いにふけっても、はたまたひたすらスイーツを堪能しても、どのような過ごし方でも大歓迎です。
『somnium』のケーキや焼き菓子は、カフェスペースで食べていくことも、そのままお持ち帰りすることも可能です。
カフェスペースをご利用の場合は、飲み物もセットで頼んだり、もしくは飲み物だけのご注文でも問題ありません。
ケーキや焼き菓子、飲み物のメニューは、一般的なカフェにあるものはたいていあるとお考え下さい。
一般的ではない場合でも、店主夫妻にご相談いただければお出し出来る場合もあります。
その辺りはどうぞお気軽にお声がけください。
※本シナリオでは、リアクションはご参加PC様ごと(GA参加の場合はGAごと)の描写とさせて頂きます。
大変申し訳ございませんが、ご参加下さいます際にはご留意頂けますようお願いいたします。
過去の『somnium』シナリオも知りたい、という方はこちらをご覧ください。
もちろん、ご覧にならなくても問題なくお楽しみ頂けます。
『somnium』へようこそ!
『somnium』で紙ねんどスイーツを。
『somnium』のチャイナな一日。
『somnium』に灯すエッグキャンドル。
『somnium』でのクリスマス。(準備編)
Good Day!!~『somnium』~
『somnium』の店主夫婦は、ご主人が定年を迎えた後に夫婦揃って寝子島に移り住み、趣味を一杯に詰め込んだお店を開いたという、木原 高明(きはら・たかあき)さんと木原 伊都子(いつこ)さん。
歳を重ねた今も、海外や国内各地に旅行に赴いては、あちらこちらで仕入れてきた雑貨なんかをお店に並べていたりします。
髪に混じった白いものも目立つお年頃ですが、どこか可愛らしいような、優しい雰囲気が親しみやすい、とご近所では評判だとか。
皆様との関係は、こちらも無理のない範囲で、常連客など、ご自由に設定して頂いて構いません。
それではお気が向かれましたら、どなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願い致します(深々と