シナリオ「夜が始まる」

夜が始まる

イラスト： project nanica

参加キャラクター一覧

コメントページ

ダイアリー一覧

　寝子島の一日が終わろうとしていた。家々に点いていた明かりが音もなく消える。
　誰もが寝床に入り、好きな姿勢となって瞼を閉じた。

　――長い夜の始まりであった。

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

黒羽カラス

マスターコメント

　今回のシナリオはズバリ夢です！　神魂の影響とかは全く関係なくて、素の状態で見る夢の話になります。
　単独の夢なのでGAは無理、ってことはありません。二人が同じ夢の中で偶然に出会って、
　一緒に行動できても不思議ではありません（ですよね？）。
　夢の中なので現実では出来なかったこと、勇気が出なくて諦めていたこと、全てが出来ちゃいます！

　現実ではバイトに明け暮れる身分でも、夢の中では使用人を何人も引き連れた大富豪。
　多くの店に立ち寄って商品を買い漁る、なんてアクションも可能です。夢なので。

　小さな胸は大きく膨らみ、誰もが羨むプロポーションを惜しげもなく晒して街を行き交います。
　人によっては身長の低さを気にしている場合もあります。高い身長になればダンクシュートも決められます。
　逆に小さくなって可愛らしい女性をアピール。可愛い小物や洋服を着て、おしゃれを楽しんでもいいですね。

　武闘派のあなた！　強敵を求めているあなた！
　殺伐とした夢の中でろっこん（現実の能力の範囲内）を使ってみたくはないですか？
　友人関係を壊したくなくて戦いを避けていた。でも、一度は本気で手合わせをしたい、そんな相手はいませんか？
　GAを使えば簡単に叶います！　力と力のぶつかり合い！
　血と汗が飛び散る死闘に身を投じることだって夢ではありません！　夢ですが。

　最後に少し。
　朝になっても夢の内容は覚えています。
　現実に戻ったあなたはがっかりするのでしょうか。活力を得て新しい一日を元気に過ごすのでしょうか。
　覚えていない人（アクションに明記）は夢の内容によって疲れを感じているなんてことも。

　皆さんの夢がギュッと詰まった夢の話はいかがでしょうか。

サンプルアクション（1）

プレイヤーの目的・意図: 勉強はできるのですが、運動がダメなPCをありそうな夢で纏めてみました。
アドリブは多めの楽しい感じで。
キャラクターの目的・理由: 今日の僕は失意のどん底にいる。
さっさと寝て忘れよう。
キャラクターの行動・手段: 今日の僕は最悪だった。百メートル走が十五秒台。足の速い女子に初めて負けた。

「もう、いい」

部屋の明かりを消してベッドに潜り込む。
目を閉じるとすぐに意識が薄らいでゆく。

僕は運動服を着て寝子小の校庭に立っていた。大勢の人達に囲まれていた。クラスの皆もいた。
真剣な顔で励ましの声を送る。

「なんだよ、みんな……」

意味がわからない。表情が強張る。

「用意はいいですか」

大人の声だった。見ると黒い服を着た人物が計測器のような物を手に持っていた。

「なんのですか」
「百メートル走の世界記録挑戦への用意です。心が決まったのであれば、靴と靴下を脱いで素足になってください」
「なんで素足？」
「この世界記録は『土の上を素足で走る』ことが条件になっています」

返す言葉は至って真面目。とても冗談には思えない。僕は無理だと思いながらも素足になった。
オンユアマークの声に一気に緊張が高まる。

パンと乾いた音と共に僕は一歩を踏み出した。え、と声が漏れる。身体が軽い、どころの話じゃない。走り出した途端に凄い風が吹き付ける。僕の速さが生み出した風だ。

一瞬で終わった。感動の間もなく世界記録を樹立した。

「夢？」

　口にすると目が覚めた。夢だった。