ねぼけた桜の妖精がふらふらと飛んでいました。
寝子島に吹き付ける風は冷たく、雪もぱらぱらと降ってきます。ほぼ目を閉じた状態の妖精は季節のことがよくわかっていません。
「……早く、桜を……咲かせないと……」
妖精は旧市街を抜けて、シーサイドタウンの上空にきました。
「木は……桜は……どこ……」
その時、真上から押されるような強い風が吹きました。妖精はくるくると回って落ちてゆきます。
小さな公園の木の枝に服の一部が引っ掛かりました。ぶら下がった状態で薄目を開けると、それは探していた桜の木でした。公園を囲むように生えていて、妖精は未だ眠そうな顔で飛びました。
背中の羽を激しく動かして、キラキラと輝く粉を桜の木に振り掛けて回ります。すると木々は青々とした葉に覆われて、膨らんだピンクの蕾は一斉に花開きました。
ほんのりと甘い香りが公園を包み込みます。まるで春のように暖かくなり、訪れた人々の顔にも笑顔が咲きました。
一仕事を終えた妖精は桜の枝に横になって、安らかな寝息に包まれました。
寝子島の冬と言えば、お花見ですよね!
ということで小さな公園でささやかな宴の始まりとなりました。
詳しい説明は下記をご覧ください。
◎◎◎ 今回の舞台 ◎◎◎
寝子島の某日(曜日や天候、時間帯は自由とする)。公園の中だけが春のように暖かい。
花の見頃は一週間ほどで、妖精が去ると公園は元の冬の状態に戻る。
◎◎◎ 出来ること ◎◎◎
例1:仕事帰りのサラリーマンが公園の桜を見て驚く。近くのコンビニでカップ酒を買って夜桜を楽しむ。
例2:晴れた日に友達や恋人を誘って(GA)桜の下、二人でランチを楽しむ。
例3:人気のない時間帯に一人で訪れる。桜に纏わる悲しい過去があり、思い出してはらはらと涙を零す。
例4:それぞれが声を掛け合って桜の木の下に集まる。各自が持ち寄った食べ物や飲み物で大いに盛り上がる。
※NPCは不自然な状態でなければ登場させることができます。
説明は以上になります。
シナリオガイドに登場する妖精さんは目に見えません。声も聞こえないのですが、
カンの鋭い人や霊感の強い人には、何か感じることができるかもしれません(アクションに明記)。
自由な寝子島で思いっきり、お花見を楽しんじゃってください。