シナリオ「＜零神探訪・後日談＞紅き街にて」

＜零神探訪・後日談＞紅き街にて

「えっ、紅燈火街（レッドランタン・タウン）へ！？」

　メールで呼び出されて久しぶりにシーサイドタウンのR&R Agency事務所に遊びに来た桜庭円は、オウム返しに聞き返した。肩に乗ったにゃーくんが、円の声の大きさに驚いてびくっと耳を立てる。

　R&R Agencyのボス、坂内梨香はそれを見てくすっと笑った。

「そう。慰安旅行とでも言ったらいいかしら。勿論旅費は持たせてもらうわ」
　

「あの激辛麻婆豆腐とまた会える！？」
　志波武道の口の中に、から～い旨味が甦ってくる。
「あのとき、屋台のおじさんから片手中華鉄鍋を借りたっけ。おじさん元気にしてるカナ」
「見てくればいいじゃない。今回私は用事があって一緒には行けないけれど、リンコが引率役を務めるわ」
　軽く会釈をするのは、梨香の右腕リンコ・ヘミングウェイ。

「ユチェン君にはハボ爺を通して連絡を取っておくわ。会いたいでしょう？」

　いっしょに長い旅をしたユチェン（申雨晨）。
　会いたくないわけがない。
　彼はいま、どうしているだろう？

「――さあ、皆に知らせて。２泊３日の旅の準備を。出発は１週間後よ」

ゲームマスターより

担当ゲームマスター

笈地行

前回シナリオ

＜零神探訪＞ぬばたまの絶対零秘史（ブラック・ヒストリア）

マスターコメント

こんにちは。ゲームマスターを務めさせていただきます笈地行（おいちあん）です。

桜庭円さん、志波武道さん、ガイドにご登場いただきありがとうございます。
ご参加いただける場合は、ガイドの内容に囚われずご自由にアクションをおかけください。

＜零神探訪＞（ぜろかみ・たんぼう）シリーズ後日談。
シリーズはじまりの地・紅燈火街（レッドランタン・タウン）で
観光をしたり、あの事件が元になったイベントに参加したり、
ユチェンに会いにいったりと自由に過ごしていただけるシナリオとなっています。

シリーズに1度でも参加されたことがある方はもちろん
シリーズには参加したことがない方も歓迎です！

　◇紅燈火街（レッドランタン・タウン）とは
　房の付いた赤くて丸い中国提灯が、軒下から路地の合間までびっしりぶら下がっている異国情緒あふれる街。
　横浜の中華街に似て、点心や肉まんなどの食べ歩きの店や、チャイナ服や雑貨の店が軒を連ねている。
　老若男女がそぞろ歩く活気ある街で、最近は観光地としても人気が出てきている。
　しかし一歩裏路地に入るとスラムが残っており、犯罪や怪しい商売も盛ん。
　言葉は、片言でなんとなく通じると思ってください。

　◇ミニイベント１「燃えた娼館『紅火楼』の女たちを救え！」
　燃えた娼館『紅火楼』で働いていた女たちが
　これからどうやって生きて、食べていけばいいか困っています。
　知恵や力を貸してください。

　◇ミニイベント２「ユチェンの恋の行方」
　ひとつ年上のメイユに淡い恋心を抱いているユチェン。
　メイユを助けられるように強くなりたいと冒険に出て成長もしたが、
　戻って来てからは元の姉と弟のような関係で、恋の進展はない様子……？

　◇ミニイベント３「火祭り」
　お化け提灯事件ののち、新たに紅燈火街の観光の目玉として加わったイベント。
　大通りにぶら下げた無数の赤い中華提灯を、剣（刃引き）や棒などで叩き壊します。
　実際は提灯に火はついておらず火事の心配はありませんが、
　お化け提灯事件の際の「火祭り」という名称が定着し
　毎月、お化け提灯事件があったのと同じ日に行われるように。
　旅行最終日の夜は、丁度その日に当たっています。
　ストレス発散になる、恋に破れた人が想いを断ち切れてスッキリする、などと
　観光客にも地元民にも好評。
　提灯そっちのけで模擬試合的なバトルをしはじめる人が出るのも恒例になっており、
　誰かが戦い始めると盛り上がって人だかりに。
　レフェリーのような人が自然発生し、怪我には充分注意してくれます！

　◇行動の選択肢（行く場所を１～２個に絞ってアクションをおかけください）

　【Ａ】大通りで食べ歩きや買い物をする
　【Ｂ】大通りで行われているイベント「火祭り」に参加する
　【Ｃ】裏通りにあるユチェンと故買商・申海波（シェン・ハボ）の家を訪ねてみる
　【Ｄ】燃えた娼館「紅火楼」跡地に行ってみる
　【Ｅ】四角い武器屋に行ってみる
　【Ｆ】その他
　

　登場ＮＰＣ情報

　坂内梨香：R&R Agencyのボス。
　今回は所用があり寝子島で留守番。
　じつは提灯に喰われたトラウマ……？

　リンコ・ヘミングウェイ：R&R Agencyの調査員。梨香の相棒。
　今回は、紅燈火街へ皆を引率。

　ユチェン　：申雨晨（シェン・ユチェン）：
　チャイナ服で、黒く長い三つ編みを後ろに垂らした、１２才の少年。
　零神探訪の旅をともにした仲間。
　旅の間にナイフの腕は上達し成長もした。
　メイユに淡い恋心を抱いているが……？

　ハボ爺　：申海波（シェン・ハボ）：
　故買商。ユチェンの祖父。リンコ・ヘミングウェイとは昔馴染みらしい。

　メイユ　：玲美玉（リン・メイユ）１３才
　元・紅火楼娼妓見習い。
　紅火楼が燃えてしまったため、紅火楼跡地で
　仲間の元娼妓たちに世話をされているが
　どうにかして食べていく術を得たいと思っている。
　線の細い可愛らしい少女。髪を左右にお団子に結っている。
　ユチェンたち仲間の元リーダー。

　ジンアン（１２才）、フェン（９才）、ミン（６才）：ユチェンの仲間
　裏通りの隠れ家を根城にしている子どもたち。
　ユチェンが留守の間、しっかりもののジンアンが
　弟分のフェン・ミン兄弟の面倒を見て暮らしている。

　ドアン　：段万雪（ドアン・ワンシュ）２１才
　紅燈火街生まれの紅燈火街育ちのツアーガイド。
　大通り付近でガイドを続けているのでばったり会うことも。

　それではご参加お待ちしております！

サンプルアクション（1）

サンプルアクション（2）