「あ。こんにちは」
夕食の買い出しの帰り道。
鴻上 彰尋は通りに並ぶ軒先のひとつに見覚えのある顔を見つけて、声をかけました。
「お。この前のお客さんか。こんにちは」
ホウキでぱたぱた、店先をお掃除中なのは、
嬉野 七海。シーサイドタウンで営業中のシネマカフェ『クランク・イン』のアルバイト店員です。
彰尋は先日、雨宿りに友人とこのお店を訪れ、素敵な映画と美味しいコーヒー、ポップコーン、それにあたたかな会話を楽しみました。映画愛にあふれた内装やグッズの数々に、好印象を抱いたことを覚えています。
七海はきっかけを得たとばかりにホウキを動かす手を休め、眠そうな瞳で彰尋を見つめて言いました。
「買い物帰り?」
「ええ、まあ」
「じゃあ、真っすぐに帰るのかい」
「え? まあ、そうですね。食材が傷んでしまうし」
「そうか。なるほどね。ところでうちの冷蔵庫には今、いくらか空きがあるんだが」
「え?」
「その荷物を少しの間預かるくらいの余裕はありそうなんだけどね」
もって回った言い回しながら、どうやら彼は、お店に寄ってかない? と言っているようです。
彰尋は思案します。
「うーん。そうだなぁ」
この後の予定もあるけれど、食材を一時預かってもらえるなら、あるいは映画一本見ていくくらいの余裕はある……かも?
「あー! にーさん、またサボってます!」
ぱたぱたとやってきたのは七海の妹、同じくアルバイト店員の
嬉野 エマです。
「んもー。ちゃんとお掃除しないと、お店が開けませんわよ?」
「いつもフロアですっ転んで派手に散らかすやつに言われたくない」
「うぐぐっ。そ、それは……!」
エマはおにーさんの物言いに苦虫を噛み潰しましたけれど、彰尋を見つけるなりふわりと微笑んで、
「あっ、お客さま! 今日は彼女さんとごいっしょじゃないのです?」
「え? いや、彼女って……」
「さあさあ、もう間もなくオープンしますから、良かったらお店に入ってお待ちくださいましー!」
もちろんこのまま帰って、弟や妹たちの相手をしてあげるのも良いでしょう。
あるいは少しの間買い込んだ食材を預かってもらって、映画鑑賞も良さそうです。
「さて、どうしようかな?」
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
鴻上 彰尋さん、ガイドへご登場いただきありがとうございました!
(ご参加いただける場合は、ガイドのイメージに関わらず、自由なアクションでどうぞ!)
このシナリオの概要
シーサイドタウンの一角にて営業中の、シネマカフェ『クランク・イン』。
その名のとおりに映画づくしのお店で、店内のスクリーンでは常になにかしらの映画が上映されています。
上映される映画は、洋画に邦画、比較的新しい映画に古めの映画も、名作からB級映画までいろいろです。
映画のポスターやパンフレット、雑誌、その他映画関連グッズなども豊富に取り揃えられています。
お店では、大画面で映画を見ながらコーヒーや軽食をいただいたり、
通常の喫茶店のように自由に過ごしていただくことができます。
店内では、普通におしゃべりしていただいて構いません。あくまで、『映画も見られる喫茶店』なので。
店員を務めているのは、キッチン担当の兄とフロア担当の妹の似てない兄妹。
どうやらアルバイト店員のようですけれど、ふたりで店を切り盛りしています。
ご注文はお気軽にどうぞ。コーヒーはなかなかのお味のようですよ。
また、話しかければおしゃべりの相手にもなってくれるでしょう。
ちなみに先日、猫カフェならぬ猫部屋ができました。
専用のお部屋で、飼い猫やお気に入りの野良猫ちゃんをお連れして、いっしょに映画を見ることができます。
お猫さまとたわむれながら、映画をお楽しみください。
アクションでできること
カフェでできることなら、なんでもアクションかけていただいて構いません。
なにか注文したら、あとは自由にお過ごしください。
メニューは、一般的な喫茶店にあるものなら大抵あります。
もちろん、映画には欠かせないポップコーンも!
なお、スクリーンで上映されている映画を見るほか、
お好きな映画をチョイスして、1~2人用の個室で鑑賞することもできます。
ゆったりソファでくつろぎながらお楽しみください。
また、希望者はアルバイトとして働くことも可能です。
キッチンかフロアをお選びください。
<今回の上映作品>
●『ネコチック・パーク』
化石から抽出した恐竜と、なぜか猫のDNAをかけあわせて作られた、猫型恐竜が暴れまくるパニック映画。
●『倍・ハード』
世界一不幸な猫、ジョン・ネコカーンがテロリストに立ち向かう人気アクションシリーズの第一作。
●『ゴアラ対カピバラス』
日本が誇る大怪獣活劇の初期モノクロ作品。巨大なカピバラ型怪獣との激闘を描く。
※上映時間はお店の前に掲示されているので、合わせて来店すれば最初から鑑賞できます。
※個室を利用する方は、お好きな映画を指定してください。
NPCについて
○嬉野 七海
キッチン担当の兄。無表情で不愛想、めんどくさがりですが、調理の腕は確かなようです。
○嬉野 エマ
フロア担当の妹。不器用、ドジ、要領悪しなポンコツながら、明るく元気で愛想良し。
○胡乱路 秘子
バイト帰り。まったりゆったり、コーヒーを楽しんでいます。相席OK。
○牧 雪人
塾帰り。カプギアの映画が入荷したと聞いてきました。個室希望、相席OK。
その他のNPCも、登録済みのキャラクターでしたら誰でも登場可能です。
また、墨谷のシナリオに登場したNPCでしたら、登録・未登録問わず登場OKです。
ただし、不自然でないシチュエーションに限ります。
以上になります。
それでは、ご参加をお待ちしております~!