このところ、星幽塔を駆け巡る一つの噂がある。
空と雲海と奇岩が織りなす第六階層。その辺境に浮かぶ巨大な積層雲の中に、
『ジュエル・ポリス』なる都が隠されているというのだ。
秋の森と呼ばれる場所からやってきたほしびと、
スィフォス・イァスシヤの耳にも、謎めいた天空の都の噂は飛び込んできた。
「ほう? それは興味深いね」
伝え聞く情報を整理するに、都はかつて第六階層をまたにかけ活躍した空賊団『ジュエル・ラビット』のアジトであったのだという。
荒くれ者たちを束ねた女空賊は無類の宝石好きで、盗みで築いた巨万の富を惜しげもなく投じ、空に宝石で出来た街を築いてしまったというのだ。
「さぞ見応えのある景観だろうね。一度見てみたいものだ」
クールなスィフォスの瞳も、琥珀のごとく輝いた。
一方、噂にはこんな続きもある。
空賊団はある時を境に壊滅し、無人となった都は、今では危険な怪物たちの巣窟となっているという。
第一階層のBarアストラルでも、酔客たちの間に様々な説が飛び交っていた。
いわく、空賊のアジトは巨大な空飛ぶ獣が率いるモンスターの襲撃を受け、一網打尽となったとか。
いわく、団員たちの間で内紛が起こり、頭領だった女空賊は暗殺されてしまい、部下たちも殺し合いの果てにみな死んでしまったのだとか。
そして彼らの満たされぬ霊魂と肉体はアンデッドと化し、今でも宝石の都を守っているのだとか。
「本当のところは、行ってみなきゃ分からない。ってわけね」
給仕をこなしながら、
アリス・ミーティアもまたサファイアめいて青い瞳を煌めかせる。
真実はようとして知れないが、なんにしろこの噂は、大いに冒険者たちの胸を躍らせたことだろう。
「どんな街なんだろう? 行ってみたいな~」
そして、数日の後。
第六階層では、ジュエル・ポリス捜索隊が編成されることとなった。
「捜索隊は、研究者の方や飛空艇のクルーの方が主となっています」
やぎ座のアステリズム、
フローレンス・アイメルトが、捜索隊の編成の報せを聞いてやってきた冒険者たちに言う。
「ですが、予定の航路には危険なモンスターや地形、不安定な天候が待ち構えていることでしょう」
しかも目指す先は、実在するかもわからない都市だ。場合によっては、長い旅路となるかもしれない。
ですから、と。フローレンスは冒険者たちを見渡す。
「皆さんのお力を、捜索隊にお貸しいただけないでしょうか?」
それは噂に胸踊らせていた冒険者たちにとっては、願ってもみない依頼だった。
かくして研究者とクルー、そして冒険者たちを乗せた飛空艇は、辺境目指し飛び立つこととなったのだった。
こんにちは、よろしくお願いします!
スィフォス・イァスシヤさん、アリス・ミーティアさん、ガイドに登場してくださりありがとうございました。
ご参加いただける場合は、ガイドに関わらず自由にアクションをかけてください。
概要
第六階層の空に浮かんでいるという、幻の都『ジュエル・ポリス』を目指して冒険するシナリオです。
皆さんは、ジュエル・ポリス捜索隊に助っ人冒険者として参加し、飛空艇へと乗り込みます。
捜索隊の面々は主に学者や船のクルーたちが主なので、
ひとたび荒事が発生した場合は、冒険者の皆さんが頼りです。
なお、フローレンスは捜索隊には同行しません。
舞台となる空域はあまり人の手が入っておらず、危険な空のモンスターなども生息しています。
また天候が不安定で、自然の猛威にもさらされるかもしれません。
しかしひとたびそれらの困難を乗り越えることができれば、美しい宝石の都を目にすることができるでしょう。
あるいは、その真実へ迫ることもできるかもしれません。
参加のきっかけは、「Barアストラルの依頼を見た」「たまたま飛空艇が出発する場所にいた」
「いつの間にか飛空艇に乗ってて巻き込まれた」など、なんでも構いません。
なおリアクションの展開によっては、シリーズ化される可能性もあります。
アクション
ジュエル・ポリスにたどりつくまでには、いくつもの困難を乗り越えなければなりません。
<空域に生息する危険生物>
・フロストワイバーン
小型の飛竜で、群れを成し狩りを行う。
口から極低温のブレスを吐き、獲物の動きを鈍らせてから捕食する。
・空亀
四本の足から炎を噴射して空を飛ぶ亀。
堅牢な甲羅で船体へ体当たりを敢行してくる。
・ゲイザー
翼と触手を持つ目玉の怪物。
獲物を見つけると、相手の能力などをしばらく観察をした後、仲間を呼ぶ。
巨大なゲイザー・マザーは飛空艇を一飲みにする大きさを誇る。
<予想される天候や危険な地形>
・猛吹雪
・巨大竜巻
・奇岩から縦横に放出される間欠泉
<ジュエル・ポリス>
ジュエル・ポリスについて、分かっていることは多くありません。
知られているのは、かつては空賊団『ジュエル・ラビット』のアジトであったことと、
彼らが何らかの理由で姿を消したことくらいです。
ただ、おそらくは何らかの危険が待ち構えていることは想像に難くありません。
たどり着くことができたなら、油断せず探索に臨むべきでしょう。
星の力
星幽塔にいると、星の力 と呼ばれる光が宿ります。
★ 基本的な説明は、こちらの 星の力とは をご確認ください。
星の力やその形状は、変化したりしなかったりいろいろなケースがあるようですが、
このシナリオの中では変化しませんので、このシナリオではひとつだけ選んでください。
ひとともれいびにはひとつだけですが、
ほしびとには、第二の星の力(虹)もあります。
★ 虹についての説明は、こちらの 第二の星の力 をご確認ください。
アクションでは、どの星の光をまとい、その光がどのような形になったかを
キャラクターの行動欄の冒頭に【○○の光/宿っている場所や武器の形状】のように書いてください。
衣装などにこだわりがあれば、それもあわせてご記入ください。
衣装とアイテムの持ち込みについて
塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
※【星幽塔】シナリオのアクション投稿時、作物・装備品アイテムを所持し、
【アイテム名】、【URL】を記載することで、
シナリオの中で作物(及びその加工品、料理など)・装備品を使用することができます。
※URLをお忘れなく!!!
※オーダーメイド装備品について
鍛冶工房のトピックを経る(またはシナリオなどで得る)場合のみ
アクション冒頭で指定した星の力とは別に、装備品固有の《特殊効果》が認められます。
アイテム説明欄に、トピックでの完成時の書き込みURL・シナリオ入手時のURLを記載してください。
例:http://rakkami.com/topic/read/2577/2116
以上になります。
それでは、皆さんのご参加をお待ちしています!