地球。この母なる星に生命が宿ってから数千年。
大草原を原始の人類が歩いていました。
獣の皮をなめして作った簡単な服と、獣をとるための槍や弓。
彼らは道具を使うことを覚えた世界で最初の知的生物種族です。
「ウホ、ウホホウホ、ウッホ……」
「ウホホ?」
「ウホ……」
おや。何かを話しているようですね。
折角なので日本語に翻訳して聞いてみましょう。
「ここに咲いている草はなんでしょう」
「草はほとんど緑なのに、これだけ色がついている」
「この色を見ていると、なんだかほわほわとした気持ちになるのです」
「なるほどたしかに」
「とってもはなやかなので、花と名付けましょう!」
「名付けたはいいが、獣に踏まれればすぐに死んでしまう。残念だなあ」
「なら、これを沢山集めておきましょう。抜いたら死んでしまうけれど、土ごと持って行けば死なないと分かったのです!」
「おお、それはいい!」
人類は長い歴史の中でいろんなものを生み出してきました。
けれどその始まりはいつだったのでしょう。
これは、そんな『はじまり』を描くお話。
ここではないもしもの世界、はるか古代のネコジマ大陸でおこった、はじまりの物語なのです。
ごきげんいかがですか、皆さん! 青空綿飴です!
なんだかとっても久しぶりですね。また皆さんの新しい側面が描けると思うと、ちょっとドキドキします。
【これはどんなお話?】
IF世界のネコジマ大陸。原始時代のキャラクターたちを描く『はじめて物語』です。
キャラクターは原始の世界で何かを新しく発明する人になります。
難しく考えることはありません。もしキャラクターがうほうほの原始人で、それでもその人『らしさ』を得ようとした時に発明する道具や習慣。それをまず考えてみましょう。
次に、どんな理由からそれを欲するのか、ちょっとだけ考えてみてください。
例えばお金を発明しようとしたなら、その理由はなんでしょうか。価値の均一化? それとも他人に大いなる価値を示すため? それとも時間を超えて勝ちを保存するためでしょうか。その理由は、キャラクターがそれらにどう触れているかを示す重要なラインとなるはずです。
発明というのは人の側面を表わすとっても素敵な要素のひとつで、たとえば初めてサッカーを考えた人は争いの競技化を狙ったかもしれませんし、ガラスの屈折を利用して眼鏡を作った人は本来目が見えず生きていけなかった人々の救済になったかもしれません。
勿論史実は関係ありません。そのキャラクターが何を愛し、何を求め、何を成す素質のある人なのか……それを、この物語から側面的に描くことができるでしょう。
普段描かれる日常物語とはかなり角度の違う、しかしそれでいてキャラクターを深く掘り下げることのできるお話なのです。