――気づけば
薄野 五月と
畑中 華菜子は、優雅な雰囲気の漂う広間に居た。
優雅な、不思議な。
不思議な不思議な、それはお茶会の催されている洒落た空間。
いったいこれは夢だろうかと、少女達は顔を見合わせて考える。
夢かもしれない。
けれども、現実かもしれない。
さりとて、誰も彼もがドレスアップして、思い思いにくつろぎ、お茶を楽しみ、あちらこちらで小鳥のさえずりのように密めき合い微笑み合う姿は、やはり夢のような心地。
ふと、誰ともつかない不思議な声色が耳に届く。
『ごきげんよう、ムッシュウ。紅茶はいかが?』
『可愛らしいマドモアゼル。チェリーパイをどうぞ』
『ダンスを踊って頂けませんか、マダム?』
けれども辺りを見回してみても、それの声の主らしき人の姿はかけらも見えず、再び五月と華菜子は顔を見合わせた。
少女達が気付かないほどあっという間に、声の主が姿をくらませてしまったのか。
それともあの声もまた、この不思議な雰囲気が聞かせる幻だったのか?
――嗚呼、けれどもそれを探るも無粋。
いつの間にやら五月も華菜子も、誂えたような揃いの瀟洒なドレスを身に纏っている。
ストッキングに包まれた足元は、大ぶりのリボンのアクセントが愛らしい、されども甘過ぎない大人びた雰囲気のピンヒール。
ならば彼女たちがなすべきはただ1つ――すなわちこのお茶会を楽しむ事だけ。
彼も彼女も特別気分で過ごす、これは不思議な不思議なお茶会。
あなたもご一緒にティータイムを楽しんではいかが?
※※※ご参加上のご注意のようなもの※※※
本シナリオでは、ご希望がございましたらリアクションはご参加PC様ごと(GA参加の場合はGAごと)の個別描写をさせて頂きます。
もし個別描写をご希望の場合、アクション内のどこかに【個】とご記載いただけますと幸いです。
いつもお世話になっております。
または初めまして、蓮華・水無月と申します。
暑くなったり寒くなったりとせわしない今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて、今回はなんと『ストッキング♡イラストコンテスト』の受賞特典シナリオをご担当させて頂けるという事で、今からドキドキしております。
ガイド本文にもあります通り、不思議な不思議なお茶会に参加してみませんかというお誘い――素敵なイラストの雰囲気が、ガイドからも伝わると良いのですが。
夢かも知れない。
現実かも知れない。
けれどもやっぱり夢かも知れない。
そんな場所でのんびりと、あるいは楽しくお茶やお菓子を楽しむひと時。
何とも都合の良いことに、広間には(大人の事情に寄らない限り)皆様の飲みたいものや、食べたいものはご用意がございます。
もちろんそれ以外にも、窓の外から不思議な景色を眺めたり、広間の不思議な書架から気になる本を見つけたり、あるいは不思議な楽団と一緒に演奏をするのも楽しいかもしれませんね。
思い思いにドレスアップして、心の赴くままににお過ごしくださいますと幸いです。
――ただしお茶会が終わった後、皆様がそれを覚えているかは定かではありませんが――
それではお気が向かれましたら、どなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願い致します(深々と