これまでのお話
元引き籠りの少年・
東門 巧の元に突然現れた赤ん坊は、感情を爆発させると周囲の物を壊すという物騒な能力を持っていました。
光(ひかる)と名付けられたその子は、急速に成長していきました。赤ん坊から三歳児、そして六歳児へ。
新しい友人たちと光の面倒を見ていた巧の前に、
リリーという少女が現れ、光の正体は彼女たちの世界を滅ぼしかけた
琥珀(こはく)だと話しました。
俄かには信じられない話でしたが、九夜山に現れた
柘榴(ざくろ)という少年により、光イコール琥珀であることが確定しました。
そして柘榴が取り出した不思議な玉が光ったとき、その場にいた人々は彼らの世界へ飛ばされてしまったのです。
巧たちはそこで、
翡翠(ひすい)、
藍玉(らんぎょく)、
瑪瑙(めのう)、
雲母(きらら)という琥珀と柘榴の仲間に会いました。
ところが、藍玉、瑪瑙が雲母によって吸収されてしまいました。雲母はどうやら、仲間を全て「喰らい」、完全体になろうとしているらしいのです……。
* * *
「今までの話をまとめるけど、まず僕たちが帰るのには翡翠が必要」
ロベルト・エメリヤノフは、指を折りながら言いました。
光――琥珀――の第一の部下である翡翠は、巧たちをこの植物の世界に連れ込んだ張本人です。彼の力を借りれば、寝子島に帰ることは可能だろう、と柘榴は言いました。
「やってくれるか分からねえけど」
「で、雲母は藍玉と瑪瑙を吸収して、二人の能力を手に入れ、更に完全体になろうとしている」
光は、逆に雲母を吸収してしまおうと考えています。雲母は翡翠を探し、その翡翠は逃げた巧たちを追っているはずでした。
雲母が翡翠を吸収してしまえば、完全体に近づく上、寝子島に帰ることが難しくなります。
「たっくんはきっと、ヴァルキリーのところへ行ったと思う。他に行くとこないし」
「なら、ヴァルキリーに協力を仰いだ方がいいね。……いきなりは無理かもしれないけど」
何しろこれまでずっと、敵対してきたのです。
そして光は、巧を取り返すつもりでした。ずっと傍に置いておくために。
「邪魔する奴は、全て壊す」
その頃、巧たちはヴァルキリーの元にいました。
巧の左手首はどす黒く変化し、少しずつ範囲が広がっています。翡翠によれば、この毒が全身に回ると死んでしまうそうなのです。 しかも雲母を倒したところで、その毒はなくならないと翡翠は言いました。必死に泣くのを堪えている巧には、到底、言えません。
「今こそ、琥珀たちを倒す時が来た!」
力強い味方を得たヴァルキリーたちは、鬨の声を上げました。彼女たちは、琥珀――光――たちを一網打尽にするつもりです。
しかし、巧たちも、ヴァルキリーたちも知りませんでした。
すぐそこに翡翠が、そして雲母が迫っていることを……。
大っっっっ変長らくお待たせして申し訳ありませんでした!!!
シリーズ最終作となる(予定)ガイドをお届けします。
今回の最大の目的は、
寝子島に帰ることです。そのためには、翡翠のご機嫌を取るなり脅すなり(後者は難しいかもしれません)して、帰してもらわなければなりません。
また、そのためには雲母を止める必要があります。
更には雲母の毒に侵された巧を救う、といったことも必要となってきます。
皆さんのアクションの結果次第では、この世界が滅びるかもしれませんし、ハッピーエンドにもなります。どんな結末を迎えるかは、皆さん次第です。
もし無事に帰れた時は、寝子島に帰った直後やそれから数日後(ちなみにまだ三月末、卒業式の前です)を描写することが可能ですので、行数が余るようでしたらちょこっと書いてみてください。
ただし、もし帰れなければ……予め謝っておきます。ごめんなさい。
登場NPC
東門 巧
琥珀陣営で捕らえられていたが、現在仲間と逃亡中。雲母に捕まれた手首がどす黒く変化し、感触もない。絶賛パニック中。【缶詰】のおかげで浸食が遅れている模様。
リリーたちヴァルキリーの陣営にいる。
光(ひかる)
現在は九~十歳程度。一人称は俺。性格は現在、気分屋と自己中心的なところが目立つ。周囲からは琥珀(こはく)と呼ばれているが、本人は受け入れている模様。
何が何でも巧を取り返し、雲母を吸収しようとしている。
何でも破壊する能力を持つが、今は体が幼いため、威力は感情に左右される。
柘榴(ざくろ):光と行動を共にしている。炎を操る。比較的、PC寄り。
翡翠(ひすい):巧たちを追っている。氷を操る。巧を含めた寝子島メンバーには、かなり怒っている。
雲母(きらら):毒を操る。瑪瑙(めのう)、(藍玉)を取り込んだことで、雷撃と風の能力も得ている。全員を喰らうことで、完全体になろうとしている。
リリー、シスル
琥珀たちの敵。花王国の戦士(ヴァルキリー)
コロボックル
花王国で働く小人たち。性別はなく、戦闘能力を持たない。
その他リリーの仲間
それでは皆さんのご参加をお待ちしています。