ここは寝子島から遠く離れた、緑の世界。
本来ならば色とりどりの花に囲まれたこの世界は今、土と炎と氷――破壊に彩られていました。
東門 巧は仲間と共に牢から抜け出しましたが、その際、
雲母(きらら)に捕まれた腕がどす黒く変色し、感覚もなくなってしまいました。
「何これ!? どうなってんの!?」
巧は泣きそうになりました。が、今は他にも考えなければならないことがあります。
彼らの足元には、
翡翠(ひすい)が気絶していました。
「拘束するか……?」
新田 亮は提案しました。
これほどの好機はまたとありません。しかし、何かしら情報を引き出せればいいのですが、もしうまくいかなければ――。
「……賭けだな」
それは、この上なく危険な賭けでした。
リリーたちヴァルキリーは、作戦会議を開いていました。
幸いと言うべきか、
琥珀(こはく)たちの本拠地は分かっています。
味方が増えた今こそ、総攻撃をかけるべきではないか、という意見が出ました。
彼女たちは知りませんでした。琥珀たちの間で、今、何が起こっているか――。
琥珀には、
柘榴(ざくろ)、翡翠、
藍玉(らんぎょく)、
瑪瑙(めのう)、雲母という部下がいます。
ところが今、彼らの本拠地にいるのは柘榴と他ならぬ琥珀――
光(ひかる)のみでした。
「ったく、あいつら、どこ行っちまったんだ?」
柘榴はぶつぶつと文句を言います。翡翠が逃げた巧たちを追っているのは知っています。藍玉は少し前に姿を消しました。しかし、瑪瑙と雲母がどこへ行ったかが分かりません。
光は巧が逃げたことに腹を立て、ふて寝しています。つまり柘榴はこの広い本拠地にたった一人なのです。
「あーもうっ、退屈!!」
柘榴は気づいていませんでした。
彼の背後に何者かが近づいてきていることに……。
お待たせしました。泉です。
今回は「僕らの異世界戦争」直後の話となります。
初めての方でも参加できますが、よく分からない!という人は下記の1か2を選ぶといいでしょう。こちらでアクションに合わせて処理をします。もちろん、3や4に挑戦しても問題ありません。
異世界に行っている間、時間はほとんど経過しません。(せいぜい、二~三時間です)
ただし、これはPL情報となります。PCの皆さんは知りませんのでご注意ください。
サンプルアクションは四つです。
最初の二つは寝子島にいる人用です。
1.九夜山で行動する
九夜山には現在、妙な玉があります。
これに触るとどうやら別の世界に飛ばされるようなのですが、はっきりしたことは分かりません。
参加はしたいけど、戦いとかはしたくない、という人用です。
2.NPCたちを追う
今は九夜山にいるが、途中参加したい人用です。
こちらは向こうの世界に行った後を中心に描写されると思います。
どちらの陣営につくか、決められない場合はお任せとなります。
3.琥珀側で妙なことが起きているため、解決する
琥珀(光)の陣営では、次から次へと人がいなくなる事件が起きています。
これを解決しよう、というアクションです。
4.この世界のために働く
サンプルではリリー陣営になっていますが、逆の琥珀陣営、もしくは第三者的な立場でも構いません。
自由度の高いアクションです。
戦うもよし、調査するもよし、です。
前回に参加した方たちは、それぞれあちこちに散らばっていると思いますので、そこから物語を再開してください。3か4が多いと思います。
無論、行動は自由です。あっち行ったりこっち行ったり、何をするのも自由です。
が、アクションによっては非常に難易度が高いです。たとえば翡翠を捕まえてうまく尋問できれば貴重な情報が手に入りますが、普通では逃げられてしまいます。
「どのように」捕まえて、「どのように」「何の」質問するかが重要です。
NPC
東門 巧
琥珀陣営で捕らえられていたが、現在仲間と逃亡中。雲母に捕まれた手首がどす黒く変化し、感触もない。絶賛パニック中。
光(ひかる)
現在は九~十歳程度。一人称は俺。性格は現在、気分屋と自己中心的なところが目立つ。周囲からは琥珀(こはく)と呼ばれているが、本人は受け入れている模様。何やらやることがあるらしく、巧の傍にいたいがいられない。
翡翠(ひすい)、柘榴(ざくろ)、藍玉(らんぎょく)、瑪瑙(めのう)、雲母(きらら)
藍玉、瑪瑙は行方不明。
翡翠は外で気絶中。
リリー、シスル
琥珀たちの敵。花王国の戦士(ヴァルキリー)
コロボックル
花王国で働く小人たち。性別はなく、戦闘能力を持たない。
その他リリーの仲間
それでは皆さんのご参加をお待ちしています。