さあさお集まりの旦那方、この世は鎌倉乱世の瓦礫。
かつては浮世浄土とうたわれた平安の都も炎に沈み帝は地の果て波の先。
時の征夷大将軍猫本頼耳による全国統治が北から南へひろがるさなか――かたるは西の三鬼山。
人の血見たさに暴れる鬼と、領土ほしさに攻め入る幕府。
西は鬼軍、東は幕府。
東西分かれましての大合戦。
ひとり殺しふたり殺し百や二百を殺したところでもはや止まらぬ大合戦。
かつて人と妖両陣の境となった『不渡橋(わたらずばし)』を再びはさみ――
今宵――
人鬼大合戦!
■火種の鬼たち
七峯 亨、
哀坂 子夜、
矢萩 咲。
古くより生きる鬼の大頭目たちによる妖大連合『三合鬼』。
いまより百年昔に京の都との契約によって人類不可侵とされた大山・三鬼山に暮らしていた。
しかしそれも――。
「今日までだ!」
炎に燃える人形を蹴り倒し、亮は棍棒を振り上げた。
彼のそばには酒をあおって頬を染める咲や、仮面に素顔を隠した子夜といった鬼の大頭目がそろっている。
「今宵、幕府の軍勢は我らの土地を奪うべく兵を率いて攻め入ってくる。だが恐れるな、奴らを打ち崩し、血をすすり、首を束ねて幕府の城へ持ち入ったならば――我らを山に押し込めた人類どもを今度は家畜にしてやれる。皆の者、武器を取れ! 薪をくべ炎をあげろ! 今宵が革命の夜ぞ!」
一方、長く大きな橋を挟んだ向かい側。
人類軍の武将たちは兵に万端の支度を調えさせていた。
「鬼たちは帝との契約を破り人里を欲した。殺した同胞の数は万を超えるという! 彼らを野放しにすれば、もはや人類は食い尽くされることだろう! だが怯えるな、今宵奴らを殺し尽くせば、我らの同胞は、妻は、子は、二度と鬼におびえることはない! 全軍抜刀! 鬨の声をあげよ! 今宵が革命の夜ぞ!」
かくして始まる一夜限りの大合戦。
鬼軍と幕府軍。
両軍の生き残りを賭けた殺し合い。
その結末や――いかに!
ごきげんよう、かつて大好評を頂いた平安伝記大活劇
『あやかし大戦争』から百年。
多くの人々が戦争とその約束を忘れた鎌倉時代を舞台にした鎌倉伝記大活劇『人鬼大合戦』でございます。
かつての戦争を生き残った妖たち、武将の子孫たち、もしくは歳を重ねてさらなる力を身につけたかつての妖術師たち。
そんなキャラクターになって、大合戦に参加しましょう!
■人鬼大合戦の世界観
時は鎌倉時代。人と妖がまだお互いを知っていた時代。
らっかみ時空とは異なるIFの時代。
鎌倉幕府によって始まった全国統治の波が押し寄せ、かつての戦争から生き残った妖たちの領土も再び戦火に呑まれることになりました。
非好戦的な妖穏健派たちは人類との話し合いによる解決を望みましたが、最も大きな勢力を蓄えていた妖過激派の三合鬼が戦いを強行。
戦火は拡大し、もはや誰にも止められない事態へと発展していきました。
そうして訪れた人鬼大合戦。
三合鬼やそれに並ぶ勢力をもつ烏天狗や合羽などといった妖軍と、幕府から使わされた武将や幕府付きの陰陽師や妖術師たちによる混成軍。
それらによる全面戦争へと発展したのでした。
■合戦の主役になろう
この合戦が後の歴史絵巻に載ったとして、主役になるのはもちろん三合鬼だけではありません。
彼らとぶつかった将軍。最前線で戦い武勲を上げた侍。高名な陰陽師や妖術師。彼らは必ずや後の文献に刻まれ、歴史的人物となるでしょう。
そして妖軍に籍を置く烏天狗の頭目や妖怪変化魑魅魍魎の長たち。彼らもまた人知れぬ歴史書に刻まれ、大いなる歴史の主役となるのです。
歴史の主役を演じるのは――?
そう、他ならぬ、PCの皆様なのです!
PCの皆様は、別時空の自分……ないしは別の可能性をもった自分としてこの歴史の主役となり、妖の長や将軍、侍、はたまた陰陽師となって合戦に加わるのです。
(※前回シナリオ『あやかし大戦争』に参加した方ならば特典として、前合戦から生き延びた者、ないしはその子孫としても参加できます。
人類側で生き延びた場合はものすごくおじいさんになっているか、妖術や秘薬で若さを保っているという設定をつけておきましょう。なぜならかっこいいからです)
■それぞれにできること
キャラクターたちは参加した時点でそれなりの地位にいます。
群の長や将軍、高名な術士や、凄まじく腕の立つ剣士などです。
それゆえ人知を超えた力を使い、多くの部下をしたがえています。
(中には『幕府に雇われたけれど部下は持たない強力な剣士』といった孤高なキャラクターも存在しそうですが、特にアクションに指定が無い限り部下が沢山居る扱いになるでしょう)
キャラクターたちはこの力と部下を使い、自軍の勝利を目指すのです。
この『人知を越えた力』に制限はありません。
あんまりに過激(宇宙が終わる的なやつ)すぎると規模や方向性を調整することもあるかもしれませんが、ここはなんといいますか『うちの子がこういう力を使ったら素敵!』が源となると思いますので、できる限りその画を大事にしたいと思います。
……ということですので、ろっこんの使用是非はご自由にどうぞ!
■まとめ
コメントが長くなったので四行にまとめましょう
・鬼か人のどちらかの将軍になって合戦に参加する。
・自軍を勝利させることが目的。
・すごい力と沢山の部下がいる。
・雰囲気重視でたのしむ!
さあ、合戦があなたを待っています!