寝子島には、とある噂があった。
九夜山の山道を逸れて、けもの道を登った先に、
いつ頃建てられたのかもわからない、古い図書館の廃墟があるのだとか。
島民の間でまことしやかに囁かれる噂は、
しかし誰もはっきりと存在を確認した者はなく、
一体いつごろから囁かれているのかも判然としない。
ある日あなたは、噂の図書館を探してみることにした。
暇つぶしか、好奇心か。
もしかしたら、図書館があなたを呼んだのかもしれない。
山の中腹のあたりで適当に山道を逸れ、けもの道に足を踏み入れる。
別に、本当にそんな建物があると信じているわけではない。
何事もないのんびりとした、穏やかな寝子島生活に、
ちょっとしたスパイスを添える、くらいのつもりだったのだ。
けれど半信半疑、いや、三信七疑で登ったけもの道の先、
その図書館は突然姿を現した。
そして、あなたと同じく好奇心を刺激されたか、あるいは不思議な力の導きか
数人の仲間たちが、あなたと同じように図書館を探索しようとしていたのだ。
図書館の見た目は、古い洋館のようだった。
外から押し開けた重厚な木製の扉は玄関。
絡まったツタを取り払い足を踏み入れると、
エントランスは吹き抜けだった。
上階へ続くのであろう正面の階段には有刺鉄線が頑丈に巻き付いており、
簡単には乗り越えられない様子。
東と西に図書を収めた大きな部屋がふたつずつ。
西館へ通じる扉には重たそうな南京錠がかかっていて、開けるのには骨が折れそうだ。
あなたたちは、まずなんの障害もない東館から探索するのがいいかもしれない。
東館には大きな書架が並んだ部屋がふたつ。
左の部屋には、絵本・図鑑・童話・植物や天体、動物などの写真集など、
比較的子供が読むことを想定された本の数々と、知育玩具が数種類、
長い年月にその身を晒していた。
右の部屋には、難しそうな学問の本と、それを読むための机が窓際に並べてある。
壁には色褪せた静物画が掛けてあり、柱時計も時を刻まなくなって久しいようだ。
廊下はこれまた色褪せた赤い絨毯が敷いてあり、
突き当りには貸し出し用の受付カウンターが設えてある。
古めかしい図書館の内部に、仲間たちはひどく興味を惹かれたようだ。
誰からともなく、図書館の中を探検しよう、という声が上がり、
あなたは流されるままに仲間たちと手分けして
東館をすみずみまで調べることになったのだった。
探索系のお話も面白いかと思いまして。
いろいろチャレンジしてみているところです。
説明文はややこしいですが、どうかあまり気負わずに、
お気軽にご参加ください。
今回は図書館東館のみの探索です。
アクションには、東館の中から探索したい場所を2か所と、
どういう風に探索をするかをお書き下さい。