ここは穴場のゲームセンター。
猛者たちが日夜互いの技をぶつけ合うバトルフィールド。そんな場所に、新たなゲーム筐体が現われた。
巨大な卵形のケージに、シートとレバー。ヘッドマウントディスプレイとリアルな振動や風を送る装置。
筐体にはメカメカしい書体で『携帯戦記(ハンディバトラー)カプセルギア・アーケード』と書かれていた。
ゲーム情報をいつも先取りしてきた対戦ゲームの猛者たちが注目するこの筐体。
だれが手をつけるか、緊迫した空気が広がる中。
ピン、とコインを弾く音がした。
「プレイは私に譲ってもらえますか」
現われたのは、ゲームセンターに似つかわしくない文学少女。
おいおいお嬢ちゃんが来るところじゃないぜとたしなめる屈強なアニキに、
絹織 真由良は『お嬢ちゃんじゃないんですけどね』と苦笑した。
性別のことを言っているのだが、アニキはそれを『自分は子供じゃない』という意味にとったようだ。
なぜなら、真由良の目に鋼の魂を見たからである。
「それはギアマスターたちにとって第二の戦場……バーチャルギアバトルのステージなのですから」
そう言って、コインを投入口に放り込む。
シートに腰掛け、皮のケースから一体のホビーロボットを取り出した。
繊細かつスタイリッシュに作られた10センチ程度のロボットはしかし、鋼鉄のような迫力を放っている。
それをアナライズケースに入れると、ギャラリー向けのディスプレイにそっくりのロボットが表示された。
真由良はヘッドマウントディスプレイを装着。
「先行生産型ウォー・ホーク三番機、『アシュバード』――行きます」
welcome gear-master
on your mark
gear-battle
――fight
ごきげんようギアマスター。
こちらは大人気バトルホビー『携帯戦記カプセルギア』のアーケード版をお楽しみ頂けるシナリオとなっております。
まるで巨大ロボットのパイロットになったかのように操作して、自分でカスタムしたロボットで戦うのです。
※カプセルギアがゲームセンターに進出した影響で年齢層が幅広くなっています。そのため当シナリオは年齢制限なしでお楽しみいただけます。
携帯戦記カプセルギアとは
愛光堂が販売するカスタムロボットホビー。10センチほどのロボに各種パーツを選択することで自分だけのオリジナルカプセルギアを作成することができます。
詳しくは墨谷幽マスターのメインシナリオ携帯戦記カプセルギア 第一話「運命の出会い!!」をご覧ください。
既にカプセルギアを所有している方はパーツマイリストのURLを貼り付けていただくことで、実機をアナライズしたそっくりのバーチャル機体を使用して頂けます。
……が! ここからがアーケード版のお楽しみ要素。
実機を持っていない方、もしくは新しい何かを試したい方向けに、『バーチャルコーディネイト』をお試しいただけます。
こちらの機能は、バーチャル上にPCにピッタリのカプセルギアをカスタムし、実際に動かして遊んで頂くというものです。
実機ナシでも遊べる上、自分に似合った機体をお探しのあなたにお勧めです。
今回に向けて実機を用意したいと言う方は、メインシナリオのマスターコメント内、『アクションでできること』をご覧ください。
バーチャルギアバトル
カプセルギア・アーケードでは、自分の機体に乗り込んで戦うバーチャルギアバトルがお楽しみ頂けます。
操作方法は既存のバーチャルパッドと同様に、VRコントローラーと音声入力で行ないます。
戦場は疑似トーキョー。都庁周辺で巨大なロボットたちによるバトルが行なわれます。
ロボットの大きさは、都庁ビルに頭が隠れる程度です。
ルールは簡単。他のロボットたちと戦い、敵プレイヤーを倒したり必殺技を防御したり、その活躍度合いによってポイントをゲットしていきます。
60分という制限時間内にどれだけポイントを獲得できるかを競います。
リソースから考えて、1対1の戦いを繰り返していくのがベストでしょう。勿論、乱戦状態を外側から爆撃したり駆け抜けて一撃離脱を狙ったり、なんて戦術もありますよ。カプセルギアには無限の戦術プランがあるのです。
さいごに
勿論協力プレイも大歓迎。
あえて先程は述べませんでしたが、合体変形や武器交換といったプレイも無理じゃあありません。ちょっとだけアクションが難しくなるので、うまくできるよっていう方はトライするのもよいでしょう。