これまでのお話
元引き籠りの少年・
東門 巧の元に突然現れた赤ん坊は、感情を爆発させると周囲の物を壊すという物騒な能力を持っていました。
光(ひかる)と名付けられたその子は、急速に成長していきました。赤ん坊から三歳児、そして六歳児へ。
新しい友人たちと光の面倒を見ていた巧の前に、
リリーという少女が現れ、光の正体は彼女たちの世界を滅ぼしかけた
琥珀(こはく)だと話しました。
俄かには信じられない話でしたが、九夜山に現れた
柘榴(ざくろ)という少年により、光イコール琥珀であることが確定しました。
そして柘榴が取り出した不思議な玉が光ったとき、その場にいた人々は彼らの世界へ飛ばされてしまったのです。
巧たちはそこで、
翡翠(ひすい)、
藍玉(らんぎょく)、
瑪瑙(めのう)、
雲母(きらら)という琥珀と柘榴の仲間に会いました。
琥珀に悪い影響を与えるという理由で、巧たちは閉じ込められてしまいました。その上、知らぬ間に藍玉が……。
* * *
カツカツと靴音を響かせ、翡翠が現れました。凄まじい形相に、巧は思わず腰を浮かせたものの、狭い牢の中、逃げる場所などありません。仕方なく、一番奥の壁にぴったりと背中を張り付かせて立っていました。
「藍玉に何をした!!」
巧の牢の前で、翡翠は怒鳴りました。巧と、一緒に囚われている仲間たちはぽかんとします。
「ちょっと待ってくれ。何の話だ?」
八神 修が別の牢から話しかけます。翡翠は修も睨みつけました。
「藍玉がいない!」
「……どこかに出かけたんじゃないのか?」
「我々に黙ってどこかへ行くことはありえない。誰か何かしたに違いない! 誰だ!?」
「おかしなことを言うのね。私たちは、ずっとここに閉じ込められているのよ。何が出来ると言うの?」
椎井 莉鳥は、極めて冷静に尋ねました。
「――いいか! もし藍玉に何かあれば……貴様らタダですむと思うなよ!!」
翡翠は返事に詰まりながらも、言い捨てて、出て行きました。
「……い、一体どういうこと?」
巧は震える声で、誰ともなしに尋ねました。答えられる人間は誰もいません。しかし、非常事態なのは間違いありません。
このままここにいたら、どうなるか――。
その頃、緑に囲まれた花王国――。
翡翠たちがヴァルキリーと呼ぶ戦士たちがいました。
「琥珀が戻ってきてしまった! 近いうちに最終決戦になるだろう!」
「我らが生き残るか、奴らが勝つか! だが、我らは負けるわけにはいかない!」
ヴァルキリーの中心である
リリーと
シスルが仲間を鼓舞します。
その中に
優木 遥斗が混ざっていました。周囲は女性ばかりなので、遥斗は少々困っていました。
それでも、遥斗の「この世界を守りたい」という気持ちは揺るぎません。
「……しかし、どうする……?」
遥斗は、この世界をどうしたら守れるのか、考えるのでした……。
大変長らくお待たせしました。
「降ってきた赤ん坊」シリーズ(そういえば、正式名称ありませんでした…)再開です。
今回は、前回の直後からの話となります。
この話はまだ三月中旬の出来事となります。
また異世界に行っている間、時間はほとんど経過しません。(せいぜい、二~三時間です)
ただし、これはPL情報となります。PCの皆さんは知りませんのでご注意ください。
今回もサンプルアクションは多めで五つです。
前回と全く同じものもあれば、少し違うものもあります。
最初の二つは、寝子島にいる人用です。
1.寝子島にいたまま、あたふたしているPCを見たい。変な世界には行きたくない。
2.今は九夜山にいるが、異世界に行きたい。
2に関しては、他の人とのアクションの兼ね合いで、「行った後」も描写されるかもしれません。
異世界にいる人は、三つのパターンに別れます。
3.巧と一緒に琥珀陣営から逃げ出す。
この場合、巧の隣の部屋に閉じ込められていることになります。基本、自由はありません。
今回はここから逃げ出すことがメインです。
また、琥珀陣営に留まってどうにかする、というようなアクションもこちらになります。
4.リリーたちの味方をする。
自由度は高いです。どこへでも行けます。メインはリリーたちの味方をして戦います。
5.どちらでもない、ど真ん中に落ちた。
自由度は高いですが、地理が不明なのでどこへ行ってしまうか分かりません。
行き当たりばったりを楽しみたい、もしくはどちらへ行くか決まっていない人向けです。出たとこ勝負ですね。
NPC
東門 巧
琥珀陣営で捕らえられている。四方の壁はガラスに見えるが、かなり強度は高い。中と外で会話は可能。
光(ひかる)
現在は九~十歳程度。一人称は俺。性格は現在、気分屋と自己中心的なところが目立つ。周囲からは琥珀(こはく)と呼ばれているが、本人は受け入れている模様。何やらやることがあるらしく、巧の傍にいたいがいられない。
翡翠(ひすい)、柘榴(ざくろ)、藍玉(らんぎょく)、瑪瑙(めのう)、雲母(きらら)
藍玉は行方不明。
リリー、シスル
琥珀たちの敵。花王国の戦士(ヴァルキリー)
コロボックル
花王国で働く小人たち。性別はなく、戦闘能力を持たない。
その他リリーの仲間
それでは皆さんのご参加をお待ちしています。