※注意
このシナリオには『残酷な表現、暴力的な表現、キャラクターの死』などが含まれます。
苦手な方はどうかお戻りください。お好きな方は、どうぞ楽しんで!
洋館で歌う少女、
花風 冴来。
楽しげに歌う彼女の手にはぬいぐるみ。
ぬいぐるみのお腹の中には男性の苦悶に満ちた首が埋まっていた。
「おいしい……おいしい……なんて、甘美な『死』」
直後、冴来の胸からナイフが突き出てぬいぐるみが真っ赤に染まった。
目から光をなくしうつ伏せに崩れ落ちる冴来。
彼女からクロータイプのナイフを抜いた
ヨハン・プレストンは、ごくりと喉を鳴らし……そして瞑目したままゆっくりと息を吐いた。
「芳醇な、『死』だ」
直後のことである。五体満足で傷ひとつ無い
花風 冴来が天井から上下逆さにぶら下がるように現われ、ヨハンの首に赤いリボンを巻き付けた。不思議と頑丈なリボンは一瞬にしてヨハンの気道を塞ぎ、力強く吊り上げていく。
足が地面から離れ、指を挟んでしのごうとリボンと首の間に指をいくどもねじ込もうとする。しかしねじ切らんばかりに食い込むリボンになすすべ無く、首をかきむしった末にヨハンはぐったりと力を抜いた。
ぶら下がった冴来が歌うように言う。
「なんて刺激的な、『死』」
ここはこの世ならざる死と再生のセカイ。
常闇の町、デッドリータウン。
今日も住人たちは互いを殺し合い、殺し合い、美味なる死を味わい続ける。
歪んで狂った死のセカイへようこそ。
こちらのシナリオはあまりに不自然で、あまりに不条理で、あまりに残酷ですが、しかしどこか美しい。
そんな『みなさま』のために存在してございます。
■デッドリータウン
ここはどこでもないIFの世界。
この世界の住人には三つの特徴があります。
・常に飢えと渇きに苛まれている
・人を殺すことで『死』を味わうことができ、飢えと渇きが究極に満たされる
・誰かに殺された場合にだけ、すぐに肉体が別の場所で再生する
そう。
この世界の住人は生きるため、飢えと渇きを癒やすため、美しき死を味わい続けるのです。
味の感じ方は人それぞれ。猟奇的に殺すのが美味しいという方もいらっしゃれば、苦しまずに殺すことが美味しいと感じる方もいらっしゃいます。
『みなさま』はこの世界の住人となり、終わらない死と再生を繰り返すのです。
ここは地獄なのでしょうか。それとも天国なのでしょうか。
それとももっと歪んだ、なにかなのでしょうか……。
それを証明できるのは、ほかならぬ『みなさま』のみなのです。
さあ、ごゆるりと
殺し合いましょう
※付録:迷い人のためのアクションガイド
町での過ごし方に迷ったなら、このガイドをお読みください。
デッドリータウンの住人である『みなさま』はそれぞれ好みの殺し方を持っています。
食べ物の好みには、味や盛りつけや、食べるときの雰囲気にまで好みが分かれることがありますよね。
住人たちはそれと同じで、好きなシチュエーション、相手、殺し方やその際のマナーに至るまで好みが決まっていることがあります。
もしこんな世界の住人になったら、『みなさま』はどんな好みをもつでしょうか。勿論飢えと渇きを癒やすためにたくさんたくさん殺す人もいらっしゃると思いますが、それこそ食べ物と一緒で、拘りがあるものですよね。