見知った土地が、まるで揺らめく幻風景かのような錯覚として突如映る。
そこが初めて訪れたかのような。
それは病気か、いつかの事故の後遺症か、はたまた春風のぽかぽか陽気が連れてきたド忘れか……
「あ、おっ? ちょぉ! ……やべ……」
進級、卒業、そんな単語をよく耳にするこの時期、思春期で繊細な心を持つ少年少女たちは、
何やら猛烈に一人になりたい、たそがれたい、そんな衝動に駆られるとか駆られないとか。
休日に九夜山展望台を目指していた
野菜原 ユウもその1人……というわけでは、彼の場合無さそうだ。
ロープウェイを下りてから展望台までのしばしの道、ちょうどその中間地点あたりにあった
『展望台・こっち→』な矢印看板が、凛と刺さっていた姿もむなしく、今は彼の足元に横たわっている。
「誰だよー、九夜山の桜がもう見頃だぞ☆ とか言ってたのは。まだじゃん! ……よい、せっ」
独りごちながら、さりげなく周囲に誰もいないか確認しつつ看板を立て直す。
ろくに矢印方向を確認せずに。
そうしてそそくさと自分は元来た道へと引き返し。
彼が去った数時間後。
「意外と展望台まで距離あるのね。えーと……あ、良かった、看板があったわ。こっちね♪」
春休みに合わせた観光者か転校生かは分からないが、土地勘の無い者約1名が
迷子候補となるのはもう数分後……――。
要約:知ってる場所でも、迷子・方向音痴になる事ってあるよね☆(ぇ、無い……?)
ご拝読誠にありがとうございます!
初めまして、新米マスター・蒼色クレヨンと申します。
なるべくどなた様でも入りやすいよう心掛けてまいります。どうぞ宜しくお願い致します!
●ガイド本文は一例です。
とどのつまり 迷 子 です。イイ大人でも迷子です。
場所は九夜山に限らず、理由を思いつくままに旧市街地や学校、家の近所などなどお好きにご設定下さい。
そもそもずっと長く住んでるこの島で迷子になる理由が思いつかない……
そんな方には、移動するトラブル・野菜原氏が、きっとなにかやらかしてくれることでしょう。
ユウ「おいなんでだよ! って、あ? 俺誰と今会話してたんだ?? ま、いっか! にししっ」
(ぽーいっ。遊歩道ど真ん中にあった石を、親切心からどかしそして軽く放った。石の軌道など勿論追わずに)
●NPCまたは参加者様同士での絡み
基本的に野菜原氏は必要最低限の登場となりますが
是非彼に全力でトラブルに巻き込んでもらって迷子の責任をとってもらいたい! という方は
そういったアクションでも構いません。
他参加者様と同じ場所で一緒に迷子仲間、または恋人同士様でどちらかが寝ぼけて方向音痴発揮、など
絡み描写ご希望の際は、お相手様にご許可・承諾を得た上で分かるようアクションにご記載下さい。
普段なら行かない場所へ赴くことになったり、こんな場所あったのか……など発見があったり
ささやかな刺激になれば幸いです。