某日、シーサイドタウンのカフェで——。
「ご機嫌よう竹高さん、お待たせしてしまったかしら?」
憧れの『先生』に優雅な微笑みを向けられ、寝子島中学2年生の
高知 竹高は
「ウっす! や、待ってはないス、けど、あの——」としどろもどろになってしまった。
向かいの席に腰掛けたのは、
大道寺 紅緒。寝子島高校1年生に所属する少女で、ライトノベル作家だ。
「メールで大体は理解したけれど、直接貴方の口からお話しが聞きたいんですの。よくて?」
試す視線に、竹高は膝の上で拳を握って自分に喝を入れ、真剣に話し始めた。
竹高は同窓生の仲間たちとバンドを組んでいる。
担当するのはギターとヴォーカル——バンドの顔、フロントマンと呼ばれるポジションだ。
オリジナル曲に歌がつく時は、歌詞を書くのも彼の担当だった。
「ギター弾くのも、歌うのも、歌詞を書くのも楽しいんです。でも俺、楽しいだけじゃダメな気がしたんスよ」
彼らのバンド活動は趣味ではあるが、バンドメンバーは既にその道のプロとして活動している者や、楽器と共に育ったような連中だ。唯一中学に入るまで音楽経験のなかった竹高は、この頃になると焦りと不安を感じていた。
舞台経験を経て周りが見えてきたことや、年上のメンバーが中学を卒業するにあたって、『このままでいいのか』という気持ちが芽生え始めていたのだ。
「
スキルアップしたいんです!
ちょっとずつでいいから進んで……、今は肩を並べられなくても、後ろから背中を押せるぐらいの男になりたいんス!」
竹高の熱意を直風で感じて、紅緒は静かに頷いた。
「私と貴方では年による経験差はそうないでしょうし、私はただのファンタジー作家。音楽知識も有りませんわ。尊大にものが言える立場ではないですけれど——。
貴方の気持ちは受け取りましわ! 同じ創作者として頑張りましょう」
紅緒はテーブルの上に資料を出した。置いた瞬間ドンッと音がする程、分厚い本が何冊も重なっている。
「まずはこれを読破なさいませ!!」
普通なら怖気付きそうな状況の中だが、竹高は逆に火がついたようだ。
「分かりました! 俺、頑張りますッ!!」
春が近づいてきた今日この頃、あなたはどんな事を頑張っていますか?
皆さんこんにちは東安曇です。
今回のシナリオは
『PCが何かを練習したり、勉強したり、修行したりと頑張っているところ』や、
『頑張っているお友達や仲間(PC)を応援するところ』を描写するストーリーです。
内容は仕事でも学校活動でも趣味でも構いません。頑張っていることならなんでもOKです。
場所は島外でも大丈夫ですが、季節はらっかみタイムに沿って下さい。
なお、こちらのシナリオにご参加頂いていない登録済みのPCは、登場させることが出来ません。
NPCはガイドの高知竹高と大道寺紅緒の他、東のマスターページに書かれているNPCでしたら登場させることが出来ますが、できるだけ2体以下でお願い致します。
シナリオガイドとサンプルは連動しているので、アクションのヒントとして合わせてご覧下さい。
皆さんの熱いアクション、お待ちしております。