のどかな港町といった風情のあるこの街全体が、さまざまな蟹によって攻撃されている。蟹たちは人を襲っては追い払い、家やら木やら馬車やら壁やらをもりもりと食べている。中には、地面を食べているものもいて異様な雰囲気だ。
住人達はそれらを相手に戦ったり罠にかけようとしている。だが、蟹たちの攻撃により、次々に倒されている。特に屈強な漁師達が怪我を負っていた。
「これって……どういうことかなぁ?」
この光景を見た
立花 なつはきょとん、と首をかしげる。ある蟹は椰子の木を切り倒してもりもり食べ、ある蟹は鋏からビームをぶっぱなして建物を破壊し……とやりたい放題である。召還されたであろう他の面々も、これには困惑しているようだ。
「何がおこっているのやら」
ふいに声がしてふりかえると、そこには白衣をまとった、灰色の髪の若い男が立っていた。目元を前髪で隠した彼はあなた方を見、のんびりとはなしかける。
「我輩は、ここに住む医者、シドニウムだ。……まぁ、今はそれどころではない。この蟹が、非常に悪さを働いていてな、こまっているのだよ」
彼の言うとおり、やはり蟹はありとあらゆるものを食べているようだ。なつの背中に冷たい何かが流れる。
10センチ程の大きさの蟹からタカアシガニサイズまでおり、はっきり言って案外気色の悪い光景なのかもしれない。
「……ここの名産は、もともとあっちの汽水の湖で取れる蟹だ。元々一年のうち今頃は産卵のために浜へとあがってくる。だが、今回はそれどころか町にまで来て町を食べているという始末! なにがなんだか我輩にもさっぱりなのだよ」
「確かに、だねぇ」
医者は肩を竦めなつが相槌をうつと、……医者は何か天啓でも降りたのか、大きなしゃっくりを1度して、なつへ言った。
「あっちに祠がある。そこにいる白い竜に蟹をたらふく食べさせると解決するらしい。……ともかく、この蟹をひたすら湯がいて食べさせれば、いいようだぞ? あぁ、みんなでも食べていいらしいから、食べようか」
医者はあっけらかん、と言い放つと早速薪を集め、簡易のかまどをつくり、大なべに水を汲んでお湯をわかしはじめた。
「とにかく、蟹をばんばんつかまえて、どんどん食べさせるんだ。そうしないと、『この階層が抜け落ちる』事になる」
医者の言葉に、なつ達の表情がこわばった。
第四階層にはびこる、蟹。
はたして、なつ達は対処できるのだろうか?
この階層の命運は、彼らにゆだねられた……。
壁からひょっこり、菊華です。
はい、そこ。ネタに走ったからって「またお前か」って言わない。
これでも立派に『星のサーカス団』の一員ですよ。
今回はパニック・ザ・蟹でございます。
のどかな港町っぽいこの階層で蟹と戯れて食べて食べさせてください。
何の事だかわからない? ならばここから下を読んでください!
でないと、階層が抜け落ちますよ?
ステージ
ここは、一見田舎の港町っぽい感じの場所です。
大きな汽水の湖と、街があります。
また、北には祠があり、そこに大きな白い竜が暮らしています。
湖は階層の約5分の1ほどの広さを持ちます。
普段はみんなの憩いの場なのですが、現在は蟹に蹂躙されています。
湖のほとりには普段ならばのんびりとした雰囲気だろう町並みが。
ここもやはり蟹に襲われ、家などを食べられています。
祠周辺だけは蟹がおらず、そのため白い竜は自分の手で食べられないようです。
運悪くおなかがすきすぎて動けなくなった竜は悲しげな眼差しをしています。
ミッション
大量発生し、街や塔を食べる蟹を捕まえて、白い竜に食べさせろ!
オーブの位置は、白い竜の額にあります。
今回の場合、蟹をたらふく食べさせて満足させれば炎が点るようです。
街の人たちも蟹と戦っていたが敵わない!!
リアクション開始時、住人達は謎の医者を除いて全員屋内に避難しているぞ!
◆蟹の種類
真っ赤な蟹
トゲトゲしています(リアルでいうハナサキガニっぽい感じです)。
体当たりしてきます。あたるといたい。サイズは様々。
薄紅の蟹
鋏での攻撃が強く、好戦的です。タラバガニっぽいが、鋏は大きくなっています。
鋏は子供の足ぐらいの太さの木の枝も折るほどの力を持つようです。サイズは様々。
でかい蟹
どうみてもタカアシガニです。ありがとうございます。
なぜか、あたるとめっちゃくちゃ痛くて熱いビームをはなってきます。
アクション
ここでは
・蟹と戯れ……もとい、戦う。
・蟹を調理する。
・蟹を食べる。
・住人達とふれあいつつ蟹を食べる。
・白い竜に蟹を食べさせる。
・医者や白い竜と対話する。
などができます。
今回はどう蟹を捕まえ、調理して白い竜に食べさせるか、がカギです。
ともかく、第四階層の抜け落ちを防ぎたかったら蟹だけでもどうにかしてください。
無茶振りOKという方は【覚悟完了】タグの添付をお願いします。
◆今回の特殊ルール
参加者確定後、コメントページに書き込みをしてください。
そして、出たダイスの出目の合計をアクションに記入願います。
こちらはとある判定に使います。
登場NPC
謎の医者:シドニウム
取っつき辛そうな見た目の割にフランクに話しかけてきます。
彼に頼めば網やら罠やら貸してくれます。
蟹に興味があるようであれこれテンション高くがんばってますが、
普段は興味のないことは忘れやすい性質だそうです。
ステラ
白い竜と一緒に蟹を待っています。
蟹が祠周辺以外にいることは知っているようです。
星の力
星幽塔の中では、ひとりにひとつ、不思議な光が宿っています。
このシナリオから、新たに「騎士の光」も使えるようになりました。
剣士の光(青) :剣技が上手くなる
闘士の光(オレンジ):腕っぷしが強くなる
狩人の光(紫) :弓矢が強くなる
盗人の光(金) :宝物を見つけたり鍵開けが得意になったりする
魔火の光(赤) :火の魔法を使える/星の光が宿った武器が火属性になる
(例:火の玉を飛ばす魔法が使える、刃に炎を纏ったりできる)
魔水の光(水色) :水の魔法を使える/星の光が宿った武器が水属性になる
(例:水流を鉄砲の様に飛ばす魔法が使える、刃に水を纏ったりできる)
魔風の光(緑) :風の魔法を使える/星の光が宿った武器が風属性になる
(例:つむじ風を起こす魔法が使える、刃に旋風を纏ったりできる)
魔土の光(茶) :土の魔法を使える/星の光が宿った武器が土属性になる
(土礫を投げつける魔法が使える、刃に砂を纏ったりできる)
癒しの光(白) :自分や他者を癒すことができる
NEW!
騎士の光(桃) :あらゆる乗り物を巧みに操り戦う
(騎士の光を宿した者のみ、星の力を小型の乗り物に変化させることもできる)
(ここでは、小型の乗り物=馬程度の大きさの動物/バイク程度の大きさの機械類)
(例:【騎士の力/馬】【騎士の力/バイク】など。
【騎士の力/剣】【騎士の力/弓】なども可。その場合乗り物は別途調達)
光は体に宿ったあと、その者にあわせた形状に変化し、身につけることになります。
(例:指輪、体に埋め込まれる、武器になっている、愛用の武器の装飾に)
※星の力のサポートは、星の力が宿ったアイテムを所持していない時は受けることができません。
※武器(剣、弓、斧、杖など)はひとりひとつ。双剣など2つで1セットのものなども可。
※星の力やその形状は、シナリオごとに変更できます。(1シナリオの中では変化しません)
※もれいびは「星の力」と「ろっこんの力」の両方使えます。
※ひとは「星の力」を使えます。
※塔に召喚されると、衣装もファンタジー風に変わります(まれに変わってないこともあります)
※もちものは、そのPCが持っていて自然なものであれば、ある程度持ちこめます。
どの星の光をまとい、その光がどんな形になったかを
アクション冒頭に【○○の光/宿っている場所 or 武器 or 乗り物(騎士のみ)の形状】のようにお書きください。
衣装にこだわりがあればそれもお書きください。
それでは、よろしくお願いします。