満天の星空が水面に映る。
「まるで天の川の中にいるみたいだね」
天馬 ひびきは、大好きな
骨削 瓢の頭の重みを太腿に感じながら呟く。
アクアアルタの水は夜になっても引かなかった。
寝子島の人々はこの特別な夜に人工的な灯りを灯すことを好まなかった。
おかげで星がよく見えた。降ってきそう、というのがぴったりくるほどだ。
いつもなら街の明かりで霞んでしまう天の川が、まさに乳の流れのように悠然と空を横切っている。
この煌きは人々の胸を打ち、ねこったーで『#季節外れの七夕』というタグがトレンドになった。
『外に出よう』『デートしよう』
そんな言葉が寝子島の夜を飛び交う中、ひびきと瓢は水際で季節外れの七夕デートと洒落込んでいた。
「季節外れの七夕ねぇ。もし織姫と彦星がいちゃついてたら、あっしのろっこんで吹っ飛ばすところだがね」
「ふふっ。ねえ瓢さん。もし瓢さんのろっこんで、私と瓢さんを吹き飛ばしたらどうなっちゃうかな」
「そりゃあ天まで飛んでって、織姫と彦星を引き裂いた天帝を吹っ飛ばしちまうんじゃないかねぇ」
「えへ。私たちそのくらいラブラブだってことだね」
ひびきは真っ赤になって、天を見上げる。
寝子島、アクアアルタの夜。
家々の明かりも、ビルの明かりも消えたまま。
人々は、蝋燭を灯し、愛する人とともに過ごせる時間に感謝する。
こんな風にゆったりと時間が流れる夜じゃなければ、感じられないことを感じる。
猫の声。
ひたひたと寄せる波音。
ゴンドラで夜の街に漕ぎ出すものもいる。
シーサイドタウンでは、明かりが消えた観覧車がゆっくりゆっくり回っている。
目を閉じて。
深呼吸して。
それから――あなたは夜を味わう。
こんにちは。ゲームマスターを務めさせていただきます笈地 行(おいち あん)です。
昨日のKANさんのシナリオに乗っかりました!
アクアアルタの夜です!
骨削 瓢さん、天馬 ひびきさん、ガイドにご登場いただきありがとうございます。
もしご参加いただけましたらガイドに関わらずアクションを掛けてくださって大丈夫です。
▼状況
基本的には、寝子島、アクアアルタの日に準じます。
寝子島の海沿いでアクア・アルタの現象が発生しています。
水がきてるのは、寝子島街道の周辺までです。
今日は休日で、晴れ。時刻は夜。
街の明かりが消えているのでいつもより星がよく見えます。
1月にしては暖かく、夜でも春のようなぽかぽか陽気です。
水は不思議なことに(神魂の影響でしょうか)割と澄んでいて、きれいです。
水の流れはなく穏やかですが、場所によっては波や川のような流れがあることもあります。
なんとなく、人工的な灯りは無粋、という雰囲気になっています。
よろしければ灯りは、蝋燭やランタンをどうぞ。
▼出来事やNPC
寝子島漁港では釣り船を、
イソラ・ガレッジャンテでは、まるでヴェニスのようなゴンドラを貸し出しています。
街の方はくるぶしほどの深さで船やゴンドラは入れませんが、
猫又川や桜川などを遡ってもいいですし、
今宵は波がとても穏やかなので、海の方に漕ぎ出してみるのもよさそうです。
シーサイドタウンの観覧車が真っ暗ながら営業しています。
浮かぶ船やゴンドラの明かり、遠い街の明かりなどが見えるかもしれません。
旧市街では猫の集会が開かれているよう。
お三夜祭りの夜にいた、立って歩いたり人語を解する猫たちにまた会えるかも……。
テオ……ねこのらっかみ。
お三夜様……寝子島神社のご祭神。黒くて赤い目をした猫。
狛猫たち……寝子島神社を守護する猫。心配性の「一之助」と、しっかり者の「二右衛門」。
あたりは、猫の集会をしています。他に会いたい猫がいればアクションでお知らせください。
カップルで参加ご希望の方は、一緒に参加できないと寂しいので
ぜひグループ参加機能をご利用くださいませ。
また、今回はとくにKANさんのシナリオと連動ではありません。
あちらのリアクションの結果などは反映されませんのでご注意ください。
それでは、お待ちしております!