「ごめんなさいね、手伝ってもらっちゃって」
寝子島高校の調理室。
白沢 絢子先生は来てくれた生徒たちに礼を言った。
調理実習のために必要な準備がいろいろあるのに、白沢先生だけでは手が回らない。だから誰か手伝ってくれないかと、生徒たちに頼んで来てもらったのだ。
調理実習の内容は、
卵の調理特性への理解を深めるために、熱凝固性、乳化性、泡立性を利用した調理をしようというもの。
……と聞くと堅い話のようだけれど、要するに、
「今度の調理実習で焼きプリンとアイスクリームとスフレを作るのよ」
ということだ。
「そのために必要な準備を手伝ってほしいの」
必要な準備というのは、
・レシピのプリント作り
白沢先生が簡単に手書きしたレシピを、プリントとして配れるように清書して印刷する。
「できれば小さめのイラストとか描いてくれると、プリントも楽しくなると思うのよね」
・調理器具のチェック
実習で使用する調理器具が揃っているかどうか、使える状態になっているかどうかをチェック。
「適当な場所にしまわれていたり、壊れていたりするものがあるのよ。いざ使おうとしたときに使えないと、実習がすすめられなくて困ってしまうから、確認が必要なのよ」
・材料のチェック
実習で使用する材料が人数分あるかどうか、消費期限の過ぎているものはないかどうかをチェック。
「実習のあとはきちんと調べて保管しているのだけれど、それでも小麦粉に虫が入り込んでいたり、砂糖が固まっていたりすることがあるのよね。使える材料がきちんとあるかどうか、調べてくれる?」
この3つ。
実際の調理は授業でやるから、手伝いの生徒たちがお菓子を作ることはない。
「でも、レシピの研究に作った焼きプリンがあるから、準備が終わったらみんなでおしゃべりしながら食べましょ。卵の濃さをいろいろ変えて作った焼きプリンだから、固めのものからとろけてふるふるのものまでいろいろだけど、食感を食べ比べてみるのも面白いと思うわ」
がんばったあとにはやっぱり甘いものよねと、白沢先生は笑うのだった。
菊華伴マスター『せんせいといっしょ:久保田先生編』の、白沢先生バージョン。
白沢先生のお手伝いをしたり、焼きプリンを食べながらおしゃべりしたり、そんなシナリオです。
この場にいるのは基本的に、白沢先生にお手伝いを頼まれた生徒ですが、ふと調理室を覗いてみて加わる、というのも可能です。
お手伝いも難しく考えず、気軽にどうぞ。
おしゃべり中心でももちろん歓迎です。
真面目に、不真面目に、要領よく、おたおたと。PCらしく動いてみてくださいね。
この機会に、白沢せんせいといっしょに楽しく過ごしてみませんか。