そのお店『somnium(ソムニウム)』は、シーサイドタウン駅から少し離れた、ちょっと裏路地のような、けれどもどこか洒落た雰囲気を持つ通りの一角にある。
取り扱っているのは色んな雑貨や、アクセサリー。それから店主夫婦が毎日心を込めて焼いている、焼き菓子やケーキの類。
雑貨類は店主夫婦が気に入ったものだけを取り寄せたり、時には手作りをして売っているとかで、素朴だけれども優しい雰囲気のものが多い。それはともすれば、売り物ではなくそれ自体が店を彩る装飾にも感じられる。
クリスマスまで秒読みとなった今は、『somnium』のショーケースの中に並ぶお菓子もブッシュ・ド・ノエルのような、クリスマスを意識した品揃えが多かった。それだけではなく、
木原 高明(きはら・たかあき)さんと
木原 伊都子(いつこ)さんの店主夫妻に頼めばクリームを牛乳から豆乳に変えたりも出来るし、日によってはパティシエの高明さんの気まぐれケーキもあったりするのが、このお店の良いところ。
さて、そんな『somnium』の店内の一角は、今日は籐のついたてで一部が区切られていた。伊都子さんが先生になってお客様に小物作りを教える、月に一度の手作り小物教室が行われているのだ。
初夏の頃に提案を受け、秋から始めた手作り小物教室は、幸い毎月誰かしらが顔を出してくれる。ふらりと興味を持って参加してくれる人も、すでに何度か参加してくれている人も居て。
今日のテーマは、フェルトで作るクリスマスオーナメント。色とりどりのフェルトや刺繍糸、スパンコールやビーズがカラフルにテーブルを彩って、見た目もとっても華やかだ。
どんなものを作ろうと目を輝かせている参加者に、幾つかの型紙を配りながら伊都子さんが、にっこり笑ってこう言った。
「今日はクリスマスオーナメント、ツリーの飾りですね、それを作ります。もちろん、いつものように他の物も作って下さって構わないのよ」
伊都子さんの手作り小物教室は、毎回テーマは決まっているけれど、それ以外の小物を作ってもちっとも問題がない。とにかく小物を作るのが大好きで、小物作りをみんなが楽しんでくれるのが嬉しいのだ。
そんな奥さんの楽しそうな笑顔に目を細め、高明さんがテーブルの上に焼きたてのジンジャーブレッドクッキーを置いていく。『somnium』の店内に飾られたクリスマスツリーにも同じジンジャーブレッドクッキーが飾られていて、伊都子さんがこれから作るクリスマスオーナメントもそこに仲間入りをするらしい。
「楽しんで行って下さいね」と言い置いてお店の方へと戻って行った高明さんを見送って、伊都子さんはお客様ーー教室の生徒へと向き直った。そうしてまたにっこり笑う。
「じゃあ、まずは型紙を選びましょうか。何かわからない事があったら、なんでも聞いて頂戴ね」
お久しぶりです、または初めまして、水無月 みなぎと申します。
気付けば前のシナリオから1年以上が過ぎ去っていた今日この頃、皆様いかがお過ごしでしょうか。
水無月は立派に浦島状態ですが、幸いらっかみタイムはまだ1年経っていませんでした。
良かった……!
そんな訳で(?)いろんな意味でお久しぶりの『somnium』、伊都子さんの小物教室なシナリオでこっそりお邪魔致します。
クリスマスオーナメント、色んな形のものがあって、見ているだけでも華やかですよね。
伊都子さんに配られた型紙では『ミニクリスマスツリー』『靴下』『星』の3種類が作れます。
手順は以下の通り。
1、フェルトを型紙通りに切る。
2、縁を刺繍糸でステッチ縫いする。
3、模様を刺繍したり、ビーズやスパンコール、綿などを縫い付け&ボンドで貼り付ける。
こちらはあくまで簡単な作り方ですので、ご自由にアレンジして頂いて構いません。
もちろん、シナリオ本文でも伊都子さんが言っている通り、クリスマスオーナメント以外もご自由にご作成下さい。
クリスマスプレゼントに手作りアクセサリーなんかも素敵ですね。
材料は、フェルト、刺繍糸、ビーズ、スパンコール、綿、グリッターのりなどは、よほど珍しい色や種類でなければ用意されています。
それ以外の材料については、よほど珍しいものでない限り持ち込みして頂いて構いません。
過去の『somnium』シナリオも知りたい、という方はこちらをご覧ください。
もちろん、ご覧にならなくても問題なくお楽しみ頂けます。
『somnium』へようこそ!
『somnium』で紙ねんどスイーツを。
『somnium』のチャイナな一日。
『somnium』に灯すエッグキャンドル。
『somnium』の店主夫婦は、ご主人が定年を迎えた後に夫婦揃って寝子島に移り住み、趣味を一杯に詰め込んだお店を開いたという、木原 高明(きはら・たかあき)さんと伊都子(いつこ)さん。
揃って68歳を迎える今も、海外や国内各地に旅行に赴いては、あちらこちらで仕入れてきた雑貨なんかをお店に並べていたりします。
髪に混じった白いものも目立つお年頃ですが、どこか可愛らしいような、優しい雰囲気が親しみやすい、とご近所では評判だとか。
皆様との関係は、こちらも無理のない範囲で、常連客など、ご自由に設定して頂いて構いません。
ちなみに、準備編と銘打ってはいますが、本番編が出る予定は今の所は未定です(
水無月の頑張りと、リアル事情次第となりますので、もしご興味をお持ち頂けましたら期待せずに()お待ち下さいますと幸いです。
それではお気が向かれましたら、どなた様もお気軽に、どうぞよろしくお願い致します(深々と