ある日の放課後。
教室で帰り支度をしていた
旅鴉 月詠の耳にクラスメートの会話が聞こえて来た。
「ねぇねぇ、昨日のねこったーで変な情報が流れてたの、見た?」
「あ、もしかして、コスプレオフ会とかいうやつ?」
「そうそう、それ」
「コスプレって、ようするに仮装でしょ。なんで今頃」
「だよねぇ。ハロウィンなんてとっくに終わってるのに」
話しつつ、教室を出て行く二人を見送り、月詠はスマホを取り出す。
ねこったーを検索してみれば、なるほど。
ハルカ、と名乗る人物のこんな呟きが出て来た。
『来週の土曜日、オフ会を開きたいと思います。
参加条件は、コスプレすること。
年齢・性別は問いません。小学生でも中学生でも高校生や大学生、あるいは成人してても全然OK。男性でも女性でもニューハーフでも全然問題なし。
場所は、メイド喫茶『ねこのて』にて、午前11時から。
参加表明は、この呟きにリプしてくれるか、プロフィールに載せてるメアドまでよろしく。
当日の10時ぐらいまでは受け付けてます』
その文面を読み下し、月詠は「面白そうだ」と低く呟く。
しばし考え、やおら電話をかけ始める。
相手は、友人の
常闇 月だ。
「ねこったーで、面白そうな集まりの募集がかかっている。一緒に参加しないか?」
月が電話に出ると、言って月詠はねこったーで見たオフ会について語り始めたのだった。
+ + +
そのころ、猫鳴館の一室では。
寮生の一人、五代 春香が鼻歌混じりにパソコンを操作していた。
ねこったーでコスプレオフ会企画を呟いたのは、彼女だったのだ。
「……『ねこのて』は、できたら予約を入れて貸し切りにしたいわよね。その方が、他の客を気にすることなく話せるし」
などと呟きつつ、メールとねこったーのチェックに余念がない。
なぜ突然、コスプレなのかと言えば。
少し前、部屋の隅に山になっていた雑誌をかたずけていた彼女は、そこにたまたま載っていたゴスロリ衣装の女の子たちの写真を目にして、「こういうのも楽しそう」「写真じゃなくて、実際にこんな格好している女の子を見てみたい」と思い始めた。
で、あれこれ考えた結果、コスプレしてオフ会をやったら楽しそうだ、となったのである。
ハロウィンの時期、少しばかり友人関係がゴタゴタしていて、あまり楽しめなかったのも根底にはあった。
ともあれ。
「別に、ハロウィン以外で仮装したっていいじゃない。……ってことで、コスプレオフ会、企画してみよう!」
と、自分で自分に発破をかけて、ねこったーで呟いてみた、というわけだった。
ちなみに、ねこったー及びネットでは、彼女は主に『ハルカ』というハンドルネームを使っている。
「どんな人たちが集まるかはわからないけど、みんなで楽しく盛り上がれればいいわね」
今からその日が楽しみだと言いたげにひとりごちて、彼女はスマホを手にした。そして、『ねこのて』へと貸し切り予約の電話をし始めるのだった。
旅鴉 月詠さま、常闇 月さま、ガイド登場ありがとうございました。
こんにちわ、マスターの織人文です。
今回は、コスプレをしてメイド喫茶でオフ会をやろう、という趣旨のガイドです。
どなたでも参加いただけますが、コスプレでお願いします。
コスプレといっても、難しく考える必要はありません。
ゴスロリ風ファッションだったり、着物だったりと、普段着ない服装で参加していただければ、OKです。
アクションにはどんな格好なのかを必ずお書き下さい。
なお、既存のアニメやドラマ等の登場人物の姿や名前を出すのはご遠慮下さい。
(『ヒーロー』『魔法少女』などといったキーワード的なものは、問題ありません)
その他、基本的に行動は自由です。
楽しく語らって、盛り上がりましょう!
開催日時:来週の土曜日、11時より
場所:メイド喫茶『ねこのて』
当日は、貸し切りになります。
オフ会終了は、午後2時あたりを予定しています。
が、もし気の合う人がいれば、そのあと他のお店に繰り出して二次会というのも、いいかもしれませんね。
なお、開催場所の詳細やメニューなどは、コミュニティメイド喫茶『ねこのて』を参照下さい。
●NPC
【五代 春香】
17歳。寝子高2年生。
猫鳴館の住人で、廃墟と星が好き。
ねこったーでは、「ハルカ」と名乗っている。
それでは、みなさまのご参加、心よりお待ちしております。