「あらあら?」
ある休日の朝。桜花寮の食堂にて
座間 トシコは呆然と窓の外を見上げていた。
朝食を食べに来た
串田 美弥子は、その様子に声をかける。
「寮母さん、おはようございます。どうかしたんですか?」
「あら、おはよう。あのね、アレを見てくれる?」
「え?」
トシコが指差した先は窓の外。見える樹の枝に刺さっているキラキラ輝くもの。
ガラスの瓶。アルミの缶。小さな手鏡。鳥除けのCD。そしてネックレスに時計。
まるでクリスマスツリーのように、色鮮やかで輝くものが吊り下がっている。
美弥子は目を見開いて、寮母におそるおそる問いかけた。
「えっと、なんですか? あれ」
「分からないの。なんだかいつもと違う照り返しだったから見てみたら……」
「あ!」
20センチほどの茶色い鳥が枝に止まった。
周囲を小気味よい動作で見渡すとくちばしにくわえていた銀色のチェーンを引っ掛け、飛び去っていく。
「……あれはモズね」
「あんなことするんですか? モズって」
「モズのはやにえって言って、餌になる虫やカエルを引っ掛けたりはするんだけど、普通食べられないものはしないわねぇ」
気がつくと、休日の朝にしては外がやや騒がしい。
どうやら寮生や近場の住人も気がつき始めたようだ。
しかも光り物に反応して、カラスも集まりつつある。
ガラクタツリーの一角は、徐々に普段と違う様子になってきた。
美弥子は何となく焦りを覚えて声を上げる。
「と、とにかくなんとかしないと!」
「あのままにはしておけないけど、ちょっと高い所でしょう? 業者さんを呼ばないといけないかしら、と思って。日曜だけど来てくれるかしらねぇ」
「でも、急がないとどんどんカラスとか来てますよ?」
「ええ、どうしましょう」
思い悩み固まってしまった二人の前を、また茶色い影が横切っていった。
輝きをまき散らしながら。
はじめまして。阿都(あと)と申します。
先日登録したばかりの新米ゲームマスターです。
らっかみ! 世界を盛り上げるお役に立てるように、小さいシナリオからコツコツ頑張ろうと思っています。
よろしくお願いいたします!
初のシナリオガイドは、少々奇妙な事件をお送りします。
神魂の影響でしょう。モズがちょっとずれた行動をしているようです。
突然現れたガラクタ(一部レア物あり)ツリーのせいで徐々に騒がしくなりつつあります。
カラスも多く集まっていますが、どうやらクローネさんはまだ知らない模様。
おもしろおかしく介入される前に事件を片付けたほうが良さそうです。
桜花寮が舞台ですが、もちろん寮生以外の方々もご参加お待ちしております。
たまたま通りかかったですとか、寮生の誰かを訪ねてきて遭遇したですとか。
大歓迎です!
・モズを捕らえて根本解決を狙ってもよし。
(本来は野生の鳥を捕獲するのには許可が必要ですが、今回は事後承諾していただくことにしましょう)
・光り物に寄ってくるカラスと戦いつつ、回収して警察に届け出てもよし。
・お宝ゲット! フフフ、御主も悪よのぅ……でもOKですし。
・そこの悪党! 御用だ! 主上は全てお見通しよ! ってしちゃっても大丈夫です。
イエローシナリオですので、お気軽にご参加下さい。
楽しんでいただけるように精一杯頑張ります。
それでは、どうぞよろしくお願い申し上げます。