きんこんかーんとチャイムが鳴ったら、休み時間。
授業と授業の合間に、
野々 ののこがカバンからいそいそと取り出しぱらりと広げたのは、みんなご存じ、『週刊少年にゃんぷ』であります。
「あっははー! 今週の『コイラク』も、面白いな~♪」
けらけらと声を上げて楽しそうなののこちゃんに興味を惹かれたのでしょうか、やってきたのは、クラスメートの
天之川 麗仁です。彼はふんわり、柔和な笑みを浮かべまして、
「ののこさん、楽しそうだね。何を読んでるんだい?」
「あ、麗仁くん! 今週のにゃんぷだよ~、このマンガが面白くってねー」
ぱらり、ののこが広げてくれたページを、麗仁は覗き込みます。
マンガ好きなののこが、このところ毎週楽しみに読んでいるというこの作品、タイトルを『恋するらっかみさまっ!』と言いまして(通称コイラク)。寝子島における落神伝説をモチーフとした、いわゆるひとつの
ラブコメマンガで……なんとも、諸々の事情をご存じのもれいびさんなどが見たなら、思わず眉をひそめてしまいそうなチョイスではありました。
ともかくも、目の前にそんならっかみさまっ! がマジにいらっしゃるとはツユ知らず、ひとである麗仁は純粋な興味でもってそれを眺めまして、
「へぇ、随分お気に入りなんだね」
「そうなんだよ~、ほらこのシーンなんてもー最高だよ? ヒロインのらっ子さんに、主人公のかみすけくんがついに告白するんだけどね、『おれに、もうちょっとマシな味噌汁を作ってくれっ!』とか言ってね、らっ子さんにブン殴られてフッ飛んじゃってね!」
「……告白のセリフなの、それ?」
かみすけくんとやらがむぎゅるっと地面に沈んでグロッキーなコマと、ついついブン殴ってしまいつつもまんざらでも無さそうならっ子さんの照れ顔シーンを見せられて、麗仁は苦笑い。
と、そこでののこがふいに、
「ねぇ、それじゃあさー。麗仁くんだったら、こんなシーンで、どんなセリフを言う?」
「……えっ?」
「私、恋愛とか良く分からないんだよねー。あっそうだ、
試しにやってみよっか? 実際にやってみたら、ちょっとは分かるんじゃないかなぁ♪」
「ええっ?」
マンガの影響でしょうか、少々テンションが上がっております彼女。麗仁の戸惑いをよそに、何やら即興で演技を始めます。
「
『もうっ、こんなところに呼び出して、何の用っ!?』……あ、らっ子さんはツンデレだから、別に怒ってるわけじゃないんだよ。で、麗仁くんがここでバッチリ、告白のセリフをっ」
「えっと……本当にやるのかい?」
「もちろん♪ あ、恥ずかしいなら、みんなも誘っちゃおっか? おーい!」
なんて声をかけたもので。なんだなんだ? とやってきたクラスのみんなも、話を聞けば面白がって乗っかって、
主人公の悪友役
『おっ、ついに告白するんだな! 頑張れよー』
ヒロインの親友役
『らっ子ったら嬉しいくせに、素直じゃないんだから』
生真面目クラス委員長役
『あなたたち、何を騒いでるんですの? もう授業が始まりましてよ!』
面倒見の良い先生役
『まぁまぁ、ここは見守ってやろうじゃないか。なあみんな』
てな感じで、わいわい! あっという間に、ちょっとした
即興劇のような状況に。
ののこの期待に満ちた瞳に見つめられて、困ってしまったのは麗仁です。
「えーっと……」
けれど彼、はっ! として思い出します。
そう、彼は
演劇部の所属……演じることの楽しさも少しずつ分かってきた今日この頃。あるいはこれも、このところ打ち込んでいる練習の成果を試す、絶好のチャンスなのかもしれません。
「……よしっ」
ぐぐっと唇と引き締めまして、麗仁は意を決して、叫びました。
「『 』っ!」
さて、この唐突な
ラブコメディ。
あなたなら、どんなセリフを口にするでしょうか?
墨谷幽です、よろしくお願いいたします~。
ガイドには、天之川 麗仁さんにご登場いただきました。ありがとうございました!
(もしこちらへご参加いただける場合は、上記のシーンによらず、ご自由にアクションをかけていただいて構いませんのでっ)
このシナリオの概要
今回は、野々 ののこちゃんがその場のノリで唐突に始めた即興ラブコメに巻き込まれたり、一緒に演じて楽しんだりしよう! といったシナリオになりますー。
休み時間にラブコメマンガを読んでいたののこちゃん、面白くて少々影響を受けてしまったようでして、マンガのセリフを真似たりそれっぽい演技をしてみたり。やがて周囲の人も次々巻き込んで、場は即興劇の様相を呈し始めます。
皆さんはこれに、楽しそう! とノリノリで役柄を決め、自分から飛び込んで行っても構いませんし、引っ込み思案な方には、ののこちゃんがカッテに役を割り振り、ぐいぐいと巻き込んでくれるでしょう。
ののこちゃんと一緒に楽しむノリノリなウチの子が見たい! という方も、恥ずかしがりやなウチの子が巻き込まれて赤面しつつも頑張るところが見たい! といった方も、もちろんそれ以外の方も!
お好きなスタイルで、突発的即興ラブコメを楽しんでみてください。
アクションでできること
アクションでは、参加したい場所、役柄、どんな演技をするか、あれば言ってみたいセリフなどもお書きいただければ。
皆さんのアクションにて寄せていただいた内容を盛り込み、ののこちゃんが即興ラブコメに仕立て上げてくれます。
●1.参加したい場所
以下の3つの中から、参加したい場所を1つお選びください。
その場に集まった面々は、ののこちゃんによってぐいぐいと、ひとつの即興劇として参加させられることになります。
※なお、【1】については寝子島高校の生徒さん限定となります。ご了承くださいませー。
【1】寝子島高校の教室・休み時間 ※寝子校生さんのみ
定番、学校の教室内でのシチュエーション。
【2】放課後のstarboxs(スターボックス)
コーヒーショップの店内。学生同士でダベっている中でのヒトコマなシチュエーション。
【3】夕暮れ時のキャットロード
アーケード街を歩く人々を巻き込みながら。
●2.演じたい役柄
ラブコメに出てきそうな、ひとつの作品における立ち位置を決めてください。
例えば、『恋するヒロイン』『助言してくれる親友』『嫌味な恋敵』『片思いの相手』などなど……といった感じで。
内容は自由です。ラブコメとひと口に言っても色々ありますので、もっと奇をてらったものでもOK。何かの作品をモチーフにしていても良いですし、オリジナルでももちろんOKです。
強いて言えば、『学園ラブコメ』なので、演じていただくのは学校に関連するキャラクターになります。
演技なので、あえて自分とは全く違ったキャラクターを演じてみるのもアリ!
積極的な性格のPCさんなら自分で決めたことにしても良いですし、引っ込み思案なPCさんなら、ののこちゃんが強引に割り振ったことにしても構いません。
役柄の内容はお任せでも可、その場合はこちらで割り振らせていただきます。
複数人で役柄が被ったり、設定に矛盾が出てしまう場合などは、こちらで適宜調整させていただく可能性があります。あらかじめご了承くださいませー(『一途な』役に『恋人』役がふたり以上いるとか)
●3.どんな演技をするか、言ってみたいセリフなど
上記の役柄を、どのように演じるかをお書きください。
やってみたいこと(壁ドン!とか、恥じらうそぶりとか、キューピット役とか)や、こんなの一度言ってみたかった! なんてセリフ等があれば、この機にやってしまうのも良いかもしれません。
『恋愛もの』ではなく『ラブコメ』なので、あんまりドロドロした感じにはなりません。三角カンケーなシチュエーションがあったとしても、カラッと笑いに変換されます。あしからず。
アクションには、上記と合わせて、
・心情
(ウキウキしている、恥ずかしがる、めんどくさいナァ……と思いつつ、など)
といったあたりもお書きいただけましたら~。
その他
●参加条件
上記の【1】は寝子島高校の生徒さん限定、【2】【3】についてはどなたでもご参加いただけます。
●舞台
今回は、上記の3箇所の場所が舞台となります。
●NPC
○野々 ののこ
フツウを満喫する寝子島高校生徒。
コイとかアイとかは良く分かんないけど、楽しいことは大好きなのです。
以上になります~。くすりと笑える楽しい正統派ラブコメとなるか、演劇フェスのようなカオスな即興劇となるか、展開はアクション次第!
それでは、皆様のご参加をお待ちしておりますー!