冬に足を入れつつあるそんな日の放課後、
アリシア・エーゼルベルクは
林檎古書店に向かっていた。
(一体、なにかしらね?)
心の中でそう思いつつ、足取りは軽い。
林檎古書店は、古本屋であり旧市街の趣が深く残る木造建築の中にある昔懐かしい書店だ。
文芸書だけではなく、幅広いジャンルを取り扱っており、所狭しと並べられた本や、古書独特の紙の匂いが懐旧と安心を呼び起こす……そんな古書店だ。
「ごきげんよう」
店内に入ると、一人の女性が出迎える。
津軽 寂、上品でお淑やかな印象を与える彼女は、一見するとそういう「静」の印象だが、内面は「動」の人でもある。
「どうぞ、こちらに」
そう言って、少しだけ本を開けた店の奥にある僅かな机と椅子の場所にアリシアを導き、飲み物を差し出す。
「ありがとうございます!」
「いいのですよ。どうぞ、座ってくださいな」
お礼を言うアリシアに対して、寂はゆったりとしたほほえみを浮かべた。
「ところで、今日は何かあるんですか?」
「実はね、本が似合うアリシアさんに頼みたいことがあるんですの」
そう言って、寂は一枚のプリントを差し出す。
(これは……?)
なんだろう、と思いつつそれを見る。
「アリシアさんは、確か寝子高に通っておいででしたね?」
そう言って、にっこりと無邪気に微笑む寂。
「ぜひ、先生に校内の掲示板に貼るようにお願いして欲しいですの。あと、お友達もご都合が合えば是非」
そう言いつつ、言葉を付け足す。
「よければ、アリシアさんもいかがですこと? 普段と違う催しですから、お時間が合えば是非お願いしますの」
優しい性分であり、本好きでもあったアリシアはつい、引き受けてしまうのであった。
寝子高や、中学・小学校の掲示板の片隅……。
あるいは、書店やイベント案内に以下のような広告が載せられた。
==========================================
参加者募集!!
あなたのお気に入りの一冊を持ち寄って、語りましょう!
今回のテーマは……。
『あなたのお気に入りの一冊』
なぜその本が好きなのか?
どのようにして、その本出会いがあったのか?
そして、本好きが集まって……
読書好きの輪を広げませんか?
日時:11月○日(休日) 13時~17時
参加人数:10~15人
場所:
林檎古書店
責任者:
津軽 寂
参加申し込み先番号:×××-○×76-2613
(紅茶・珈琲・緑茶をサービスでお出しします)
※洋書を持ち込んでいただいてもかまいませんが、日本語で説明をお願いします!
※持ち込むものは、小説を中心とした活字媒体でお願いしますが、漫画も可能です。
※発表の形式はお一人ずつ(あるいはグループ参加ならグループ)での発表となります。
その後、発表ついての感想を述べる形式となります。
==========================================
こうして、読書会が林檎古書店で開かれることに決定した。
「……それにしても、スペースを空けませんといけませんわね」
「普段やらないことをやろうとするからだよ」
なお、常連である
天神平 庵の手伝いもあり、なんとか6人ほど座れるスペースを店内に確保したとか、なんとか。
あとは周りに立ったり階段に腰掛けたり、自由に出入りできるように通路を開けたり……。
「整理整頓は大事ですわね」
「小さなテーブルを一つとスツールを6個ほど調達して……人数分のコップとかも集めないといけないよね」
「本好きの本好きによる、本好きのイベントためにがんばりますの!」
こうして、林檎古書店は普段と違う『日常』を迎え、大慌てで準備をしていくのであった。
「思ったより大変ですのね」
「……手伝ったからには、良い資料頼むよ」
普段薬を取り扱っている庵は、ちゃっかり難しめの資料の融通をお願いをしてみる。
「おかませくださいませ」
そう言って、笑う寂。
そんな寂にはかなわないなぁ。と思いつつ庵は準備を手伝うのであった。
きょうもねこじまはへいわです
どうも、じんのです。
今回は、読書会……。
好きな本を持ちよって語り合い、わいわいする、そんな会を目指します。
○紹介する本
基本的に、活字媒体ならなんでもオッケー。
ただし、R-18本や官能小説はらっ倫理的に超薄味(確実)かつ
キャラクターは白い目で見られるでしょう(多分)
※既存作品を紹介する場合はもじってください
例:宮沢賢治『銀河鉄道の夜』→猫沢ケンジ-『スペースエクスプレスナイト』
一応元ネタは書いておいてくださいね(リアクション内の描写はしません)
また、登場人物の名前改ざんや若干のストーリー変更をすることもありますが
その点はあらかじめご了承ください。
○参加できる人
誰でも参加できます。休日なので、休日動けない人はごめんなさい。
○どういう本を紹介したら良いの?
割と何でもありです。
なんらかの図鑑でも良いですし、純文学でもTRPGのルールブックとかでもかまいません
そのキャラクターのお気に入りの一冊をそれぞれ持ち寄って紹介します。
寝子島書房でもかまいません。(寝子島書房研究会)
詳しくは、サンプルアクションをご覧ください。
既存作品を紹介する場合のサンプルと、
PL様の想像作品を紹介する場合のサンプルを提示します。