『日本ぞくぞくツアー』
それは、全国ネットで放映しているとあるTV番組の名である。
シンガーソングライターの青年天川 春太郎(あまかわ しゅんたろう)と、シベリアンハスキーのユキ
(メス:1歳)が日本全国の不思議な伝説の残る地を訪れ、地元住民と交流をしながら肝試しに挑むという
30分だ。
今回、ついに『ぞくぞくツアー』の取材が寝子島の落神神社にやってくることになったのだ。
「ここが寝子島かぁ……」
春太郎がワゴン車から降りたったのは、寝子島シーサイドタウン駅の前である。番組スタッフが事前に調べてくれた『落神神社』には少し距離があるが、ユキを連れて地元住民の方々に挨拶するのも大切な仕事である。
「皆さまこんにちは! 今日の僕とユキは寝子島というところに来ています。おいしい海の幸が食べられる島だそうですが、目的地は漁港ではなくて、あちらの山中にある『落神神社』になります。落ちる神の神社と書いて『落神神社』ですね。神社といえば、神様にお願いするところだと僕は思っていたのですが、寝子島では、落ちてきた神様の願いを叶えてあげた、という伝説が残っているんだそうです。ではさっそく、地元の方にお話を
うかがってみましょう! ……あ、すみません! 僕たちは『日本ぞくぞくツアー』という番組なんですが、少しお話よろしいでしょうか?」
春太郎はユキとともに、通りかかったスーツの男性に声をかけた。
こんにちは。
らっかみ! タイムは11月ですが、我々の世界は暑いですね。……というわけで、肝試しのシナリオをお送り
します。今回は食事シーンなし(笑)のなんちゃってホラーになる予定です。
◆シナリオの概要
TV番組に地元住民として出演し、『落神神社』での肝試しにご参加ください。九夜山の麓から細長い山道を歩き、神社でお参りをして、戻ってきて頂きます。
『日本ぞくぞくツアー』では毎回「地元の方々との心温まるふれあい」に重きを置いて制作されており、比重は
ふれあい7、伝説3くらいが想定されています。
番組告知のチラシにはギャグっぽく『神様に会えたらイイナ!』『フシギ体験をされた方はスタッフまでお知らせ
下さい』……と書かれてあります。
つまり、番組スタッフは「肝試しでキャーキャー騒ぐ人の映像がもらえたらいいなぁ」と思っているようです。
※ 基本的には2人ひと組での参加となりますが、3人や1人でも結構です。出発の順番や、誰と組み合わせに
なるか(はたまた一人になるか)はマスターが決めさせて頂きます。
◆肝試しの詳細
日時:11月のとある土曜日
場所:九夜山のふもとの『ぞくぞくツアー本部』および落神神社
時刻:夜 19:00(夕食をすませてお越し下さい)
服装:山歩きに適した服装で、寒さ対策を十分になさってください。
◆具体的なやり方
1.九夜山ふもとの『ぞくぞくツアー本部テント』から「赤い懐中電灯」と小型カメラ、お賽銭を持って出発して
いただきます。
⇒カメラの映像は本部でモニターします。
⇒春太郎とユキのコンビは一番最後に出発します。
※ もしかしたら、オバケとか心霊現象っぽいものにめぐりあえるかもしれません。
※ カメラに不思議なモノが映ると(スタッフと他の参加者が)盛り上がります。
2.ふもとから順に、3つのチェックポイントをまわってください。
⇒チェックポイントには人数分の缶バッジ(ユキのイラストと番号が描かれています)を用意してあります。
おのおの方、目立つところにバッジをつけてください。1、2、3、のバッジを全てつけていれば、チェック
ポイントを通過したと判定します。
3.落神神社でお参りをしてください。
⇒賽銭箱のわきに、「青い懐中電灯」を置いてありますので、持ってきた「赤い懐中電灯」と交換してください。
それから、お賽銭を奉納してお参りをどうぞ。
4.来た道をたどって本部までお戻りください。
⇒足元に気をつけて、本部までお戻りください。スタッフが缶バッジをチェックしますので、青い懐中電灯を次の
方に渡せばおしまいです。(参加者で赤と青の懐中電灯を交互に使って頂きます)
⇒缶バッジは差し上げます。
◆NPC紹介
・天川 春太郎(あまかわ しゅんたろう)25歳/男性
3年の路上ライブの後、レコード会社にスカウトされてデビュー。
ツアーの案内人をつとめているが、ホラー関係は少し苦手。『ぞくぞくツアー』は路上ライブの癖が
抜けず、大勢のお客さんの前では緊張してしまう彼のために「メンタルを鍛えよう」とマネージャーがとってきた
仕事である。
・ユキ(シベリアンハスキー)メス/1歳
レコード会社の社員宅で生まれた5匹のうち、春太郎にもらわれた1匹。体の黒い部分より白い部分の方が多いので
『ユキ』と名付けられた。
人懐っこくて春太郎のことが大好きで、番組スタッフにも可愛がられている。
見知らぬ人にも『あそんで、あそんで!』と突撃するため、春太郎は少し困っている。
では皆さま、季節はずれの肝試しをご存分にお楽しみください!