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今宵の月も
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──お月見とプール
夏休みの朝に比べて、太陽の熱も眩しさも随分和らいだように思う。
太陽が昇る前から力いっぱい夏を謳歌していた蝉の声も随分と少なくなった。それでも、
「あっつ……」
桜花寮を出た途端、夏の名残の太陽はまだまだ元気いっぱい。ジリリと眩しく照り付けられて、
志波 拓郎
は小さく呻いた。手庇で九月半ばの朝を仰ぎ歩き出したところで、
「拓郎ー! おはよー!」
女子寮から出てきた
高梨 彩葉
が大きく手を振りながら駆け寄ってきてくれた。朝いちばんに大好きな女の子と鉢合えた嬉しさに、肩に圧し掛かる暑気が吹き飛ぶ。
「おはよう、……彩葉さん」
「こんなの見つけたんだよ!」
拓郎の前に立つなり、彩葉は通学鞄の中から一枚のチラシを取り出した。割引クーポンつきのチラシに刷られているのは、古びた洋館とその屋上の温室プール。
「ナイト、プール……」
チラシの端にはプールサイドに設けられた椰子の葉の屋根の屋台の写真。ズラリと書き込まれた取り扱い商品を目で追い、拓郎は栗色の瞳を瞠る。
「しかも、アイスまで……」
「ナイトプールでデートだよ!」
屈託なく誘われ、拓郎はますます瞳を丸めた。
ふわりと脳裏を過るのは、漆黒の夜空と月を仰ぎながら温かなプールに浮かぶ彩葉の姿。手にしているのはもちろん、彩葉の大好きなフレーバーのアイスクリーム。
それはきっと、見ているだけで特別な気分になれる。
隣に自分がいれば、もっともっと特別で楽しい気分になれる。
「お月見に行くからって言って了承ももらったし」
彩葉の瞳を遮る長い前髪をふわり揺らして、秋の朝の涼しさを纏った風が吹き抜けてゆく。髪の下から覗いた空色の瞳に、拓郎は大きく頷いた。
「うん、いく、もちろん」
恋人の即答に、彩葉は顔中で笑う。
「レッツゴー!」
「……おー!」
螺旋階段を上った先には両開きの木造扉。
「では、いざ!」
「……いざ」
飴色に磨き抜かれた扉を彩る金色のふたつの取っ手にそれぞれ手を掛け、水着姿の彩葉と拓郎は顔を見合わせる。
(っ……)
花を模したランブの灯りに照らし出される彩葉から、拓郎はそっと視線を逸らす。黒のトライアングルビキニ姿は、肩に薄手のパーカーを羽織っていたところでどうしようもなくセクシーだった。
「似合ってるかな?」
逸らした視線の中、彩葉が悪戯っぽく覗き込んでくる。
「……うん、……とても」
紺碧の瞳を楽しそうにくすくすと細める彩葉に、拓郎は堪らず胸を抑えた。どきどきとどうしようもなく弾む心臓を押さえ、扉を開く。
視界いっぱいを埋めるのは、月明りに照らし出されて深い緑色に艶めく熱帯の植物たちと、森の中の密やかな泉じみて水色に輝くプール。
「こんなところ、あったのか……!」
「ひゃー! なんだかロマンチックな場所だねー!」
プールサイドに等間隔に並べられたさまざまのかたちしたアンティークランプの光に照らし出された温室ナイトプールを肩を並べて眺め、拓郎と彩葉は歓声を上げる。
「行こう、拓郎!」
スキップじみた小走りで数歩進んでから、彩葉が振り返って手を差し伸べる。月とランプの光に縁取られた水着姿の恋人がとんでもなく可愛くて綺麗で、
(いいぞナイトプール、いいぞライトアップ……!)
拓郎は心の中でガッツポーズをきめた。
手を繋いで観葉植物の道を歩く。純白の月下美人や南国の鳥の姿した極楽鳥花の下には、我が物顔して香箱を組む黒猫やじゃれあう仔猫たち。
「猫もいるんだ」
「猫たちもいるのか」
ふたり同時に口にして、ふたりはくすぐったい視線を交わし合う。
「何となく、猫って水が嫌いなイメージがあった、けど……」
呟く拓郎の足元を猫たちが駆けて行く。プールサイドに飛び出し、にゃあにゃあと笑い合いながらプールの水面にぱしゃぱしゃと猫パンチして遊び始める。
「可愛いな~、水に耐性があるのかな」
「……ホッコリ、するよな……」
水と戯れ仲間と戯れる猫たちの姿に微笑みあい、恋人たちは猫たちに誘われるようにプールサイドに腰をおろす。
「温室だから蒸し暑いよね」
「うん、暑い……」
並んでプールに足をつけ、ちらりと同時に隣を見遣る。
(彩葉さんも一緒に、泳がないかな?)
(拓郎と一緒に泳ごうかな)
ほとんど同じことをほとんど同時に考えて、互いの考えを読み取ったようにふたり同時にプールに滑り込む。
泳ぎ始める拓郎の周りにひとがいないことを確かめ、彩葉は拓郎に向けてばしゃんと水を跳ね上げた。笑いながら泳ぎを止めた拓郎にお返しとばかり水を掛け返され、彩葉は思わず声をあげて笑う。
水の掛け合いっこに円型プールの端から端まで泳ぐ競争にとひとしきり遊んだあとは、ふたり一緒にプールサイドに戻る。ご自由にお使いください、とワゴンに置かれたタオルで冷えた身体を包んで何気なく佇めば、足元ににゃうにゃうと人懐っこい猫たちが寄って来た。
撫でろ抱っこしろと脛に冷たい鼻先を押し当てられ上目遣いに甘えた声で鳴かれ、拓郎と彩葉は硝子屋根まで高く伸びた椰子の木の下にしゃがみこむ。
拓郎が少し冷えた手で撫でると、猫たちは嬉しそうに笑った。
「猫ちゃん、もふもふ~」
近寄ってきた猫を抱き上げ、彩葉は猫毛のふわふわもふもふをちょっと楽しませてもらう。つやつやでふわふわの毛並みが素肌に当たってくすぐったいけれど、
「やっぱりかわいいよね~」
「う、……うん、かわいい、よな……」
猫よりも猫が頬を寄せる彩葉の白い胸元に目を奪われつつ、拓郎はこくこくと何度も頷いた。
「そういえば、ここアイスも食べられるみたいだね」
「……いい、な」
夜のプールを眺め、拓郎は瞳を細める。あったかいプールに浮かんで揺れるまん丸の月を見ながら食べるアイス。プールサイドに腰掛けてみてもいいかもしれない、観葉植物の影に置かれたビーチチェアに寝そべってみてもいいかもしれない。
(贅沢きわまりない!)
目を輝かせる拓郎を連れ、彩葉はプールの端の椰子の葉屋根の屋台の前に立つ。いらっしゃいませと静かに笑う黒いスラックスに白いシャツとエプロン姿のウェイターが示すのは、色とりどりのアイスクリームにずらりと並んだ瓶詰自家製フルーツシロップ。
「アイスティー……シロップとミルク入りのと、フルーツ系のアイスがあれば、お願いします……!」
「私はチョコミントとイチゴのアイスを。あと拓郎と同じアイスティーで!」
かしこまりました、とウェイターが用意したのは、苺シロップと果肉入りのアイスミルクティーが二杯に、シャインマスカットのアイス。チョコミントとイチゴ、二段重ねのアイスクリームを手にご機嫌な彩葉は知らず鼻歌を零す。
「お月様もきれいだし、月見をしながらアイスなんておしゃれだよね」
こっちこっち、と拓郎を手招きするのは、青々と繁る羊歯植物の鉢の間に二台並べて設置されたビーチチェア。腰を深く下ろせば、頭上の月が良く見えた。
月光浴をしながら、どこからか聞こえる猫たちの声を聞きながら、揺れる水音を聞きながら、ふたりは冷たくて甘いアイスクリームをぱくり。
「ん、美味しー」
月に白く輝く足を上機嫌にぱたぱた揺らす彩葉を、彩葉の口にスプーンで運ばれていくアイスクリームを、拓郎はちらりと見る。最初は盗み見のはずが、次第にジッと見つめる視線になってしまっていたことに気づいたのは、
「食べる?」
ほんの少し悪戯っぽい笑顔で彩葉がアイスをすくったスプーンを差し向けてくれてからだった。
「うん」
アーンしてくれるのかな、という大きな期待に身を任せ、拓郎は彩葉の側へと身を乗り出す。
(よしこい!)
ぐっと構えたところで、こちらに向かっていたはずのスプーンの先が急に向きを変えた。
(……自分で食べたー!?)
ぱくり、自分で自分のアイスを口に含んでくすくすと笑う彩葉に、拓郎はちょっと肩を落とす。
(フェイントか)
一瞬気が緩んだ隙をつくように、ひょい、と彩葉が身を乗り出す。頬に手を添えられ、唇を重ねられる。
「っ……!?」
口移しで分けて貰った苺アイスの甘さに、目前の彩葉の青く澄んだ瞳に、拓郎は言葉を失った。
「美味しかった?」
冷たい唇を離しつつ問われても、
「……うん、おいしい、です……」
まだ残る彩葉の柔らかな唇の感覚に溺れ、ひねり出せた言葉はたったそれだけ。
彼女と付き合い始めてしばらくが経つ。
(こういうのは慣れてきたと思った、うん、思っていたんだ……)
瞬間湯沸かし機じみて赤くなる頬のまま、拓郎はふらりと立ち上がる。楽し気に瞳を細めて見つめて来る恋人の眼差しを感じれば感じるほど、頬だけでなく耳やうなじや胸まで熱くなり始める。
まっすぐに向かうはまん丸の月がゆらゆら浮かぶプール。
(自分の予想の斜め上を行く、俺の彼女はかわいくて天然小悪魔で、)
ともかくも熱を帯びた身体と心をクールダウンさせねばならない。でなければ、でなければきっと、──
それ以上考えるのは止めて、拓郎はプールサイドに立つ。水泳部の兄じみた綺麗なフォームで躊躇なく水に飛び込む。
(最高の彼女です)
「って拓郎!? プールに飛び込んじゃだめだよー!」
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担当ゲームマスター
阿瀬春
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
バトル
定員
50人
参加キャラクター数
50人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2019年07月13日
参加申し込みの期限
2019年07月20日 11時00分
アクション投稿の期限
2019年07月20日 11時00分
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