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今夜、寝子ヶ浜海岸で。~猫の目シーグラス~
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声のしたほうを振り仰ぐと、町の明かりを背に堤防に両手をついた少年がこちらを見下ろしていた。
逆光で見えづらいが、声の調子からして自分たちと同じくらいだろうと見当をつける。
「もしかして花火か何かです? 海辺清掃、じゃーないっすよね? こんな時刻だし。
あ、俺、あやしいモンじゃなくて、
紗雪 幽
っていーます。寝子高1年5組。って言っても春に超してきたばかりなんで、ぜんっぜん新参者なんすけどねー」
自分の言った言葉に自分で受けてけらけら笑う幽に、あおいは彰尋と互いを見合った。
「ちょっと身構えちゃったけど……悪い人じゃないみたい」
うなずいて、彰尋は幽に向かって声を張る。
「猫の目シーグラスを探してるんだ」
「へえーっ、シーグラス!」
驚いた直後
「って何?」
あっけらかんと訊く。
無邪気なのか脳天気なのか何も考えてないのか。よく分からないが、彰尋は簡潔に説明をした。
「――で、俺たちはそのシーグラスを探しに来ているんだ」
「うん、了解。
じゃあ俺も一緒に探しますよー」
「え?」
「宝探しって、わくわくするじゃないっすか!」
言うが早いか、さっと堤防を飛び越えて下に下りた。危ないと言う間もなく幽は砂の上に着地していて、「ん?」と聞き返すように見てきた。
「いや、何でもない」
(まったく。こいつには驚かされるな)
「言い忘れたが、俺は
鴻上 彰尋
」
「私は
七夜 あおい
。ふたりともあなたと同じ寝子高生よ、よろしくね」
「よろしくっす!」
シーグラス探しに、
紗雪 幽
が加わった。
この
紗雪 幽
、分かっていたことだが、かなりお調子者だった。人見知りもないと言えば聞こえはいいが、こらえ性もないらしく、シーグラス探しに早々に飽きたか、
「そういえば、夜の海といえばなんですけど、こんな話知ってます?」
と、いきなり怪談話を始めた。
ある海辺の村に漁師の若夫婦がいた。そこの村は梛の木を信仰していて、毎日漁に出る前に大漁を願っていたが、ある日何の前触れもなく突然海が荒れ、漁師たちは必死に舟を操ったが甲斐なくたくさんの舟が飲まれた。どうにか岸へたどり着けたのはほんの数名。帰ってこなかった大勢の者のなかには、その若い漁師もいた。
みんな「しようがない」と言った。「海は、海の神様のものだから。海の神様が彼らを望んだのだ」と。そうやって、必死につらい思いを飲み込もうとしたのかもしれない。村のだれもが悲しみに折り合いをつけようとした。しかし若い妻は違った。
「いいえ。あの人は陸にいるわたしのもの、梛の木の神様のもの。海の神様のものではありません」だから返してください、と海に向かって叫び続けた。
そうして49日目の、海から強い風が吹く夜。ガタガタ鳴る風の音にまぎれて家の戸がたたかれて、妻はついに夫が帰ってきたと思った。はたして急ぎがらりと戸を開くと、そこに立っていたのはびしょ濡れの夫だった。
「海の神様が帰ってもいいと言った」夫は言った。「これに捕まれば迷うことなく戻れるだろう」と、木の枝をくれた。それはあとで分かったことだが、風で折れて海へ落ちた梛の木の枝だった。
妻は願いが叶ったと泣いて喜び、夫を家に迎い入れて、濡れた体をあたためさせようと囲炉裏の前に座らせた。ところが――。
「それで……どうなったの……?」
すっかり話に聞き入っていたあおいが、胸の前で手を握りしめて訊いた。
「いやーそれが、翌朝になると夫の姿はどこにもなくて。村のみんなは夢を見たんだろう、って言ったんすよね。けど、夫が座ってた場所には水たまりがあって、それは雨もりなんかじゃなく、なんと海水だったんですよ! ……っと、あれ? ちょっとガチで話し過ぎました?」
黙り込んでしまったあおいを見て、しまったと思ったか。幽はあわて気味に弁解を始めた。
「いやぁ、ただ黙々と探すのもなんだなーって思って、即興で作ってみた話なんすよ。作り話です。そりゃあ下地にした民話はありますけど。
うーん……このシチュエーションで話すにはまずかったっすかね? ごめんなさい」
しゅん、となった幽に、「ううん」とあおいは首を振った。
「それって、魂を海の神様が願いを聞き入れて、返してくれたのね。彼は魂だけになっても奥さんの元へ帰りたかったんだわ。それを梛の木の神様が叶えてくれた……とってもすてきな話ね」
「そ、そっすか?」
そこまで深く考えていたわけではなく、ただ怖がらせようとして話しただけだったのだが。あおいがいいように解釈してくれたのを幸いに、幽ははははと笑ってごまかした。
だけど怖がらせようとしたのは事実だから、なんとなくばつが悪い。
(今さらだけど、もう少し楽しい話にすれば良かったなー。せっかく仲間に入れてくれたのに。
お詫びに本気で探しますね)
ちょっとだけ反省し、以後まじめに幽はシーグラス探しにいそしんだ。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年08月26日
参加申し込みの期限
2017年09月02日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年09月02日 11時00分
参加キャラクター一覧
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