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桃色怪異
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仙藤 蒼
は枕を抱えて眠っていた。その姿で寝返りを打つ。瞼は辛うじて閉じられていた。
「……もう、無理……」
再度の寝返りで仰向けとなった。不機嫌な顔で横を向く。目覚まし時計は午前八時十三分を伝えてきた。
長々と溜息を吐きながら上体を起こす。
――今日は日曜日なのに、なんでこんな時間に目が覚めるのかなー。
五時だよ、寝たのって。まだ三時間しか経ってないのに……。
テレビの前のゲーム機に恨みがましい目を向ける。
「……対戦相手は強いし」
生欠伸を噛み殺してふらりと立ち上がる。強い横風を受けたような髪で二階の自室を出た。皺だらけのTシャツの裾を片手で引っ張る。ショートパンツから伸びた足にはシーツの皺が反映されていた。
仙藤 紫
は八時前には起きていた。セミロングの黒髪を軽くブラッシングして、ゆったりとしたワンピースに着替える。窓から射し込む柔らかい朝陽に目を細めた。
部屋を出ると台所でコーヒーを淹れた。カップを持ったまま、縁側に落ち着いた。前面の窓は開けて心地良い春風を身体に受ける。
――気持ちの良い朝ね。
自然に目は部屋の時計へと向かう。午前八時を回ったところであった。紫は残念そうな表情を浮かべる。
――蒼は昼まで起きて来ないわ、たぶん。オンラインゲームって、そんなに夢中になれるものなのかしら?
徐に頬に手を当てた。ほんのりと温かい。紫はカップの縁に唇を宛がう。一口、コーヒーを飲んだ。
床が軋む音を聞いた。後ろを振り返ると片目を擦りながら蒼がふらふらと歩いてきた。紫の横に力なく腰を下ろす。
蒼の白い首に目が留まった。ゆっくりと下がって緩い襟首の奥に誘われる。瞬間、本人の大きな欠伸で阻まれて我に返った。
速い瞬きを繰り返して紫は声を掛けた。
「眠そうね。コーヒーでも飲む?」
「砂糖は抜きで」
「私と同じブラックでいいわね」
蒼はかくんと頭を下げた。項から目を遠ざけるようにして紫は立ち上がった。
台所でコーヒーを淹れる用意を始める。どこか息苦しそうな表情で軽く頭を左右に振った。
――よくわからない感情ね……。
自身の感情を薄笑いで追いやると、マグカップにコーヒーを注いで縁側に戻った。
蒼が急に振り返った。寂しげな表情が笑顔に変わる。紫の胸に甘酸っぱい感情が一滴、落ちて広がった。
「熱いから気を付けて」
「ありがとう、お姉ちゃん」
差し出したマグカップを蒼が受け取る。指先が僅かに触れた。確かな熱が伝わった。
二人の熱っぽい瞳がお互いの指先に注がれる。
「朝から良い天気ね」
断ち切るような言葉を挟んで紫は蒼の横に座った。自身のカップのコーヒーを口にする。少し表情を緩めて縁側から見える景色を眺めた。
熱を帯びた視線を横から感じる。何かが擦れるような音がした。蒼が数ミリの単位で近づいてきた。
紫の視界の隅に蒼がいた。瞳が潤んでいる。蕾のような唇が少し開いていた。
『お姉ちゃん、好き』
紫の頭の中に蒼の声で聞こえた。心臓が打ち震えた。感情が高ぶって心の声が漏れそうになる。
――私も妹が好き。恋人に抱くそれとは違って、愛しいと思う自然な気持ちで妹のことが……。
紫は歯を噛み締める。
「……お姉ちゃん」
その声は幻聴ではなかった。すぐ側で聞こえた。紫は蒼と視線を合わせた。
「……なぁに、蒼……」
「……手をつないで」
か細く、甘えるような声を出した。
「……手を?」
「指先から……感じたいの……お姉ちゃんのこと」
懇願に近い声に紫の心が揺さぶられた。顔に感情が漏れ出ないように微笑みで覆い隠す。
「いいわよ。手を出して」
紫は蒼の手を握った。気楽にぶらぶらと振って見せる。
蒼は切ない表情でやんわりと拒絶した。
「違うよ。そうじゃなくて、もっと深く、お姉ちゃんを感じたいの。だから……」
蒼は指を絡ませてきた。恋人と手を繋ぐように深いところまで差し込み、そっと握る。愛情に溢れた笑みが零れた。
目の当たりにした紫は、ああ、と微かに声を漏らした。しっかりと握り返す。
――私の好きは妹と同じものなのね。
手を繋いだまま、紫は蒼の頭に手をやる。寝癖の付いた髪に手櫛を通す。蒼はうっとりとした様子で目を細めた。
「……お姉ちゃんの指、とても気持ちいいよ」
「ありがとう。嬉しいわ」
「すらりと長くて、とても綺麗で、好き……」
蒼は身体を寄せてきた。梳かしていた手は頭を優しく抱え込む。自身の速まる鼓動を聞かせた。
胸に耳を当てていた蒼が上目遣いとなった。
「お姉ちゃん、ドキドキしてる?」
「蒼はどうなの?」
紫は握っていた手を強めた。蒼は同じくらいの力で受け止める。
「……お姉ちゃんと同じ……」
苦しそうな表情を浮かべた。唇をもどかしく動かす。真意を伝えることなく、視線を逸らした。
その先に置いてあったマグカップを手に取り、中身のコーヒーを飲んだ。蒼は泣き笑いの顔で口にした。
「ブラックって少しビターだよね」
「……そうね。甘くはないわ」
自ずと視線が重なった。お互いの表情から心を読み取ろうとするかのように。
繋いだ手が相手を探る。指先の感覚を研ぎ澄まして手探りで歩み寄る。心の中は甘く、心情を打ち明けられずに苦く、二人は緩やかな時を過ごした。
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担当ゲームマスター
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3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
オールジャンル
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年07月25日
参加申し込みの期限
2017年08月01日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年08月01日 11時00分
参加キャラクター一覧
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