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人をダメにしちゃうソファ
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【リターン・トゥ・ヒーロー】
気分屋。眠そうな瞳、面倒くさがり。どこにでもいるような、平凡な……
灯 斗南
の周囲における印象は、おおよそそんなところだったでしょう。
けれど彼には、裏の顔がありました。
(……なんだこれ)
学校帰り、電器店の店先にてふと目に付いた一脚のソファに、斗南が強烈に惹き寄せられてしまったのも、そのためが故ではあったのでしょう。
清潔な白。手を触れればふんわりと沈み込む、円形のクッション。安眠を助けるのに絶妙なそれは、言わば……戦士が束の間の休息に身を預ける、揺りかご。そんな風に表現されるべきものであり、斗南にはそれが、どこか自分が心の奥底で求めていたものであるかのようにも思われました。
「いや。だめだ」
誘われるまま、全てを委ねてしまいたい。抗いがたい欲求が、斗南の胸を占めていき……けれど、逡巡。彼には容易にそうしてしまうわけにはいかない、理由がありました。
(帰って、準備をしないと……)
斗南は、仮面のヒーロー! なのです。
憧れ。幼い頃の自分を魅了した、特撮番組……未だその正義の炎は自身の中で種火をくすぶらせ続けていて、決して途絶えることは無く、時に激しく燃え上がり。時に小さく、迷いのように揺らぎました。結果、その熱に突き動かされるように始めた夜回りは、今では彼の日課のようなものです。
(……いや……でも)
と言って彼は、自身が純粋かつ混じり気の無い、真の正義を体現しているなどと、おごり高ぶっているわけでもありません。
夜毎に仮面をかぶり街をさすらい、許しがたい悪を見つければ炎を持ってこれを罰する。けれど炎は激しく、斗南自身をも燃え焦がしてしまいそうなほど……彼は、自分の掲げる正義が押しつけがましく身勝手なものであると、自ら理解しているのです。
それゆえに彼は街の治安に一定の貢献をしながらも、その心中には常に葛藤が満ちています。ことに辛い経験、苦しい思いに事欠くことはありませんでした。
だからこそ。彼は、惹かれるのです。
「ああ……そうだよね。今日ぐらいは、いいか」
斗南は全てを投げ出し、静かに、ソファへ腰を落とします。瞬間……彼の中に満ちていくのは、安堵。安らぎ、解放感。この瞬間だけは、何もかもが許されたかのような……清々しく、暖かい感覚。
「…………」
数分もしないうち、そこにはまるで幼子のように指をくわえ、安らいだ表情で丸くなる、彼の姿がありました。
けれど。ヒーローに許されるのは束の間の休息、それのみであるのだと、まるであらかじめ決められているかのようです。
「……ッ!」
電器店の軒先にはいくつものテレビが並び、垂れ流されている映像の中に、それはありました。柔らかな手触りのソファに手をつき身を起こし、彼は、見つめます。
「マスカレイダー……」
幼い頃に憧れた、ヒーロー。心の支え……それが今、目の前で、画面の中で。あの頃と同じポーズを決めながら、彼を見返しているのです。
「……そうだね。分かってる。大丈夫」
安寧から引き剥がすように身を起こしたところで、ふと。やってきた少年と、目が合いました。
見覚えのある彼は、クラスメート。まるで、今の今まで何かと戦ってきたかのようにぼろぼろで、あちこちには引っかき傷のようなものがあり、かすかに血の滲んだ跡まであり、そして疲れ切った様子です。
斗南は悟りました。今、癒されるべきは目の前の彼であり、バトンタッチの時が来たのだと。
ふたりの視線が交錯し……どちらも、何もかも承知しているかのように。物言わぬまま、ぱちん、と手のひらをひとつ打ち付け合って。
(そう……あんな安らぎ、僕には必要ない。癒されるべきは、僕じゃない。今はまだ……その幸せに値する何かを、僕は、何ひとつやっちゃいない)
そうして、斗南は立ち去って行きました。
やがて日は落ち、夜の闇の中、炎は再び灯るのでしょう。
恐らくは戦いへと向かうのでしょう、赤毛のクラスメートを見送ってから。
サキリ・デイジーカッター
は、改めてそれを眺めます……ソファを。
「……おかしいな。さっきはこんな感じじゃなかった気がするんだけど。やっぱり、疲れてるのかな……」
何しろサキリは今の今まで、寝子島のフツウを守るため、激しい戦いのさなかに身を置いていたところだったのです。ちょっぴりお疲れモード、何かしら見間違えてしまったとしても、無理は無かろうというものです。
「それにしても、『アロマゾンビ』だなんて……いつにも増して奇妙な敵だったね」
キテレツな事件はもはや日常茶飯事な寝子島、本日現れた敵は紛れもなく、ゾンビ! でありながらも、得意の刃物さばきで斬り付ければ吹き出すのは、赤黒い血液……ではなく、芳醇に香るアロマオイル。恐怖と癒しの恐るべきハイブリッド・モンスターは、一匹一匹は大したことが無いにしろ、その数にはちょっともう大変なものがありまして。某猫神様の猫パンチで世界を切り分けたとて、彼らの奮闘及ばずそんなものが街中へでもあふれ出してしまえば、混乱は必至です。
そんなわけでして、サキリは大量のゾンビを斬って斬って斬り捨ててきたばかりなのでした。
「おかげでもう、クタクタだよ」
といったところで目に付いたものが、例のソファなのですけれど……赤毛の彼が寝そべっていたそれは、先ほどまでは確かに、真っ白なただの気持ちよさそうなクッションであったはずが、
「うーん、これは実に、僕好みだね! 素敵すぎる……誰かが気を利かせてくれたのかな?」
気付けばソファには、一本、二本三本……たくさん! な、大小様々で形もバリエーションに富んだ刃物たちが突き刺さっておりまして、まるで剣山、いえ針のムシロ状態になっていたりしました。周囲にだって、もう無数のナイフにソードに、ファルシオンやらカッツバルゲルやらジャパニーズカタナやら、フランベルジュやらクレイモアやらドラゴンキラーやら……もーとにかくぶっすりぶすぶすと地面に突き立っていて、何これこわい!
と、フツウの人ならそう思うところですけれど。そこへいくとサキリの反応はちょっぴり違って、
「じゃ、ちょっと休ませてもらおうかな」
よっこいせっと躊躇なく腰かけた途端。満たされたように、ほっこり! ブレードマニアな彼らしさなのでした。
「ああ……これ、最高だ。心が……隅々まで、満たされていくよ…………って、これは!?」
多種多様な刀剣に囲まれ癒されまくっている彼の目が、ふと一振りの美しい刃に留まり、見開かれます。複雑に織りなす縞模様、波紋を擁するこの剣は、古代インドのウーツ地方にて産出された鋼を用いて、シリアのダマスカスで刀剣へと鍛造されたという、折れも錆もせず凄まじい切れ味を持ちながらも現在はその製造技術が失われ、幻の鋼、幻の武器と呼ばれて久しい、あの伝説の……!
「ダマスカスブレードじゃないか! 前から欲しかったんだこれ、嬉しいなぁ頬ずりしちゃおう」
すぽっとそれを引き抜きまして、頬っぺたすりすりすり。まぁ、ステロタイプな悪役よろしく、ぺろりっと刃を舌で舐め上げたりしないだけ良かった、と思うべきでありましょう。
とにもかくにも、大好きな刃物に囲まれて和みまくりなサキリ……気付けばあたりには、先ほど嫌になるほど斬り捨ててきたゾンビたちの返り血ならぬ返りアロマのふんわりかすかな残り香が漂い、実にさわやか。寝子島の平和を見事に死守し、お疲れの彼をすっかり癒してくれるだけの条件は、ここに全て整っておりました。
「ああ~。もう動きたくない~……」
サキリはダマスカスブレードを胸に抱いたまま、ふんにゃり。そのうち、深い眠りへと落ちていきました。
けれど彼もまた、やがて目覚め、いつもの顔を取り戻すでしょう。あるいはいつか、あの赤毛の彼と再び顔を合わせ、互いに背中を預けながらに、激闘へと身を投じることになるのかもしれません。
戦士の休息はいつだって、束の間のひと時に過ぎないのですから。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
墨谷幽
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
20人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2015年10月02日
参加申し込みの期限
2015年10月09日 11時00分
アクション投稿の期限
2015年10月09日 11時00分
参加キャラクター一覧
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