「あーこちらは寝子島高校放送部の
行梨 謡。なんでも最近花粉の量が尋常ではないということで、朝の正門前に来ている。確かに鼻がやけにムズムズすんのな。色々としゃべくり散らかしたいところだが、さっさとインタビューしろということなので、登校途中の人に適当に声をかけてみるぜー」
「
ハッ、ハクシュン!」
「おっさっそく花粉に悩まされている人発見、クラスとお名前を」
「2年……ハッ……2組……
大神 美星です、ハクシュ! これ録音されてるんですか? お恥ずかしいです〜。今年の花粉は去年とは比べものにならないみたいですよ〜。目はかゆいし耳は痛いし、頭もクラクラするし。今日は学校休んじゃおうかなぁ」
「いやー見てるだけでこっちまで目がかゆくなるな。続いては……おっ、あれは理科の
五十嵐 尚輝。奴にも聞いてみようか」
「おはようございます。風邪が流行っているんですかね、マスクをしている方を多く見かけますが。僕ですか? 僕は一昨日からずっと実験室に篭っていたので、久々に何か食べようと思いまして」
「チチチ……(五十嵐のボサボサ頭から小鳥がひょっこり)」
「おや、何か聞こえたような? 栄養が足りてないのかな。ちょっとコンビニにでも行ってきますね」
「というわけで。何かただよらぬ事態となっている正門前。現場から寝子島高校放送部がお届け
ハークション!」
一方その頃、九夜山の麓。
さわさわさわ。さわさわさわ。
怪しくうごめく「木」たちが、ひとかたまりになって、山から町へ下りていく。
全長は二メートルほど。地面にむき出した根っこが足の役割を果たしている。幹には表情がくり抜かれ、見るものを震え上がらせるには十分な形相を保っていた。
しかしなんといっても圧巻なのは、彼らの撒き散らす花粉。空中を黄色く染め替えるほどの量が、風に乗って、早朝の寝子島へ降りそそいでいる。
さわさわさわ。さわさわさわ。
寝子島の不快な一日が始まろうとしている……。
読んでるだけで鼻がムズムズしてしまったらごめんなさい。花粉症はないけど猫アレルギー、気合で猫2匹と共存しているゲームマスター小西です。
ガイドにて、皆様のPCを勝手に花粉に弱いことにしてしまいましたが、お許しを。あくまで神魂の力によるもので、各々の体質を決定付けているわけではありません。
<目標や留意点>
寝子島花粉警報の元凶は、神魂の影響で擬人化した杉です。
山から町へ下って、花粉をばら撒いています。シナリオガイドから少し後、危機を察知したテオドロス・バルツァによって、街の人たちに発見される前に、参加PCの皆さんと人面樹だけ新たな世界へと転送されました。
皆さんの手で人面樹を全て駆除することが目標となります。
<人面樹について>
以下に人面樹の特徴を挙げておきます。討伐のヒントにしてください。
・根っこが足。歩けます。言葉を話すことはできませんが、うめいたりはします。顔が付いてるので、見聞きや嗅ぐこともできます。
・枝が手。しならせて、近づく者に物理攻撃を仕掛けてきます。かなり痛いので注意が必要です。
・神魂の影響で、飛ばす花粉の量が尋常ではありません。花粉症の症状はもちろんのこと、視界が遮られる可能性もあります。
・一定以上のダメージを与えればただの木に戻ります。
彼らは九夜山方面から寝子島地図のH-6、H-7、H-8あたりに侵入、シーサイドタウンへと蔓延します。桜花寮なんかはけっこう危ないですね。
<アクションについて>
シーサイドタウン付近のどんな場所で、どんな風に戦いたいかを書いてもらえるとありがたいです。戦う場合は共闘がいいか、それともサシで勝負したいかも書いていただけると構成上助かります。
戦わずに花粉から逃げ続けるのもいいですし、事態に便乗して特別な行動を提案していただいても、無理のない限り対応したいと思います。
実際に花粉症で悩まされている方は、自分なりの花粉症対策も紹介していただけると、生活の知恵が盛り込めてお役立ち度の高いシナリオになります。
サンプルアクションは短めですが、文字数ギリギリまで魅力的なアクションをご提示ください! 小西の拙い想像力が補強されます。よろしくお願いいたします。