とある日。仕事が休みだった
小野田 万里はのんびりと買い物をしていた。
(この後は特に予定もなし。少し早いけれど夕ご飯にでもしようかなぁ)
とか考えながら万里が顔を上げると空に一番星が輝いている。もうそんな時間か、とか思っていると……?
――パラパラパラ!
空から何かが降ってくる。いったい何事か、とおもい手を出せば、淡く輝くドロップがそこにはあった。
「なんでドロップが……?」
万里が呟いていると、暮れ行く空に幾筋もの流れ星が。怪訝そうに見上げる彼女の頭上を流れ星のような物がどんどん流れていく。だが、よく見ると全て色とりどりのドロップだった。
『面倒なことになっちまったな』
万里の耳に、けだるそうな声が聞こえる。
テオドロス・バルツァはため息混じりに言葉を続けた。
『そのドロップ、……このまま降り続いたら
寝子島を沈めてしまうぞ』
「はぁ?!」
テオの言葉に、思わず声を上げる万里。そんなふざけた事が信じられるわけがない。だが、次々に空からドロップが降り、いつの間にか地表を埋めていた。その様子に万里は表情をさらに険しくする。
「まいったなぁ……。ホント、やっかいなことに巻き込まれたわぁ」
『俺はしらねぇよ。ま、寝子島上空に原因があるみたいだぜ?』
テオはそれだけいうと通信をきる。万里は深くため息をついて空を見上げる。流れ星のように次々にドロップが振り続ける。
だが、彼女は後から気づく。
この降ってきたドロップを食べれば、願うだけで空を飛べることを。
けれども、過去の失恋を思い出してしまうことを。
――寝子島上空。
その小瓶の傍には、1人の少女が浮かんでいた。
踵まであるだろう灰色の髪を、華ロリなワンピースの裾を風に揺らし、少女はくすくすと笑う。髪から突き出た黒い虎の耳をぴこぴこさせながら、少女は目を細めた。
「呪皇様、あなたさまを脅かす異界の民を、この私、
星華(シンファ)が退治いたしますわ」
少女は笑う。こんなにも美しいお菓子に蝕まれるなら島の住人も少しは幸せな死に方ができるだろう、と。
――黄昏に、ドロップは降り注ぐ。
菊華です。
なぜか、空からドロップが降ってきます。
寝子島を救うために黄昏の街で頑張って下さい。
難易度:? ? ?
今回の概要
なぜか大量のドロップが寝子島に降り注いでいます。
それが一晩中続くと寝子島はドロップによって沈んでしまいます。
★ドロップ
空から降ってきています。
これを食べると、空を飛ぶことができます。
ただし、なぜか過去の失恋など苦い恋の思い出が脳裏をひっきりなしによぎってしまいます。
そんな経験がない人でも、胸が苦しくなるほどのせつなさに見舞われます。
ちなみに摂取量に比例するようです。
★謎の少女:星華(シンファ)
灰色の長い髪をした少女で、黒い毛並みに白い縞の虎耳と尻尾を持ちます。
華ロリのワンピースをまとい、瓶の傍にいますが肉眼では見えません。
PL情報
星華は、空を何かに写す事で姿を見ることが可能です。
例:鏡、水溜り、スマホや携帯、デジカメなど
★その他の登場NPC
テオ
ドロップだらけになった地面に足を取られながら、シーサイドタウンを歩いています。
異世界に切り分けるだけで精一杯だったようです。
瓜山 メイ
車が故障し、レッカー車を待っていましたが異世界に巻き込まれました。
現在は沈んだ表情で空を見上げています。どうやらドロップを食べてしまったようです。
★PL情報
上空に、星華と名乗る異世界の住人がいます。
現在、ドロップは星華が持つ小瓶から降り注いでいます。
止めるためにはこの瓶に蓋をするか瓶を破壊してください。
※これまでの月華シリーズ
読んでなくても問題なくご参加いただけますので、ご安心ください。
1話完結のこともあれば、前作参加者が優先される明確な続き物のこともあります。
・月夜に囚われし姫君を救え
・トワイライト・フェアリーテイル ―逃げ出した姫―
・ふわりふる真珠、月の都の異邦人
・トワイライト・フェアリーテイル ―鳥篭の姫―
・狼は九夜山に吼える?
・漆黒の進撃・桜花寮篭城戦!
・<月華> 宵闇邂逅 ~それはフツウを壊すモノ?~
それではよろしくお願いします。