ここのメインだな。
芸術ネタに限らず好きに寛ぐと良い。
何もない……と見せかけて俺の淹れた茶位なら用意してある。
茶葉はそれなりに揃えてあるから好みの銘柄があればリクエストに応えてやらないこともないぞ。
(本来公認部の部室が並ぶ部室棟の一角、空き部屋だったそこを非公認の同好会がどうやって獲得したのか詳細は不明。うまく先生を言いくるめたのかはたまた不法占拠なのか。
ただ部屋の主は後ろめたさを微塵も感じさせない堂々とした様子で紅茶を淹れている)
やはりティーセットは何組か持ってきておいて正解だったな。
学校でもやはり美味い茶が飲みたい。
日本のティーバックやペットボトルの紅茶もなかなか良い風味だが……。
(淹れているのはダージリンのファーストフラッシュ。水色は美しく、若く瑞々しい香気を漂わせている。青い薔薇の描かれたティーカップに注ぎ、香りを楽しんでから一口含み)
パーフェクト。
淹れる工程も含めてやはり紅茶は良い。
(満足そうに笑って椅子に腰かけ、膝上に乗せた画集を開く)