旧市街、参道商店街にある手打ち蕎麦屋『すすきの』
暖簾をくぐって中へと入ってみれば、出汁の香りか、天麩羅の香りか。
席に座って出されたお茶を飲みながらメニュー表を覗いてみると、
筆で書かれたしっかりとした文字が目に入ってきます。
・かけそば
・鴨南蛮
・天麩羅そば
・月見そば
・ざるそば
・天ざるそば
・寝子島そば定食…日替わりのそば定食
・サンマそば定食…サンマの蒲焼がのった掛けそば定食
その他にも季節ごとのメニューもあるようです。
お気軽にご注文下さいませ。
「あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー」
孫娘の五月が接客の合い間にテーマソングとばかりにおかしな調子の歌を口ずさんでおりますが、
深い意味はありません。恐らく気分です。そして仕様です。
(厨房へ向かって行ったと思ったら)
(ひょいと戻って来て)
すみません、この辺りに私の眼鏡が……ありませんでしたかと
お伺いしようと思っておりましたら、外しておりませんでした。うっかり。
(キラーン)
(何事もなかったかのように、さらに持って来たお漬物をテーブルに置いて)
(綾瀬さんに向かって)
ご注文がお決まりになりました、ひょひょいとどうぞお声掛けて下さいませー。(キラーン)
あなたのそばに、蕎麦屋すすきのーすすきのー。
(ほんわり微笑んだ後、もう一度厨房へと戻って行った)