旧市街、参道商店街にある手打ち蕎麦屋『すすきの』
暖簾をくぐって中へと入ってみれば、出汁の香りか、天麩羅の香りか。
席に座って出されたお茶を飲みながらメニュー表を覗いてみると、
筆で書かれたしっかりとした文字が目に入ってきます。
・かけそば
・鴨南蛮
・天麩羅そば
・月見そば
・ざるそば
・天ざるそば
・寝子島そば定食…日替わりのそば定食
・サンマそば定食…サンマの蒲焼がのった掛けそば定食
その他にも季節ごとのメニューもあるようです。
お気軽にご注文下さいませ。
「あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー」
孫娘の五月が接客の合い間にテーマソングとばかりにおかしな調子の歌を口ずさんでおりますが、
深い意味はありません。恐らく気分です。そして仕様です。
>珠喪さん
…………はっ!
今、珠喪さんの口の中に、お月見の夜がッ(キラーン!)
薄野五月、一瞬今が春ではなく、まるで秋の日の……
そう、まるで秋の日の満月を見ているような気持ちになりました……!(ごくり)
うむむ……流石は珠喪さん、何と見事な……!(キラーン!キラーン!)
(厨房の方から店主も「ごくり」と喉を鳴らしている!)
ふっふ。珠喪さんの食べっぷりは相変わらず素敵ですー(力強く)
蕎麦を作っているおじいちゃんも、珠喪さんに食べて頂くのを見るのが
楽しみだと良く言っとるんですよー(とほんわり微笑み)
>天衣さん
(扉が開く音に気がついて)
いらっしゃいませー!すすきのーすすきのー。
あなたのそばに、心の中に、蕎麦っと太陽すすきのーすすきのー。
(お客様がたくさんで嬉しいなぁと踊るようなステップで
ひょひょいとお迎えに向かい)
……とと、おや?もしかして……天衣さん?
(クラスメートの姿にぽん、と手を鳴らし
嬉しそうにひょいひょい)
あっやっぱり天衣さん!(力強く)
ふっふ。こんにちは、天衣さん。いらっしゃいませー!すすきのーすすきのー。
こちらへどうぞ、お席の方、ご案内致しますー。