旧市街、参道商店街にある手打ち蕎麦屋『すすきの』
暖簾をくぐって中へと入ってみれば、出汁の香りか、天麩羅の香りか。
席に座って出されたお茶を飲みながらメニュー表を覗いてみると、
筆で書かれたしっかりとした文字が目に入ってきます。
・かけそば
・鴨南蛮
・天麩羅そば
・月見そば
・ざるそば
・天ざるそば
・寝子島そば定食…日替わりのそば定食
・サンマそば定食…サンマの蒲焼がのった掛けそば定食
その他にも季節ごとのメニューもあるようです。
お気軽にご注文下さいませ。
「あなたのそばに蕎麦屋すすきのーすすきのー」
孫娘の五月が接客の合い間にテーマソングとばかりにおかしな調子の歌を口ずさんでおりますが、
深い意味はありません。恐らく気分です。そして仕様です。
……ッ(笑いを堪えた。薄野の奴…畳み掛けてくれる)…どこまで本気か知らねぇが『適当』気張れよ。
仲良し…フムン……
(思案。なるほど、そういう風に見えるのか。ま、確かにそうだ…一緒に馬鹿やったり飯食ったり
こっちに来てからなんだかんだ多くをツルむのはあいつらだ…まあ、悪い気はしない)
……青春、ね。そうか…存外、らしく過ごせてるのかもな……ありがとよ。
(それなりに前向きな、ひとまずの答えが出た。とりあえず礼を言っておく)
(麺を啜る、噛む、飲み込む、汁を啜るの動作を再び行って四野辺を一瞥)
……探してるっつーかなんつーか…まぁ、結果的に。
オススメ……あー、あれだ…(ちょい、と箸で店のある方角、虚空を指しながら)
猫島軒っつーラーメン屋。薄野みてぇな奴がいる。(ノリとか年齢とかいろんな意味を含めて)