ここは図書室だ。
北校舎(特別教室棟・3階建て)の3階に位置するため見晴らしもいい。
生徒数に見合って図書室も広く本も豊富なようだな…。長机で勉強するのもいいだろう。
図書室では静かにな。
(図書室の片隅、閲覧机に角封筒と便箋。実家宛に手紙を書いている)
………。
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ジジイへ
とりあえずめんどくせぇ入学式が終わった。変な入学式だったが。
言われた通り、猫鳴館に入ったが酷ぇボロ屋だった。
それと、バイトも決まった。
なんとか自立出来そうだ。仕送りはいらねぇ。
おかしな島だが、悪い所じゃないと思う。適当にやっていくつもりだ。
俺の近況はこんな所だ。気が向いたらまた手紙を送る。またな。
庚より
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……。
『追伸 病気や怪我に気を付けろよ』
(ペンを置いて一息つく。電話するのも何やら照れくさい。故に、手紙。
手紙は便利だ。言葉に出さず、一方的にこちらの意志を伝える事が出来る)