(おもむろにスケッチブックに文字を書き出す)
『あ、こ、こんにちは。ここは学校の屋上みたいですね…教室は凄く賑やかですし、ここなら少し落ち着けるかなと思いまして…。
まだ昼休みですし、街の景色を眺めながらゆっくり時間を過ごしながら交流出来たらいいなって思ってます。』
って、質問に答えろって……お、お? お? おお!? 軽い……荷物降ろした感じみてえだ……昴、お前なにをし……居ねえでやんの。
(皇が英語を話した、そう言うか早いか彼は笑いながら屋上から出て行った。尋ねた会話ん回避され、やらかしたと感じた都築ではあったが、瞬間、肩の軽さに暫く思考が止まってしまい気付いた時には皇は、屋上の入口から出て行く後ろ姿を見た)
あいつろっこん持ちだったのか……能力名は分からんが……そうか、そうか……だからあいつ身体中に傷ばっかりなのか。
(皇がろっこん持ちに驚いたのではなかった。詳しい能力の効果は分からないが、治療する能力と彼の身体にあった無数の生傷や古傷を診てそれらがろっこんの何らかの代償だと感じ、それに驚いた。古傷の数が今まで彼が能力を使ったという証拠と思った時に都築は、大きく息を吐き、両目を閉じ暫く口を開く)
お前の方が明らかに禿げるぞ、お人好し頭痛野郎め、1年の癖に……。仕方ないから、今度ラーメン奢ってやるよ。
(ベンチに崩れる様に項垂れ、呟くと屋上から見える雲は気付けば、来た時よりも小さくなっていた。数分後、携帯の時計を見て都築も大きな身体を動かし屋上から教室に戻った)