(おもむろにスケッチブックに文字を書き出す)
『あ、こ、こんにちは。ここは学校の屋上みたいですね…教室は凄く賑やかですし、ここなら少し落ち着けるかなと思いまして…。
まだ昼休みですし、街の景色を眺めながらゆっくり時間を過ごしながら交流出来たらいいなって思ってます。』
>ラッセルくん
(邪険にする様子も無くこくっと頷き、一旦描くのをやめてぱらぱらめくり始める。寝子島の桜、随分と雪深そうな田舎風景……一番最初のページに行き着くと、レベルの全く違う、綺麗な風景画が)
このスケッチブック、元々はあたしのじゃなくて、芸術科の‥あたしのお友達のもの。
今は、あたしが使わせてもらってて。最初のこの絵は‥彼の描いたものなの。
(少し目を落とし)
あたしは‥あんまり表現とか上手じゃなくて。伝えたいこととか、考えてることとか、気持ちとか価値観とか、もっと伝える術が欲しくて見るばっかりで苦手だと思ってた絵を始めたの。
(一呼吸置いて真っ直ぐ見つめ返し)
…やらず嫌いは、良くないと思ったから。
>さくらさん
(控えめに微笑み)
こんにちは。うん、最近始めたばかりだし、全然上手くないんだけど。
あたしの伝えたいものが伝わるレベルまでは上達したいから。
名乗るの、忘れてたね。あたしは深紺灯。立花 深紺灯(たちばな みこと)。
深い、紺の灯って書くの。普通科で、猫鳴館に暮らしてる。よろしくね。