灯 斗南はいたって無趣味な男だ。音楽にもオシャレにも部活動にも勉強にも興味がない。そんな彼だが毎週必ず欠かさず見ているのが特撮ヒーローもの、「マスカレイダー」シリーズである。元々は昭和に作られたマスカレイダーを平成になって復活させるとそのシリアスな展開と主人公ダイゴ役の俳優の熱演から人気沸騰、以降シリーズ化されている。
そこにいたのは平凡な服装の少年だった。「風で声を拾ってここまで来た甲斐があったってものだね。」
「まさか、お前も演神者(プレイヤー)!?」「そう、僕は…」少年は懐から空のように青い仮面を取り出し装着した。【アクト・ヘルメス】閃光と共に姿を変える少年。そこにいたのは青いボディにギリシャのトーガ風の衣をまとったスマートな神の姿があった。