灯 斗南はいたって無趣味な男だ。音楽にもオシャレにも部活動にも勉強にも興味がない。そんな彼だが毎週必ず欠かさず見ているのが特撮ヒーローもの、「マスカレイダー」シリーズである。元々は昭和に作られたマスカレイダーを平成になって復活させるとそのシリアスな展開と主人公ダイゴ役の俳優の熱演から人気沸騰、以降シリーズ化されている。
「…私は父の最期を見て、マギウスの仮面を悪用させてはならないと決心し、それからの人生を仮面を回収、もしくは破壊することに費やしてきた」老人…本名は神室 忠光は星児に合うまでの事を語り続けた。
「そして、ようやく奴らの手からいくつかの仮面を奪うことに成功した。その中の一枚が…」
「マルスの仮面、って事か。」星児が呟く。