灯 斗南はいたって無趣味な男だ。音楽にもオシャレにも部活動にも勉強にも興味がない。そんな彼だが毎週必ず欠かさず見ているのが特撮ヒーローもの、「マスカレイダー」シリーズである。元々は昭和に作られたマスカレイダーを平成になって復活させるとそのシリアスな展開と主人公ダイゴ役の俳優の熱演から人気沸騰、以降シリーズ化されている。
第二幕「主役と舞台」
どこかの闇の中、二人の仮面を付けた男が会話をしている。「アペプの奴、調子に乗るからあんな目にあうのだ」「裏切り者の持ち出したマルスの仮面にそれだけの力があったという事だ」「どうする?」「無論、我々の演ずる舞台に余計な役者は必要ない」「では、この俺が」「うむ、全ては我らの仮面舞踏会(マスカレード)のために」そうして二人の男は闇に解けるように消えていった…。