シナリオID :769
シナリオ名 :遠雷のような、昔日の
キャラクター名 :木原 一颯
担当ゲームマスター(敬称略):
阿瀬春
シナリオタイプ:
シルバーシナリオ
シナリオガイド:
http://rakkami.com/scenario/guide/769
リアクション:
http://rakkami.com/scenario/reaction/769
参加キャラクター一覧:
http://rakkami.com/scenario/chara-list/769
コメントページ:
https://rakkami.com/scenario/comment/769
シナリオID :769
シナリオ名 :遠雷のような、昔日の
キャラクター名 :木原 一颯
投稿日時 :2015年01月07日 19時37分26秒
◆アドリブ度
S
◆指定イラスト
或る老紳士の肖像
http://rakkami.com/illust/detail/6681
◆プレイヤーの目的・意図
とある老紳士の回顧録
イタリアでの異国情緒あふれる切ない恋を描いてほしい
◆キャラクターの目的・理由
居酒屋ハナ……こんな店があったのか
秋の夜長に早寝も淋しい
隅の席をお借りするよ
◆キャラクターの行動・手段
僕の昔話を聞きたい?
物好きだね
30年前、ヴェネツィアに渡った僕の元へ修道院から依頼が舞い込んだ
パイプオルガンの修理を頼まれ赴いた僕の世話役となったのはもう若くはない修道女
名前はルチア
ルチアは修道院のしきたりに不慣れな僕を手厚くもてなしてくれた
僕は外の世界で見聞した様々な出来事を語り、ルチアは修道院での日常を慈しみ深く語った
僕らは互いに惹かれ合い……愛し合うようになった
しかし修道女である限り一緒になれない
修道院は神に身も心も捧げた女の世界
修理が終われば立ち入れなくなる
オルガンの修理が終わる日、僕は彼女に逃避行を持ちかけた
今風に言えばそう、駆け落ちだね
決行は水の都が最も華やぐマスカレードの宵
祝祭の喧騒に紛れて逃げる計画だったが…
ルチアは約束の刻限 約束の場所に現れなかった
目印は互いの仮面
人ごみの中、彼女が指定した仮面を必死に探したがとうとう巡り逢えなかった
ルチアの幽霊がでるようになったのはそれからさ
仮面で素顔を隠し、黒い裳裾を引いて
死因は知らない
事故死なのか病死なのか自殺なのか
誰かに殺されたのか
その動機も
知る勇気がないというのが正直な所だ
あるいは現実のルチアは健在で…彼女の幽霊は、僕が恋しさ故に生み出した幻覚なのかもしれない
そうであってほしい
僕は約束を守れなかった
あの夜、もっと本気で捜していれば
水路の隅々まで捜していれば、生身のルチアを抱擁できたかもしれないのに
……老人の繰り言さ